内なる宇宙〈上〉 (創元SF文庫) (創元SF文庫 ホ 1-17)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488663179

感想・レビュー・書評

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  •  実は上巻を読み始めたところ、著者ホーガン氏の「魅力的な女性描写」がちょっと何だかなあという感じで、さらにスピード感がなかったために期待薄。かなり薄でスタートしたのであった。
     テューリアンとジェブレン人の相容れない人種的傾向のはなしかと思いきや、ストーリーは熱狂的に宗教に走るジェブレン人とその奥に隠された世界・・・。
     前半からは予想できない展開。ジェブレン人がジェヴェックスにこだわる理由に気がついたのは、自らの心の中を深くまでウェザーに見せることを許した女性ふたりだったというのがすごい。そして地球人の宗教観をきちんと反映させながらもハントやダンチェッカーの視点からみてストーリーが進むところも見所だった。

  • 『星を継ぐもの』から続くシリーズ第四弾。おなじみハント博士&ダンチェッカー教授に新ヒロインを加え、もう一つの人類――ジェヴレン人の惑星で新たな難題に挑む。
    今回は緻密な科学考証による謎解きというよりは、宗教から発生した社会問題の病根に仮想現実がからんでいる、という内容で、前作までとはやや趣が異なる。しかし愛すべきコンビの推理の冴えは健在で、<シャピアロン>号の面々も懐かしく、シリーズものの安定感だけでドップリとハマれる。謎を解くカギとなる秘密がひとつ明らかになり衝撃に打たれるなか、アクション映画なみの危機感をはらんで上巻は終わる。続きが気になる!

  • 感想は下巻へ

  •  「星を継ぐもの」シリーズの4作目で上下巻からなる完結編になります。

     1巻目「星を継ぐもの」では月面で人類に似た異星人を発見調査し現在は消滅した惑星ミネルヴァで生存していたルナリアンという異星人で地球人の祖先と考えられた。

     2巻目「ガニメデの優しい巨人」ではルナリアン誕生の遥か以前約2千5百万年前に生存していたガニメアンという異星人と遭遇し地球で心優しく平和主義者のガニメアンと親交を深めた。

     3巻目「巨人たちの星」ガニメアンはミネルヴァ消滅後に仲間達が移住したと思われる惑星に向かって新たな旅に出発しジャイスターと呼ばれる新しい故郷に辿り着く。

     3巻目で完結だった筈なのにその10年後にこの4作目は発表されました。前作でかつてガニメアンが救済したルナリアン、今はジェヴレン人と呼ばれている人種とガニメアンは共存していたが彼らの陰謀に気づいた地球人とガニメアンは彼らの機軸コンピュータ”ジェヴェックス”を遮断したが惑星ジェヴレンではジェヴレン人の暴動が起き沈静化の為に地球から科学者を呼び寄せる所から物語は始まります。

     このシリーズでは地球科学者が主役ですがシリーズを通してもう一つ重要な役割がこの惑星管理や宇宙船管理するコンピュータです。1・2作目では”ゾラック”3作目”ヴィザー”4作目”ジェヴェックス”です。これは単に同時通訳やデータ収集、様々な生活のサポートをするのですが本作ではジェヴレン人は究極の使用法で中枢神経に直接コンタクトする事によるあたかも現実の様な世界を内面に創り出して幻想世界に陶酔している。

     シュワルツネガー主演映画の「トータル・リコール」の火星への夢旅行と同じ理屈で衣・食・住更には触感や温度感覚さえも脳を刺激して現実感を創り出せる究極のコンピュータにいつでも継ながる事で現実逃避し無気力な人を培養して行く社会。

     無意識な深層心理迄もが記憶として映像化され秘密の無い世界・感情の無い世界に繋がって行く。

     怖いです。ネット社会では実感はありませんがいつの日かこんなシステムが出来るかも。。。

     そんな私は操られる様に下巻に向かって行きます!

     

  • メモあり。

  • 前作の架空戦争で敗れ去ったジェヴレン!
    惑星全体をカバーする電子頭脳のジェヴェツクスを取り上げられて宗教団体が乱立し混迷を極める惑星となっていた!
    暫定統治官のガニメアンのガルースはかつての友で戦友のハント博士とダンチェッカー博士に助力を求める!

    久々に読んだガニメアンシリーズ!ヒロインが代わっているのと皆んな少しずつ出世しているぐらいで程々変わりなし。

    映画のマトリックスに共感が持てる方にオススメ!

    シリーズ最長編!下巻に続く!!!

  • 2.5
    待望の続編としての4部作目。架空戦争に敗れたジェヴレンでの政治宗教団体や空想世界漬けの蔓延に端を発した展開。ウィザーやジェヴェックスと人の意識の根底の接続による仮想世界と新たな世界。これまでのサイエンス感は若干薄れ、理解しづらい感じ。かなり読書ペースが落ちた。

  • 当初の科学ミステリ路線が衝撃的だっただけに蛇足なのではなかろうかという思いが拭いきれない。下巻でスッキリさせてくれることを望む

  • ガニメアン三部作の続編。架空戦争後、首謀者が排除された後のジュヴレン人の星。ジュヴェックスと呼ばれるAIに大きく依存して安穏と暮らしてきたジュヴレン人達は、AIの機能を制限されたことから秩序を失い、新興宗教の不穏な活動が民衆を煽動するなど、混乱を極めていた。統治にホトホト手を焼いたガニメアン人の長官、ガルースからハントに協力要請が。ジュヴレン人の間に突然出現する覚醒者「アヤトラ」の謎。

    「物質を形作っている究極の粒子は自然に消滅して、通常の宇宙とは別の法則が支配する超次元空間に還る。この任意の瞬間の微少な消滅が物質の重力効果を生むのである。個々の粒子の消滅は微弱な重力パルスを惹起する。絶えず発生しているそのパルスの夥しい集積が、巨視的には安定した場を形成する。」

    宇宙物理学の未来を予感させる、この圧倒的な世界観、というか宇宙観は読んでいて心地よい。

  • 内なる宇宙〈上〉 (創元SF文庫)

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