- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488649067
作品紹介・あらすじ
23世紀、宇宙産業の発展に伴い、資源の宝庫たる小惑星帯は採掘ブームに湧いた。ジョン・ストーム24歳も大企業の就職を断り、恋人を地球に待たせて小惑星帯へ出かけた。最後の最後に大鉱脈をもつ小惑星を見つけた……はずだったが、地球へ帰った彼は、登記したはずの小惑星の記録がないこと、さらには2年前に宇宙へ出た彼自身の記録もないことを知らされる。訳者自身が選び出した、巨匠シルヴァーバーグ30代の傑作。訳者あとがき=伊藤典夫
感想・レビュー・書評
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古き良き時代に書かれたSFであり、まさしく思っていたとおりのテイストであった。こういう作品も私は大好き。
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鉱物を地球外の星から持ってくる。それを地球のエネルギーにするのだが、やはりそこにはエイリアンがいたんだ。
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通販での著者名買いだが、その昔のような本の薄さに先ず感動した!( ̄∀ ̄)
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SF好きの自分にとってもあまり馴染みのなかったシルヴァーバーグ。なぜ今という疑問符がたくさんつくし、電子版もないけど薄かったのと浅倉訳なので読んでみる。それにして
も60年代のSFで、テーマはその当時ですら陳腐化していたはずです。でも今読むとそれほど古びた感じはないのはなぜ?時代が追いついてきた??ちょっとホッとしたい時に読むお菓子的な作品か。いいね。 -
1964年に刊行された、古き良き時代のSFだ。
緒賀岳志さんの表紙絵も、とんがりロケットとゴロゴロと連なって浮かんでいる小惑星の群だったので、なんか笑ってしまった。そうそう、こんなカンジだよね。
でも、なんで今さらコレなの? というのが正直な気持ちだ。
著者が“ニュー・シルヴァーバーグ”として高い評価を受けたのは、1967年刊行の「To Open the Sky」や「いばらの旅路」以降だったから、本作は“小説工場”とあだ名された量産時代のもので、悪名(?)高き“エースダブル”でシルヴァーバーグが書いた12作目--最後の作品だ。
決して駄作とまでは言わないが、傑作でもないと思う。今読んでみると、むしろ「初心者向けSF」として貴重かもしれないが、後年の名作群を知るファンからすれば、こんなの訳してるくらいなら他にもいっぱいあるでしょ、と言いたくなる。
「Son of Man」や「The Book of Skulls」だって未訳だし、短めのがいいのなら「Sailing to Byzantium」や「Gilgamesh in the Outback」があるし、なんといっても東京創元社なら、「夜来る(長編版)」「アンドリューNDR114」に続くアジモフとの共作3冊目「The Ugly Little Boy」がまだ出てないし。あぁ、もう。
ちなみに、本作が再刊された際の自作紹介で、ウォルハイム編集長にタイトルを「The Asteroid Stealers」に変えられたと書いているが、これは本人の記憶違いかと思われる。
エースダブルでは「One of Our Asteroids is Missing」のタイトルのまま、ヴォークトの作品集と合本して1964年1月に刊行されており、「The Asteroid Stealers」のタイトルはその半年前に、カナダのトロントスターウィークリー紙1963年7月27日土曜版の新聞付録として発行された際のものだ。
縦33.5×横28cm位のサイズで新聞用紙に印刷された小説1冊分が新聞に挟まってるのを想像して、うわぁ、となってしまった。
タイトルとしてはこちらのほうがわかりやすい気もするけど、主人公は盗まれた側だしなぁ。 -
古い時代の作品だし、アイデアとしてはこんなもんか。
データ上の存在まで消さなければいけない理由がイマイチよく解らなかったけど。
後半はもかく、自分の存在が消えている怖さをもう少し丁寧に書いても良かったかもと思った。 -
2021年6月30日読了。一攫千金の宇宙旅行の末鉱脈の眠る小惑星を発見したジョン・ストームだが、登録すべき自分のデータが消えていることに気づき…。著者の初期ミステリ作品の再刊もの。面白い設定ではあるが薄い本でもありやけにさらっと物語は進む、ディックがこの話を書いたら当然主人公には自殺願望があり、現実と幻覚の境界も不明確になり異星人が彼の深層意識を拡張して大変なことになるところだが、無鉄砲な主人公と彼を強力に愛し続ける彼女の存在などが絶体絶命の危機をそう感じさせない、やけにポジティブなトーンでお話は進む…。いいんだろうかこれで。