PERIL (ペリル) 危機

  • 日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (616ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532177157

作品紹介・あらすじ

「危険と可能性に満ちたこの冬、やらなければならないことがたくさんある」
――バイデン大統領就任演説

現職大統領トランプが選挙不正を唱え続けるなか2021年1月6日に発生した議会襲撃事件は、トランプからバイデンへの政権移行が国家存亡の危機を招く可能性を強く示していた。

襲撃事件直後、統合参謀本部議長マーク・ミリーは、1933年にナチスが起こしたドイツ国会議事堂放火事件を再現しようとしているのではないかと懸念した。放火事件を利用してナチスは独裁を完成させたが、同じような混乱をもたらすためにトランプは核のボタンに手を伸ばすのではないか。アメリカ大統領は核戦争を開始する権限を一手に握っている。もしトランプが核のボタンを押せば、数分内に何個でも核弾頭が発射できるが、その決定に至るまで誰の助言を聞く必要もない。国防長官と統合参謀本部議長が反対しても、核攻撃は止められない。

ミリーは中国人民解放軍の連合参謀部参謀長・李作成に電話をかけて事態を説明し、さらに「正気を失っている」トランプ大統領が核攻撃命令を下しても実行されないように国家軍事指揮センター(NMCC)の将兵を呼び出して指揮系統に変更を加えた。
* * *
本書で調査報道の名手ウッドワードと政治記者コスタが暴き出すのは、まさに国家存亡の危機に直面していたアメリカの姿である。200名以上の関係者にインタビューし、危機を間近で目撃した人々から何が起きていたのかを聞き出した。さらにこれまで明らかにされてこなかったメモ、電話記録、日記、メール、会合記録といったプライベートな記録や政府資料から、ホワイトハウス、大統領選、ペンタゴン、議会、そしてバイデン政権の真実を明かす。

バイデンは未曾有の危機を引き継いで大統領に就任した。パンデミック、悪化する経済、妥協の余地なく分断した政治、つきまとう前大統領の暗い影。「危険と可能性に満ちたこの冬、やらなければならないことがたくさんある」と就任演説で語ったバイデンは、何を実際にやったのか。アフガニスタンからの完全撤収という議論を呼ぶ決定を下したバイデン政権の実態に迫る。

本書は、トランプ政権の終わりとバイデン政権の始まりという、史上最も騒然とした政権移行を描くものである。『FEAR 恐怖の男』『RAGE 怒り』に続くトランプ政権3部作の最終巻。

感想・レビュー・書評

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  • こんな表紙と帯見たら読みたくならないわけがない

    もしかしたら起きていたかもしれない中国への攻撃
    ある種モンスター化したトランプを支えるスタッフ
    対するバイデンとは果たしてどういった人物であるか
    あの議会襲撃事件で現場はどんな状況だったのか
    コロナによるパンデミックという予期せぬ事態
    経済対策でのギリギリの攻防戦
    米軍アフガニスタン撤退への想いと拭えぬ悪い予想
    中間選挙への不吉な影

    この本は確かに長い
    だが読んで良かった、知れて良かった


    アメリカ議会の仕組みと漢字表記だとまるで早口言葉のような様々な役職がわかっていないので正直どこまで内容を理解できてるのか自信がない
    ただ、わからないという事実はわかったし、この本を読んだことで知れた知識を前提に次に本を読めるのは非常に嬉しい

  • 桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/1299857

  • トランプ政権末期のミリー統合参謀本部議長のプロフェッショリズム(大統領に決定できる余裕を与えなければならない)や人民解放軍の危機感が興味深かった。

  • トランプによる米中戦争の危機

  • ■書名

    書名:PERIL (ペリル) 危機
    著者:ボブ・ウッドワード (著), ロバート・コスタ (著), 伏見 威蕃 (翻訳)

    ■感想

    TOPPOINTで読了。
    トランプとバイデンについて、色々考察し、まとめた一冊。

    事実は知らないですが、随分トランプが嫌いな人達が書いた本だな~というのが
    感想ですね。
    トランプに敵対する視点でしか描かれないので、トランプ批判の本という感じ。
    こういうの、あまり面白く感じないんですよね。
    といってもバイデンを持ち上げるでもないです。
    正直、よくわからない本。これがベストセラーなんですね。
    ただのゴシップにしか見えないのですが・・・・

    ただの批判本って何が面白いのか分からないんですよね。
    嫌いという感情が先にあっての内容なので、読んでいて気持ちいいものでは
    ないし。批判するにしても、いい点も含め批判しないと、つまらないです。

    TOPPOINTで読んだだけなのでもっと他の事も書いていたのかもしれないですが
    全体の方向性は上記の通りだと思います。

  • 東2法経図・6F開架:312.53A/W86p//K

  • 前作に続き、トランプ政権の内幕を信じられないレベルで明らかにする内容。今回はトランプからバイデンへの政権移行期をカバーしており、1月6日のトランプ支持派による議会乱入がクライマックスになっている。トランプとその取り巻きが異常な集団である事が細かく描かれて本当に気持ち悪くなる。ちなみに今のウクライナ危機に繋がるエピソードもあり、日本語訳がこれだけ早く出るのはありがたい。

  • 去年の議会襲撃事件を中心とする、トランプ政権からバイデン政権の移行の様が丁寧に描かれている。
    アメリカの民主主義政治の末期かのようだ。近い将来、現在のアメリカ憲法が否定され新しい政治形態が現れるような気がする。

  • 2022年1月1日読了

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著者プロフィール

米国を代表するジャーナリスト。1943年生まれ、イェール大学卒。50年間にわたりワシントン・ポスト紙の記者、編集者を務め、ニクソンからバイデンまで歴代大統領を取材・報道しつづけている。
ウッドワードは同紙の社会部若手記者時代に、同僚のカール・バーンスタイン記者とともにウォーターゲート事件をスクープし、ニクソン大統領退陣のきっかけを作ったことで知られる。このときの二人の活動から「調査報道」というスタイルが確立され、また同紙はピュリツァー賞を受賞した。ウッドワードはその後も記者活動を続け、2002年には9.11テロに関する報道でピュリツァー賞を再度受賞。
『大統領の陰謀』『ブッシュの戦争』『FEAR 恐怖の男』『RAGE 怒り』など、共著を含めた20冊の著作すべてがノンフィクション書籍のベストセラーリスト入りを果たしている。そのうち14冊は全米№1ベストセラーとなった。現在はワシントン・ポスト紙アソシエイト・エディターの責にある。

「2021年 『PERIL(ペリル)危機』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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