- Amazon.co.jp ・本 (369ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532171148
感想・レビュー・書評
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都に出て天下一の絵師になる-から巻き込まれる(巻き起こす)悲喜交々。思いが人生を象るのだなと改めて感じます。人生の投影が絵、という視点で何かのために何かを犠牲にすることに色々感じる。
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この本を読むまで長谷川等伯という画家の事を知らなかったけど、興味深い人物です。
丹念に事蹟を追っていますが、展開に抑揚が感じられず、等伯自身の業の深さを表現しきれていない印象を受けました。
とはいえ良い小説だと思うし松林図は一度実物を見に行きたいですね。 -
絵師、長谷川等伯のことを、ほとんど知らなかったが、
非常に読み応えがあり引き込まれた。
戦国時代を、このように武将とは別の視点で描いているのは新鮮に感じる。 -
下巻では秀吉の天下になり権力を握ったゆえの傲慢パワーに振り回される庶民達。利休と交遊していた長谷川信春は、利休から等伯と名乗るよう遺言を進言される。利休に切腹を命じた秀吉、死者を冒涜する扱いをした石田三成に京都の庶民は怒り爆発で秀吉を蔑む短歌を貼り付けたり嫌われまくり。等伯は後世の者が見る利休の肖像画を描く。下巻では長谷川等伯の愚直な生き様に頭悪い奴だな〜とイライラさせられる展開になるが周りが助けてくれるのも絵の天才たる所以なのか。狩野永徳との対決、等伯以上の天才絵師だった息子の死、それを乗り越え松林図屏風の完成、爺さんになって徳川の時代になり、徳川家専属絵師に召し抱えられ江戸に行く。本の表紙は国宝の松林図屏風で家に置いておきたい本である。
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戦国時代の絵師のお話。
主人公の天才肌なのに普段の性格はいたって普通なところが魅力的だった。後々にうじうじ考えるタイプ。
しかし 逆に言えば 絵に対しても苦しみながらもじっくり対面していける人間。故の大成なのだろう。 しかし自分は同書を読むまでこの主人公を知らなかった。σ^_^; 機会があれば作品を見てみたい。にしてものぼうの城ではそうでもなかったけど…三成 やな奴だなぁw -
重みの中にも人間味を感じさせる良い話だった。もっと読みたい作家
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素晴らしい。等伯展をご覧になった方はぜひ、読んで下さい
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狩野永徳のライバルとして常に語られる長谷川等伯。「花鳥の夢」を読んだ流れでこちらも読みたくなった。
残された二人の作品とわずかな資料から想像し物語を作る作家のチカラを改めて実感。解釈の違いはややあるものの、京れるな個性と力のある人間が同じ時代にいたからこその面白さ、すごさ!!
この2作を読み比べてみると本当に面白かったです。 -
現代版長谷川等伯みたいな感じ。
藤沢周平とかの時代小説を読んだ後だと、どうしても感情が現代人過ぎる気がする。
松林図を書くところは、もう少し静かな表現にしてほしかった。