自由軌道 (創元SF文庫) (創元推理文庫 699-2)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488698027

作品紹介・あらすじ

人類のバイオテクノロジーの発達は、新たな生命を創造するに至った。辺境の惑星に浮かぶ巨大企業の研究衛星では、無重力環境下の労働に適した子供たちが生み出されていた。だがある日、このプロジェクトに即時停止命令が下される。子供たちを破棄せよというのだ…。この無慈悲な企業決定に、赴任してきたばかりの教育担当官は敢然と反旗を翻した。ネビュラ賞に輝く宇宙SF。

感想・レビュー・書評

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  • 面白くて一気に読み終えた。悪役がちょっとわかりやすすぎるきらいはある。

  •  何も考えず、確認もしないでヴォルコシガンものの続編と思って購入し、始めの数ページを読んで、これは違うのか、と気付いた。
     とはいえ、まあビジョルドだし外れはないか、と気を取り直し、前半のちょっとエグめな展開に軽く引きつつ読み進めた。
     中盤以降はさすがのビジョルド節で、ぐいぐい引き込まれつつ読了。

     山岸真氏による解説で、本書が「オーソドックスなSF」と書いているけど、前半のエグさはちょっと「オーソドックス」というカテゴリィからは外れちゃってる気がする。一見さんがこれを読んだら、中盤まで読み進められんのちゃうかな。そうでもないのかな。
     とはいえ、卓抜したアイディアと魅力的なキャラクタ造型、そしてストーリィテリングの巧みさは流石ビジョルド。
     後半、次から次へと主人公達に襲いかかる大問題の数々と、それらを冷や冷やながらも躱していく怒濤の展開は、読者を夢中にさせる魅力に充ちていることは間違いない。

     ビジョルドの作品は、とても「真っ当なSF」だと思う。
     そういう意味では、山岸氏の「オーソドックスなSF」という評もあながち的外れではないのかも。
     設定の奇抜さや展開のエグさはありつつも、「テクノロジィ」に対するビジョルドの真摯な姿勢が行間から伝わってくるおかげで、「そういうもの」が好きな読者は物語への信頼を損なうことなく先へ先へとページを繰っていくことができる。
     読者への誤魔化しのない、しっかりとした論理に基づく科学技術の描写がSFというジャンルを底支えする非常に重要なファクタである以上、そこが疎かにされないビジョルドの作品が詰まらないはずはないという事なのだろうね。

  • ハードSFの名作としてよく上げられるバイオもの。

    宇宙開発を行う私企業が独自のバイオ技術により脚の代わりにもう一揃いの腕を持つ人間「クアディー」を誕生させ、無重力空間での作業に従事させる。

    主人公の老技師レオは、彼らクアディーに溶接の技術を教えるため新たに配属される。クアディーたちとの交流、上司との対立、トラブルという物語の仕立ての中にエンジニア魂がにじみます。


    ○ユーモラスな標語を入れた小さな壁掛けの額が目を引いた。<六日目に神はあらゆるものは作れなかったことに気づかれた>と記されている。<そこで神はエンジニアを創造された>なかなか面白い、と思ってレオはくすっと笑った。

    ○「今度はなんだね、レオ。わたしは忙しいんだ。できるものは仕事をするーできないものは教える」
    <そして教えることのできないものは>とレオは心の中でつけくわえた。<管理職になる>
    彼はその辛辣な考えのきらめきも影ものぞかせないように注意しながら、いつもの穏やかな微笑みを浮かべた。

  • わけあって自宅の大掃除をした。見なかったことにしたくなるくらいの積読の山を一日がかりで整理したところ本書を発掘。このほかにも沢山の本が私に読まれるのを待っている。…すまなかった。これからは心を入れ替えて、一冊でも多くの本を読むべく、電車の中ではスマホなんか絶対に手に取らないぞ、と誓う年末であった。

    でもって、本書の感想。
    さすがビジョルド。SFらしいSF。つか、SFじゃなきゃ書けないお話。後味もよい。
    本当にこんなに長いこと放置しておいてごめん。

  • 久しぶりのSF。満足

    苦労のことなんか考えるのはよそう。それは生きている証拠なんだ。ずっとつきあっていくことになる。これからも

  • 図書館で借りました。面白かったです。
    後書きにもありましたが直球でSF、と言う感じがしました。ただ好き嫌いはあるかなあとも思いましたが。

    個人的に遺伝子操作の観点からこういう亜種人類を作り上げると言う倫理観が抜けていたのでその辺りが気になりました。良いのか?そんなんで?と言うような。そして解決方法が何となくあっという間に出てきたので変な話ですがこの解決だったからこういう人たちが出てきたのではないか?などと後ろから本を読んでいるような気になりました。後、ブルースさん?はちょっとお間抜けすぎですね。

    と、気になる点はありましたが面白く読みました。
    でももう少し4本腕の彼らの内面に踏み込んでみたら面白かったのになあと思いました。後、タイトルがなんかなあ…。意訳でも良いからもう少し魅力的なタイトルにしたら良いのにな、と勝手ながら思いました。この方の他の作品のタイトルも何となくあまり魅力的じゃない気がするのです。

  • [03][110306]<m市 クァディーのビジュアル的インパクトと0Gロマンで掴みはオーケイ。キャッチー。

  • (07.07.19読了)

  • ネビュラ賞受賞作
    人工生命体を破壊せよという命令に立ち向かう一人の男。

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