内なる宇宙〈下〉 (創元SF文庫) (創元SF文庫 ホ 1-18)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488663186

感想・レビュー・書評

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  • 星を継ぐものの4作目下巻。
    前作からは毛色違いなファンタジー要素とそれを今までの世界観に収束させる展開に引き込まれた。

  • ハントとダンチェッカーの掛け合いから謎が解き明かされていく展開は相変わらず引き込まれる。
    現在となっては逆に本作の謎が連想されやすく、当時としては突飛な発想だったものをスムーズに着地させるために書かれたと思われる前書きがかえって蛇足となってしまっているのはちょっと残念だったが、SF史に残る二人が相変わらずの活躍を見せてくれて最後まで飽きずに読める
    近く刊行されるという5作目も楽しみ

  • 正直星を継ぐものはきれいな三部作だったので、蛇足を感じるかな…と思いきや違った視点からのお話で最後までサクっと読めた

    いってしまえば映画のマトリックスに近い世界観を描ききっていて、ファンタジー部分の文章の想像しにくさを除けば非常に面白い展開だった。

    実はもう一作あるらしいですが、和訳がないとのことで、いつか読んでみたいものです。

  • 4.0 内なる宇宙、正にタイトル通りの内容。進化し続けるVRの世界を見ていると、まんざらSFの世界だけとも言い切れないような。先見の明に脱帽。

  • 星を継ぐものから読み始め、宇宙や地球人の成り立ちにまで広がる壮大な物語にのめりこんだが、この本が最も理解するのが難しかった。コンピュータの中に情報宇宙が存在するという事態がどう頑張っても理解できなかったのだ。だが、過去のシリーズで時も空間も拡大してきたのと反対に、内側へと向かうイメージを頭の中に描いた事でぼんやりと概念を理解できるようになった。彼らの存在を保護しようだなんて、テューリアンはさすがテューリアンだなと思った。

  •  上巻に続いて、緊張感のある場面の連続で始まる。ここでようやくもう一つの「世界」とジェベックスがつながる。ワープの原理とか、異世界に行く原理がなんとなくわかるけど、そういうのはありなのだろうかと基礎知識のないわたしは思ってしまうのだけど、見ようによってはまだまだ先があるような終りだった。
     違う世界に生まれたいという願望。それはこちらの世界からしたら甚だ迷惑なことでもあるが、ウェザーは「それは禁止してはいけないことだ」と判断する。すごい。なんかウェザーがすごい。わたしの方が「それでいいと思っているのか」と確認されるみたい。ただのSFじゃない。科学的な生活における宗教、「人工生命」について考えさせられた。
     それにしてもホーガン氏の大団円は、あまりに大団円すぎてどうなのだろうという気がする。

  • 『星を継ぐもの』から続くシリーズ第四弾の下巻。ファンタジー世界を科学で説明するとこうなる、みたいな感じ。スパイ映画さながらの謀略やアクションが飛び交い、惑星ジェヴレンの政治や社会の側面を通じたメッセージ性もあるが、本質的にはやはり空想科学の面白さ。過去作の、頭をガツンとやられたような衝撃はないが、ハントたち愛すべき仲間の冒険をじっくり味わえた。巻末にもわざわざ太字で注意している通り、前作までのネタバレを前提に進むので、このシリーズは必ず最初から順番通りに読むべし。

  • 『星を継ぐもの』
    『ガニメデの優しい巨人』
    『巨人たちの星』
    ときて、日本語訳されているのはこれで最後かな。
    ウィキペディアを見ると"Mission to Minerva"という作品があるようだけど、邦訳される日が来るかしら。

    『星を継ぐもの』『ガニメデの優しい巨人』までは、純粋に科学的な問題を解決するSFで、大きな謎が論理的に解明されるミステリぽいところがものすごく面白かったのに対し、『巨人たちの星』『内なる宇宙』は、だんだんスパイ大作戦風というか、敵味方に分かれ、戦争あるいは紛争あるいはテロ的な事件が起こる、エンタメ色強めの作風になっていっている気がした。
    個人的には前のタイプの作品のカラっとしてドライな作風の方が好きだったので、うーん。
    『内なる宇宙』は、日本語版の序にあるとおり、ホーガンが魔法の出てくるようなファンタジーを書くとすればどうなるか、に対するアンサーなんだろうなと。
    地球人、ガニメアン、テューリアン、ジェヴレン人、そしてエント人と、色々な人種が混ざり合い、しかも星と都市と宇宙船と世界までもを含んだ場面がくるくると転換していくので、スピード感もすごくて、ついていくのがやっと。疾走感があって面白いともいえるけれども。

    登場人物は相変わらずで、男性主義的なところは残っている。ヴィザーの問題に気付くのが女性で、その夢がポルノまがいのこともあり、しかも、男性研究者は(朴念仁だからか科学的思考しかしない“純粋な”人間だからか)それに気づかず、「そんな視点があったとは!」とわざとらしく驚く。
    でもそれはそれとして魅力的なキャラクターは前作以前から引き続き登場する。
    ダンチェッカー教授は相変わらずで、彼が出てくると次は何を言うかしらとわくわくするし、ヴィザーやゾラックも面白い。
    SFに出てくる、ユーモアを介するAIって大体すごく魅力的だよね。ゾラックはほんと最高。

    ハントはなんか人物が一定しないんだよなあ。ヒーロー格の主人公ってそういうもんなんかね?

  • 本巻でようやく人類と異星人の壮大な宇宙と時空を背景とした長い物語が完結します。

    一作目から毎作新しい目的と新たな謎に翻弄され続けやっと現実世界に戻れました!

    上巻では惑星を管理するシステムに完全依存した惑星人が自立を求めて地球人と異星人ガニメアンの政府に対する暴動を起こしたのですが、

    本巻で新たな事実があぶり出され、切断されたシステムにかつて接続した惑星人は人格が変わり別人となって行く、暴動は宗教的背景を隠れ蓑にした未知の星人が惑星征服を目論んだ陰謀だった。

    未知の星人の存在は、システムに存在し完全なる人格を備えた肉体なき存在だった、彼等は実在の証と新たな世界を求めてシステムに接続する者に乗り移るのだった、

    三作目から十年が経て発表された本作は突然、ソフトウェア人格なる前作迄全く無関係の異星人?を創出しいささか、えっ!? とは思いましたが内容は素晴らしくその発想に感激しました。

    読後本題である「内なる宇宙」を改めて納得し長い旅が終わりました。

  • シリーズ4作目。宗教等について描かれると思わせながら、変わった方向に物語は進む。面白かったが、やはり三部作とは少し別物か。とはいえこれはこれでありだと思う。

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