銀河英雄伝説〈3〉雌伏篇 (創元SF文庫) (創元SF文庫 た 1-3)
- 東京創元社 (2007年6月29日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488725037
感想・レビュー・書評
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今回は主役中の主役ではなく、ミッターマイヤーやロイエンタールなど準主役級の人物に多少のスポットライトが当たっており、大長編の人間ドラマに分厚さを増す巻だったのかなと思う。
他にもフェザーンの内側や自由惑星同盟の老朽化、ラインハルトの抱える闇と周囲の反応など、次巻以降の想像を巡らせるキーが多く、続きを早く読みたいなという思いに駆られた。
一方で、主役級の人物を天才に見せるべく(?)やられ役が過度に愚鈍に描かれるのもまた健在で、そこは勿体ないのかなぁと思ったりもした。戦術よりも戦略に重きを置いているであろう本作なのだから、いちいちそんなものを論うのも無粋かも知れないけど。 -
今回はノベルズ版を図書館で借りて読んだ。ユリアンの巻かな。そういえば外伝でイゼルローン日記てのがあったな。
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武器なき戦い~要塞対要塞
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なんとなくヤンが好き
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自由惑星同盟ではヤン・ウェンリーが査問会に召喚されてしまう(田中芳樹『銀河英雄伝説 3 雌伏篇』創元SF文庫、2007年)。査問会の手口は卑怯である。そこには権力の厭らしさが現れている。このような国家には1mmでも協力したくない。同盟はヤンに協力を求める資格がない。協力することは公平に反する。
査問会の大きな欺瞞は民主主義を声高に叫ぶ人々によって進められていることである。昭和の日本の左翼も総括や査問会が好きであった。民主主義だけでは多数派の圧制は防げない。
自由惑星同盟を専制国家の対照と見た場合、「自由」を国家名に冠している割に個人の自由を尊重する意識が欠けている。銀河帝国と自由惑星同盟は真逆の国家というよりも、皇帝専制国家と民主主義を標榜する軍国主義国家という専制国家の似た者同士になるのではないか。
専制国家の逆は民主主義国家よりも人権尊重国家になるのではないか。近代憲法で最も重要なものは人権保障である。それは近代憲法が権利章典から出発していることが示している。国民主権(民主主義)は人権保障のための手段であって目的ではない。 -
フェザーンの策略により、イゼルローンから首都ハイネセンに召喚されるヤン。そこに銀河帝国からケンプ率いる新たな軍事要塞が迫る。
銀英伝第三弾。 -
適度に物語に起伏があるので、3巻になっても面白く読み続けられる。
キャラクター設定に多少デフォルメしすぎな感はあるが。
これだけ心地よく読み続けられるシリーズはそうそうないな。
読み終わったらヤンロスになりそうだ。