- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488803100
作品紹介・あらすじ
人生の節目で催される行事を総じて、冠婚葬祭という言葉があります。冠は成年として認められる成人式を、婚は婚姻の誓約を結ぶ結婚式を、葬は死者の霊を弔う葬式を、祭は先祖の霊を祀る祭事を指します。人生の始まりと終わりから、そして当人が死してなおその先まで縁を繋いでいく四つの行事。現在の、あるいはこれからの私たちと冠婚葬祭をテーマに、書き下ろしを含む文庫オリジナル・アンソロジー。
感想・レビュー・書評
-
6人の作家からなる冠婚葬祭の短編集です。
他の作品も読んだことがある作家さんの短編は流石だなと。
普段短編集、それも作家さんが違うと話についていくのに少し戸惑いますがすぐにその世界に入る事が出来ます。
そしてやっぱりその先も読んでみたくなります。
人の弱さ、憎しみ、罪悪感、どうしようもないものを描くのが上手く伝わってきます。
短編集なので時間をかけてゆっくりと読み終えられました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私は寺地はるなさんのお話がすごく好きでした❤️
「そう、無理に決まってる。
だから力を貸してよ、わたしたちに」
この言葉が、本当に心にしみました。
素直に人に助けを求められること、本当に大切ですよね。
この間、感動した絵本にも出てきて、うんうん…と一人頷きました。 -
紙魚の手帖vol.08(2022年12月)読切特集<冠婚葬祭>
飛鳥井千砂もうすぐ十八歳、寺地はるなありふれた特別、雪舟えま二人という旅、嶋津輝漂泊の道、高山羽根子祀りの生きもの、書き下ろし町田そのこ六年目の弔い、の6つの冠婚葬祭をテーマにしたアンソロジーを2023年11月創元文芸文庫刊。6編は冠、冠、婚?、祭、祭?、祭、かな(難しい -
町田その子さんの作品が頭ひとつ飛び抜けて良かった。ほんとこの方が書く話はなんでこんなに心に残り響くのだろう
-
冠婚葬祭…人生の節目に訪れる、「特別な一日」。祝いもあれば、別れもある…成人式、結婚式、葬式、祭礼を描いた6つの短編。
飛鳥井千砂さん、寺地はるなさんはアンソロジーの常連でさすがの安定感。共に成人式がテーマだが、ちょっと似ているようで、それぞれの個性が表現されており、あたたかい涙が溢れる。本書の先鋒・次鋒にふさわしい内容だ。
雪舟えまさん、初読み。まさかSFとは!それが最高によかった。ディテールの細かい描写がとても好きで、独特の世界観に気持ちよく浸れた。
嶋津輝さん、高山羽根子さんも初読み。葬式、祭をそういう切り口で描くとは。静かに展開するストーリーだが、余韻が残る。
そしてトリの町田そのこさん。一瞬感傷的になったところで……二度読みした。すごい構成!タイトルの「六年目の弔い」の意味を、かみしめる。
アンソロジーが大好きで、これまで沢山読んできているが、こんなにクオリティが高くて、一つ一つの読後感がずっしりくる一冊はなかなかない。SF、ミステリー風味など、さすが東京創元社!だが、更に今回は創元「文芸」文庫らしさを存分に感じた。人生の悲喜交々がすごく沁みる…しっとりと読ませてくれる、素晴らしいアンソロジーだ。 -
町田そのこさん目的で図書館で借りた。飛鳥井さん、寺地さん、町田さんは安定に面白かった。嶋津さんと高山さんも中々。唯一雪舟さんの話だけ本当に許せなくて、雪舟さんの話を読み終えた時点でしばらく読むのを辞めたレベルで激萎え。
というのも、『冠婚葬祭アンソロジー』なんだからリアルな日本の話が読めると思ってたんですよ…。でもこの話だけ!カタカナ登場人物による異世界不思議職業のファンタジー!何故!
そこを除けば……やっぱり町田そのこさんは良かったなぁ。ちょっとうるっとしたけど最後のオチには……辛いなぁ。 -
冠婚葬祭に際する人々の生活を描いたアンソロジー。個人的にあまり刺さった作品はなかったけど、町田そのこの『六年目の弔い』、飛鳥井千紗『もうすぐ18歳』、寺地はるな『ありふれた特別』はよかったな。子供を産むということをテーマにしているのかな?とも思ったラインナップだった。
p.82 幼さは、他人への興味の浅さと紙一重だ。ちょっとでも自分と違うと「仲良くなれない」と決めつけ、それ以上のことを知ろうとしない。