500年のトンネル 上 創元推理文庫 F フ 7-1

  • 東京創元社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488599010

感想・レビュー・書評

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  • ストーリィの魅力や、舞台設定の堅牢さは素晴らしい。
    アイディアとしては在り来たりだけど、物語の力でぐいぐいと引き込まれる。

    ただ、いかんせん登場人物達が魅力に乏しい・・・。
    全体的に薄っぺらいステレオタイプな人物像ばかりな感じ。
    メインヒロインであるはずのアンドリアも、ちょっとおつむが弱すぎてイラッとさせられる描写が多いし。
    風景や状況の描写が巧いだけに、人物描写の貧素さが余計に目に付く。

    ただ、お話としてはとても面白い。
    下巻も一気に読んじゃいそう。

  • 主人公、どっちつかずでイライラ。

  • 図書館で。
    個人的にはあまり好きなお話ではありませんでした。

    資源の枯渇した現代人が科学の粋を極めて過去へのトンネルを開発し、その土地の未開人を騙し資源や物質を得ようとする…確かに大航海時代の西欧的発想とあまり変わりはありませんね。
    双方の価値観の差と文化レベルがあまりに違いすぎるので衝突が起こるのは当たり前だし、妥協出来るはずもなく当たり前のように戦いに発展する訳ですが。その辺りも面白いと言えば面白かったのですが。

    何となく感情移入出来る登場人物がおらず、どちらもどうなの?と思いつつ読み終えたしまった感じです。特にアンドリアがすることは裏目にしか出なくて彼女がキーキー騒ぐ度うるさい女だなあ大体こうなったのは誰のせいよ?とイライラしました。まあだからと言ってスターカム側に肩入れも出来ないんですがどっちかと言ったらそりゃあ21世紀側の方が悪いよね、と言う感じで。そんなこんなで一番自分の立ち位置がわかっていて好感がもてたブライスさんはああいう結果になっちゃうし。

    そして解説にタイムマシン物での恋愛の所に梶尾さんの名前が無かったのがまったくもって理解出来ないや。日本では第一人者じゃないのか?違うのかな?そしてアンドレアとピーアはそれほど悲恋でもないし、ピーアがなんでアンドレアにあそこまで固執しているのかも理解出来ませんでした。(あれだけ裏切られてさあ…。まあそれを言ったらピーアの魅力も容姿が良いってことなのかな?)続きはあったとしてもあまり興味ないかな~

  • 結構登場人物ひとりひとりが皆それぞれ自分勝手な感じはするものの、嫌いじゃない作品です。

    スターカーム一族の暮らしの描写はとてもわかりやすくて想像しやすかったです。
    最後のピーアの詠う歌(詩)が切なくて気に入りました。

  • スターカームの握手

     タイムトラベル・ロマンスというらしい。

     時間を超えた恋人たちが世代間戦争の結果、それぞれの時代でそぞれぞれ孤独に生きることになるという話。

     あまりに貧弱な感想だが、自分の好みではないということであり、作品が貧弱であるわけではない(と思う)。

     21世紀の企業が開発したタイムトンネルは500年をさかのぼり16世紀につながっている。目的はもちろん16世紀のスターカーム族を懐柔しての利潤追求。スターカーム族は血で生き残りを賭けるような今日でいえば野蛮な、当時で言えばあたりまえの生活をしている。

     族の王子と恋仲になった21世紀の女性の努力にもかかわらず、16世紀人類と21世紀人類の間には対立が浮き彫りになり、とうとうタイムトンネルをとおっての喧嘩が始まってしまい、その帰結として恋人同士はそれぞれの時代に帰っていく。

     21世紀のルンペンが16世紀に生きがいを見つける(タイムトラベルものでは常にあるパターン)とか、圧倒的に強いはずの21世紀の武力が16世紀の戦術に負けるとかいったサイドストーリーがあるものの、基本的にこの作品はロマンスだった。よってつまらない。

     原題は「スターカームの握手」であり、訳すると「うそばっかりの約束」ってな感じかな。それがその時代ではあたりまえのことなのに、それに気づかない現代人を皮肉っているようだ。どっちにしてもSFっぽいタイトルにだまされたということだろう。

  • -

  • 21世紀から16世紀へ繋がるタイムチューブという私企業の極秘プロジェクト。
    スコットランドの国境地帯にある会社の社員のアンドリアは、16世紀に派遣され、スターカーム一族の砦に、賓客として1年滞在していた。
    妖精の国から来たエルフとして…
    未来から来るという概念は16世紀にはなかったのだ。
    跡継ぎのピーアは、乙女というあだ名の美少年。
    アンドリアに恋していることを知らぬ者はいないのだが?
    21世紀では太めの地味な女と思われていたアンドリアが、16世紀の基準では豊満な最高の美女というのがちょっと楽しい。
    ピーアの母には、いずれ二人は婚礼を上げるだろうと豪華な宴を準備しようと楽しみにされていたが、反対する者や本気にしない者もいた。
    16世紀の荒々しい描写がリアルで、甘いロマンスものとは一線を画しています。
    重傷を負ったピーアを夢中で21世紀に運び、命を助けるアンドリアだが‥

  • The Sterkarm Handshake by Susan Price
    アンドリア・ミッチェル
    ピーア・スターカーム(メイ)

  • 何つーか、余りにもわかりやすい展開+わかっちゃいるんだが500年の隔たりでお互いに理解出来ない部分が鬱陶しくて、途中もうやめようか…と何度も思った。

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著者プロフィール

イギリスのブラック・カントリー工業地帯に生まれる。14歳のとき短編小説のコンクールで入賞して以来物語を書き続け、1987年『ゴースト・ドラム北の魔法の物語』でカーネギー賞、1999年にThe Sterkarm Handshakeでガーディアン子どもの本賞を受賞。翻訳刊行された作品に『エルフギフト 上・下』(ポプラ社)、『12の怖い昔話』、『500年の恋人』『500年のトンネル』(ともに東京創元社)など。

「2020年 『ゴーストダンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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