銀河英雄伝説〈3〉雌伏篇 (創元SF文庫) (創元SF文庫 た 1-3)

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  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488725037

感想・レビュー・書評

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  • ユリアン初陣 イゼルローンvsガイエスブルク ヤン査問会
    ヤン不在でキャゼルヌとシェーンコップで頑張ってるのが好き。

  •  今回は主役中の主役ではなく、ミッターマイヤーやロイエンタールなど準主役級の人物に多少のスポットライトが当たっており、大長編の人間ドラマに分厚さを増す巻だったのかなと思う。
     他にもフェザーンの内側や自由惑星同盟の老朽化、ラインハルトの抱える闇と周囲の反応など、次巻以降の想像を巡らせるキーが多く、続きを早く読みたいなという思いに駆られた。

     一方で、主役級の人物を天才に見せるべく(?)やられ役が過度に愚鈍に描かれるのもまた健在で、そこは勿体ないのかなぁと思ったりもした。戦術よりも戦略に重きを置いているであろう本作なのだから、いちいちそんなものを論うのも無粋かも知れないけど。

  • 本書は、帝国によるイゼルローン要塞攻略戦を中心に描かれる。

    ヤンの奇策によって奪われたイゼルローン要塞を攻略するためにラインハルトが採用した作戦は、シャフト技術大将から提案されたガイエスブルク要塞をイゼルローン要塞の前面に跳躍させ、要塞対要塞で決戦を挑むものであった。本作戦の指揮官に任ぜられたのは、ミッターマイヤー、ロイエンタールよりも戦功において後塵を拝し、忸怩たる思いでいるケンプであった。
    作戦は実行され、帝国のガイエスブルク要塞によるイゼルローン要塞の攻略が開始される。先のアムリッツァ会戦での大敗とクーデター勃発によって戦力は十分とは言えず、また、頼みのヤンは首都の査問会に召還されて不在のイゼルローン要塞。危機的状況に置かれた同盟軍であったが、帝国より亡命してきた客将メルカッツの助力もあり、なんとか膠着状態を保つ。
    そしてヤンの帰還により、同盟軍は膠着状態を破って攻勢に出る。敗戦濃厚となりケンプは要塞による特攻を試みるが、これを読んでいたヤンは冷静に対応し、帝国軍の敗戦は確実なものとなった。
    この作戦によりケンプは戦死し、ガイエスブルク要塞を始めとして多くの戦艦と将兵も失うこととなる。ラインハルトの下で行われた作戦において、初めて大敗を喫することとなった。

    一方、第三勢力のフェザーンでは新たな策謀が進められようとしていた。次は帝国・同盟にどのような混乱をもたらすのか。前巻に引き続き、不穏な空気を残して次巻に続く。

  • 今回はノベルズ版を図書館で借りて読んだ。ユリアンの巻かな。そういえば外伝でイゼルローン日記てのがあったな。

  • 武器なき戦い~要塞対要塞

  • なんとなくヤンが好き

  • 自由惑星同盟ではヤン・ウェンリーが査問会に召喚されてしまう(田中芳樹『銀河英雄伝説 3 雌伏篇』創元SF文庫、2007年)。査問会の手口は卑怯である。そこには権力の厭らしさが現れている。このような国家には1mmでも協力したくない。同盟はヤンに協力を求める資格がない。協力することは公平に反する。
    査問会の大きな欺瞞は民主主義を声高に叫ぶ人々によって進められていることである。昭和の日本の左翼も総括や査問会が好きであった。民主主義だけでは多数派の圧制は防げない。
    自由惑星同盟を専制国家の対照と見た場合、「自由」を国家名に冠している割に個人の自由を尊重する意識が欠けている。銀河帝国と自由惑星同盟は真逆の国家というよりも、皇帝専制国家と民主主義を標榜する軍国主義国家という専制国家の似た者同士になるのではないか。
    専制国家の逆は民主主義国家よりも人権尊重国家になるのではないか。近代憲法で最も重要なものは人権保障である。それは近代憲法が権利章典から出発していることが示している。国民主権(民主主義)は人権保障のための手段であって目的ではない。

  • やっと登場人物の名前と背景が頭に入ってきた。だんだんと舞台が、戦いが大規模に複雑になっていく。ヤンは毎度、結構危ない立場にいるけど、信頼できる仲間が周りにいるからまだ安心できる。一方、ラインハルトの痛々しさが読んでいて辛い。夢には近づきつつあるのに、最も守りたい人は離れていって、周りにいる人は真に理解してくれない。この孤独はラインハルトを苦しめ続けるだろう。

  • フェザーンの策略により、イゼルローンから首都ハイネセンに召喚されるヤン。そこに銀河帝国からケンプ率いる新たな軍事要塞が迫る。
    銀英伝第三弾。

  • 適度に物語に起伏があるので、3巻になっても面白く読み続けられる。

    キャラクター設定に多少デフォルメしすぎな感はあるが。

    これだけ心地よく読み続けられるシリーズはそうそうないな。

    読み終わったらヤンロスになりそうだ。

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著者プロフィール

1952年熊本県生まれ。学習院大学大学院修了。1978年「緑の草原に……」で幻影城新人賞を受賞しデビュー。1988年『銀河英雄伝説』で第19回星雲賞(日本長編部門)を受賞。2006年『ラインの虜囚』で第22回うつのみやこども賞を受賞した。壮大なスケールと緻密な構成で、『薬師寺涼子の怪奇事件簿』『創竜伝』『アルスラーン戦記』など大人気シリーズを多数執筆している。本書ほか、『岳飛伝』『新・水滸後伝』『天竺熱風録』などの中国歴史小説も絶大な支持を得ている。

「2023年 『残照』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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