「陰」と「陽」の経済学―我々はどのような不況と戦ってきたのか

  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492394717

感想・レビュー・書評

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  • 長らくバランスシート不況論を提唱する著者が2006年に刊行した本。

    チャレンジングでエキサイティング。ゆえに評価保留。

    第1章 我々はどのような不況と戦ってきたのか
    第2章 景気回復期に留意すべきバランスシート不況の特性
    第3章 七〇年前の大恐慌もバランスシート不況だった
    第4章 バランスシート不況下の金融・為替・財政政策の論点整理
    第5章 「陰」と「陽」の景気循環とマクロ経済学の統合
    第6章 日本国内における論調
    第7章 世界経済を待ち受けるチャレンジ
    補論 新古典派経済学が軽視してきた貨幣の存在理由

  • バランスシート不況の概念を、アメリカの大恐慌の分析を交えつつ解説したところは、他のマクロ経済の分析書を超えたユニークかつとても面白い本に仕上がっています。

    一方で、同じ内容が何回も繰り返されてくどいのと、処方箋の分野が、ご本人の意向でオールドケイジアン的な財政支出拡大に偏っており、それが続いた結果のクラウディングアウトやどのようにエグジットするか、といったところの記述が不十分なのは残念です。

    ただ、そのようなマイナス面を差し引いても、通常の議論から一線を画したユニークな分析ですのマクロ経済運営に関心のある方には必読の一書でしょう。

  • 大学時代に衝撃を受けた本。
    ただ、くどい、詰め過ぎ。
    もっと、シンプルにできる。
    図が必要。

  • リチャード・クーの本は二冊目。前に読んだのより時間はさかのぼり。内容は著者が提唱するバランスシート不況の説明と検証。おさらいになったが時代が古いだけに、ここであげられてる将来像の検証がてらまた最新作も読みたくなった。ところでリチャード・クーはネット上で少し調べたがあんまり良い評判が見当たらないが自身の中では従来の経済学は資金が潤沢にあれば企業が必ず利益の最大化を目指すとする事に欠点があるとするバランスシート不況の理論はキレがあり非常に説得力があるように感じる。あまりに隙が無いので逆に反対意見も聞きたくなるくらい。

  • バブル崩壊後、日本経済は大量の国債にあえぐようなった。それは多くの公共事業によるもので、中にはこの政策が無意味、効果がないと批判する者もいるが、それはGDPを維持するためには不可避のものだったとする論調。これを読むと、民主党のダム建設中止や「コンクリートから人へ」という言葉にみられる公共投資を邪悪視する視点が間違っている事がわかる。

  • 読書中
    丁寧に書いてあって読みやすい

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著者プロフィール

リチャード・クー
野村総合研究所 主席研究員、チーフエコノミスト
1954年、神戸市生まれ。76年カリフォルニア大学バークレー校卒業。ピアノ・メーカーに勤務した後、ジョンズ・ホプキンス大学大学院で経済学を専攻し、FRBのドクター・フェローを経て、博士課程修了。81年、米国の中央銀行であるニューヨーク連邦準備銀行に入行。国際調査部、外国局などでエコノミストとして活躍し、84年、野村総合研究所に入社。現在、同研究所研究創発センター主席研究員。


「2019年 『「追われる国」の経済学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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