- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488547080
感想・レビュー・書評
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ミステリーかな?「木でできた海」で主人公だったフラニー署長も出てきます。
スランプの小説家が故郷で昔遭遇した未解決事件を思い出し、それを調べ始める。
今まで読んだホラーファンタジーとはちょっと違ってわりと単純なミステリーでした。
ファンの彼女のヤバさが良かった。 -
マニアックでアメリカンで、なんだか「ツイン・ピークス」を思い出した作品。
読むのに、なかなかエネルギーを費やす作品でした。 -
ダークファンタジーのジョナサン・キャロルの9年ぶりの新作。
作家である主人公が、自分の高校時代にあった殺人事件の本を書こうとする。すると周りでまた殺人事件がおこる。
……ファンタジーかと思ってたら、普通のミステリーでした。
どーしたキャロル。やっぱり、今までの作品ではマニアックすぎて売れないのか。でもって、お金が必要になったのか? と、勘ぐりたくなりました。
が、中身は、やっぱりキャロルだった。
なんてことない表現が、独特のキャロル節だし、展開や結末もキャロル以外にこういうもっていきかたをする人はいないだろうって。
にしても、キャロルってどっかいっちゃってる人描かせると上手いよなぁ。
ミステリー作家ジョナサン・キャロル。新作出たら買うから、出版社さまさくっと出してくだいませm(__)m -
スランプに陥った作家サム・ベイヤーは生まれて15年を過ごした町、クレインズ・ビューを訪れる。
ニューヨークから1時間の小さな町は平和で退屈な土地柄。
少年時代に、川でポーリンの遺体を発見した事件があったのを思い出し、そのことを再検証しながら作品にしようと思い立ったのだ。
同じ高校の卒業生だった娘ポーリンは、優秀だが大胆で個性的に過ぎ、複数の男性との関係もあって、蜂の巣とあだ名されていた。
主人公は3度の結婚に失敗しているが、一人娘のキャスとはいい関係で、BFが出来たのは悩ましいがこれも好感の持てる男。
サイン会であったファンの美女ヴェロニカに迫られ、何度か快適な日を過ごすが、しだいに重くなる…彼女にはとんでもない過去があったのだ。
故郷の町では、名うての不良だったフラニーがなんと警察署長に。
リーダーシップが変わらないが、ベトナムでの経験から更正したのだった。
亡くなったポーリンの妹マグダと今はいい関係にあるらしい。
30年前の事件の捜査と、スランプの作家、若い娘、今も事件の陰を引きずる人々、そして異様に尽くしてくれる美女が絡みあう…
幻想文学の鬼才であるこの作者にしては、純粋なミステリというのが不思議だが、ラストシーンへ持って行く語り口の妙はキャロルならでは。
1998年の作品、2006年翻訳発行。キャロルの作品として9年ぶりの翻訳だったらしい。後書きは豊崎由美。 -
『木でできた海』のフラニーが出てくるらしいので。
クレインズ・ヴュー三部作の1作目。 -
スランプに陥ったベストセラー作家サム・ベイヤーは、フラリと生まれ故郷に帰ってきた。懐かしい町でポーリーンのことを思い出す。30年前、自分が見つけた美しい水死体のことを。
キャロルは、作家を主人公にした物語がうまい。作家であることが必要不可欠なストーリー。キャロル自身が作品を生み出すときに感じているであろうことも垣間見える。昔の事件を調べて本にする、という単純な話だったはずが、じわじわと不吉なことに取り巻かれていく恐怖。全ての登場人物が過去のことを悔いており、しかも見かけ通りではない本質を隠している。誰を信じればいいのか?
ダークファンタジーの名手キャロルによるミステリー。いつものゾクゾクする怖さはないものの、良くできていると思う。でもやっぱり、ファンタジーならよかったのになあ、と思ってしまった。
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これまでと違って「普通のミステリ」っぽいが、私は好き。特に終盤の、娘とのくだりとか、ぐさぐさと突き刺さる感じがいい。ちょっと「危険な情事」みたいなサスペンスっぽさもあり、面白かった