LIFE SHIFT2: 100年時代の行動戦略

  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492534434

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  • 日本でもベストセラーになった人生100年時代の人生戦略が語られた「ライフシフト」の続編であり実践編。今作は日本の若いカップルや、アメリカの中年、イギリスのお年寄りなど7名の架空のキャラクターの目を通して、今後100年生きていく上での行動戦略が、「物語(自分のストーリー)」「探索(学習)」「関係(人間関係)」の3つに焦点を当て解説される。超高齢化、AI、長寿化、ギグワーク、リモートワーク、副業など。。。激変する未来に漠然とした不安を抱いている人にオススメ。

  • 「人生100年」というバズワードの元ネタとなった前作の筆者コンビによる同じテーマ第2作。

    日本、インド、イギリス、米国の様々な年齢や職業の架空キャラを設定し、議論にこれらのキャラを頻繁に登場させていることで読みやすくなっている。

    前半は、人生の在り方を再設計する視点として「物語」「探索」「関係」の3つに分けて議論をすすめている。後半では、企業、教育機関、政府という3つの主体の課題を論じている。

    それぞれの章に記載されていることのまとめはこちら↓

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    第1章 私たちの進歩
    長寿時代が到来。このペースで行くと今生まれる日本人大半は100歳まで生きる。今の70代はかつての70代とは違う。人類は、社会規範と慣習と制度を根本から作り替える必要がある。

    第2章 私たちの開花
    人生の在り方を再設計する視点。
    「物語」従来は3ステージ(教育→仕事→引退)だったがマルチステージに人生のストーリーを歩む。
    「探索」学習と変身を目指し新しいスキルを身につける必要性が増す。
    「関係」今までの3ステージモデルの2ステージ目のペースの働き方では他者との関係は築けない。

    第3章 物語
    年齢に対する考え方を変える。ステレオタイプな暦年齢が意味をなさなくなる。
    自分/他人の年齢に対する見方を変える。
    時間に対する考え方を変える。「丘のてっぺん」視点→「鳥の目」視点。仕事と余暇の配分にも影響がある。現在において冗長性を持った時間管理をする。
    仕事に対する考え方を変える。機械やロボットの脅威は誇張されている。働き手が減る中でロボット普及はむしろ望まれる。職(ジョブ)と業務(タスク)は異なる。機械が担うのは業務。職は複数の業務により構成されるもの。
    3ステージからマルチステージに移行すると職業人生は長くなる。一方で余暇時間は増加する。

    第4章 探索
    探索とは学習と移行への準備。20代にとっては、将来の選択肢/進路の検討。中年にとっては、生涯にわたる学ぶこと。
    未来の「ありうる自己像」を想像しそこに移行させる。
    常に学習することの重要性。学習の場の確保(どこに住むかも含めて)も重要。

    第5章 関係
    人間関係の中心=家族。晩婚化、少子化。日本の場合は女性の勤務体系の柔軟性はまだ低い。現在20代の夫婦にとって取りうるキャリアの選択肢は相互に依存した信頼関係を前提としたものとなる。
    世代。同時期にいくつもの世代が暮らす状況に。世代間公平のイシュー。
    コミュニティ。最も緊密な人間関係は家族や友人、職場の同僚との関係だが、日々の生活環境をつくるのはコミュニティ。リアル対面だけでなくバーチャルも。3ステージモデルではコミュニティへの関与は引退してからだったが、生涯を通じてコミュニティ関わる方が理に叶う。
    人間関係に関する計画の点検 : 十分な時間は確保したか?パートナーと望む未来を話しあったか?コミュニティ関わる時間を費やす準備はできたか?様々な年齢層の人たち一緒に過ごす用意はあるか?

    第6章 企業の課題
    3ステージモデルは60代で引退をするという企業の人事制度と結びついている。
    マルチステージに対応する企業では、入社年齢層の多様化、ギャップや空白のキャリアを無くすこと、男性の育休取得を支援するインセンティブ、介護者の支援、などが必要。
    企業による学びの支援。学費支援やプラットフォームの提供。
    年齢差別をなくす。高齢の働き手の生産性の維持。
    テクノロジーの進歩による業務プロセス改善により仕事のカタチが変革中。一方で労働人口の長寿化は人々の仕事観を変容させ始めている。→テクノロジーと長寿化の結びつきはますます強まる。企業が新しい潮流に適応することは極めて重要。

    第7章 教育機関の課題
    現在の教育システムは19世紀後半から20世紀前半のテクノロジー進化の影響。すなわち教育が標準化されることで社会が求める資質を一律に刷り込むシステムとなった。
    しかし生涯わたって働き社会では、人生の様々な段階で学ぶべき。そして初期の教育は、特定のスキルを身につけるより、ずっと学び続ける土台づくりがなされるべき。
    現代の教育は知識が不足しているという前提。しかし情報や知識はもはや豊富にある。人は学び方と発見の仕方(と忘れ方)を身につけることが重要。STEMだけでなくArtを加えたSTEAMが重要。
    今後拡大するのは成人教育。先進的な大学の中には生涯学習の講座拡充に動いているところも。従来は教育の目的は学位取得だったがモジュラー型の学びを比較的安価におさめる人が増加中。学び直しを目指す成人のための学習機会はまだ拡大予知あり。

    第8章 政府の課題
    不平等をなくすことを目指す政策対応としてベーシックインカム(UBI)がある。しかしフィンランドの社会実験の結果では受給者の仕事につく意欲は高まらなかった。
    ギグワーカーを被雇用者として位置づける政治の動きあり。
    職業教育の充実
    老齢従属年数(何人の現役世代が引退世代を支えているか、という考え方)からの脱却。引退年齢が後ろになっていることを調整すると、老齢従属年数はむしろ低下している。

  • 前作よりも内容が濃く未来についての思考が鮮明になった。具体的には、教育や家族、友人など自分にかかるライフスタイルの変化にどう向き合っていくか。現在は歴史的にみて最も激しい時代にあると言われている。情報を取捨選択して、自分のために日々学んでいく

  • ・なぜ、これまでの生き方の常識が変わるのか?
    ・なぜ、誰もがライフシフターとなるのか?
    ・なぜ、社会的開拓者が必要となるのか?
    ・100年時代と向き合って生きるとはどういうことか?
    ・AI に負けない、人間らしさとは何か?
    ・大人の学びと子どもの学びは何が違うのか?
    ・中年期における人生の移行で気をつけることは?
    ・世代の違いを乗り越えるためのヒントとは?
    ・コミュニティへの共感を持つためにできることは?
    ・政府、教育、企業が変わるべき方向とは?
    ・挑戦する人の背中を押すメッセージ! 【目次情報】
    1 部 人間の問題
    1 章 私たちの進歩 2 章 私たちの開花
    2 部 人間の発明
    3 章 物語 4 章 探索 5 章 関係
    3 部 人間の社会
    6 章 企業の課題
    7 章 教育機関の課題 8 章 政府の課題

  • <目次>
    第1部  人間の問題
     第1章  私たちの進歩
     第2章  私たちの開花
    第2部  人間の発明
     第3章  物語~自分たちの人生のストーリーを紡ぐ
     第4章  探索~学習と移行に取り組む
     第5章  関係~深い結びつきをつくり出す
    第3部  人間の社会
     第6章  企業の課題
     第7章  教育機関の課題
     第8章  政府の課題

    <内容>
    前著ほどのインパクトはなかった。人生100年時代に、私たちが何をすべきかの実践編。それほど斬新なことが語られるわけではない。それだけ他の本を読んでいるからか?自分たちでできないところは第3部で語られる。第3部は、国によって制度などが違うので、説得力を欠く。

  • 関係の章が良かった。
    様々なステップに移行することがこれから起こりうるわけで、一次的な物の見方を脱却するためにも地域コミュニティに参加したり、家族や恋人や友人との生涯的な安全性の確保を目指さないと。

  • 人類の長寿化に伴い労働期間は長くなっているため、従来型の人生を3つのライフステージ(教育、労働、引退)に分ける考え方は今後は成り立たない。
    今後はマルチステージとして、仕事を変えたり、次の仕事に向けて学習したりを、何回も繰り返すことになる

    健康寿命が伸びて人生を楽しむ時間が伸びる一方、働く期間も伸び、テクノロジーによって仕事のあり方も変わる可能性が高い。生涯学習の必要性が今まで以上に高くなっている。

  • 前作ほどではなく、また行動戦略というほど、行動戦略について書かれていない。
    大事なのは前作と変わらず、人生はマルチステージ化するということ。

  • 印象に残ったのは以下。

    第4章 探索
    短い時間でも様々な活動をして、何にどのくらい喜びを感じるかを知る。
    学習共同体の存在が大切。

    第5章 関係
    キャリア+ジョブやキャリア+ケアラーではなく、キャリア+キャリアの関係を築く為に、パートナーと相互依存関係を育む必要がある。



    キャリアのみならず100年時代をどう充実して過ごせるかについて考えさせられた。個人的にはコミュニティへの参加、パートナーとの関係構築が今後の課題。

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著者プロフィール

アンドリュー・スコット
ロンドン・ビジネス・スクール経済学教授、スタンフォード大学ロンジェビティ(長寿)センター・コンサルティング・スカラー。企業や政府機関の役員、顧問、英国予算責任局のアドバイザリーボードと英国内閣府の栄誉委員会のメンバーも務める。『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』シリーズは70万部を突破する大ベストセラー。


「2022年 『まんがでわかる LIFE SHIFT 2(ライフ・シフト2)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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