等伯 下

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
4.11
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  • Amazon.co.jp ・本 (369ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532171148

感想・レビュー・書評

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  • 2013.8.18

  • 他の方のレビューにあった「襖絵界のスター・ウォーズの様相」という評が言い得て妙。親子、兄弟、師弟、主従といった絆としがらみの中で、何度も未熟さをさらけ出しつつ、高みを目指していく物語。
    ダイナミックなロードムービーのようで、運命に翻弄され続けた上巻に比べると、下巻は足場を固めたうえで、長男の成長、長谷川派の旗揚げ、狩野派との対立などを経て、運命を切り開いていくさまを描いている。

  • 「残された者は死んで行った者を背負って生きて行くしかない」が印象に残りました。そして、その上で書かれた松林図を本当に観たくなりました。

  • 学校の授業ではさらりと終わってしまうので、狩野派のことも全然知らないことが多く、長谷川等伯の絵も見たくなりました。

  • 面白くはあったのだけど、等伯の人間像にもう少し深みと凄みがあっても良かったのでは?時々急に愚かになるのが、どうも納得ゆかないというか、「そういった懲りない愚かさが人間らしい」とかいうのかもしれないけど、急に他力本願か流れのままにな愚かさ発揮なだけに、その移ろい様についてけないフシあり。

  • 2013年 第148回直木賞受賞作。
    安土桃山時代の絵師・長谷川等伯が、いかに国宝・松林図屏風を書き上げたのか…。

    読み始めるまで全く興味の無い題材だったのだけど、最後まで飽きること無く読み進めることが出来た。

  • 松林図が見たくなりました。

  • -2012/07/01
    狩野家の総帥として才能の有無と関わりなく振舞わなければならなかった画家と溢れんばかりの才能を備えた画家の生き様の終の姿が興味深い。

  • 良かった。
    京に出て、久蔵も絡んで本格的に狩野派と対決。
    ついにここまで来たとわくわくして読み進めた。

    永徳像は意外だった。
    こんな風に考えたことはなかった。
    でも、人物像を思い描いたことすらなかったことに気づいた。
    等伯から見ることで気づかされる、
    狩野派の姿というものが、興味深かった。

    しかし、ここに来てまでも切れない畠山家と兄との繋がりが、
    この時代を生きた人間の悲しさと難しさを突きつける。

    そして、等伯の絵に、他の絵師とは何かが違うと感じていたことが、
    彼が武家出身で、法華宗徒であることが、
    深く関係しているのだということを納得した。

    例えこれが、真実ではなく作られた話だと分かっていても、
    こういうことを身にしみて感じられるのが、
    小説の強みだと思う。
    そこを描ききったという点で、この物語は成功している。

    それでも、この作家を好きかというと、やはり普通。
    5つに届かないのは、そこ。

  • 恥ずかしながら、本書を読むまで長谷川等伯という人物の生涯や作品をぼくはなに一つ知りませんでした。

    本書は、33歳で絵師として都へ出て、信長や秀吉の時代に翻弄されながらも現代に残る国宝松林図を描いた等伯の生涯を追うもので、親近感をもって読み進めることができました。

    狩野永徳にしてもそうですが、国宝級の絵を生み出す絵師という既成イメージを覆すような人間性豊かな人物に引き込まれました。

    そしてやはり人の一生は全て繋がり、過去があって現在を生きる、今があるから未来があるという感覚を再認識しました。

    直木賞受賞作品ということでまずは上巻だけのつもりでしたが、一気に下巻まで読了してしまうほど、等伯に没頭できました。

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著者プロフィール

作家。1955年福岡県生まれ。久留米工業高等専門学校卒。東京の図書館司書を経て本格的な執筆活動に入る。1990年、『血の日本史』(新潮社)で単行本デビュー。『彷徨える帝』『関ヶ原連判状』『下天を謀る』(いずれも新潮社)、『信長燃ゆ』(日本経済新聞社)、『レオン氏郷』(PHP研究所)、『おんなの城』(文藝春秋)等、歴史小説の大作を次々に発表。2015年から徳川家康の一代記となる長編『家康』を連載開始。2005年に『天馬、翔ける』(新潮社)で中山義秀文学賞、2013年に『等伯』(日本経済新聞社)で直木賞を受賞。

「2023年 『司馬遼太郎『覇王の家』 2023年8月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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