変化の時代、変わる力: 続・経営思考の「補助線」

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532317454

作品紹介・あらすじ

「万が一」を切り捨てないシナリオづくり。有事のリーダーの育成。異文化への理解を深める…「想定外の時代」に備えよう。新感覚の「知的エンタテインメント」。

感想・レビュー・書評

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  •  タイトルに「続」とあるように、2009年に「経営思考の「補助線」」という著作が出版されています。本書も前著と同じく、日経ビジネスオンラインの著者の連載コラムをもとに加筆・修正したものです。
     今回のテーマは「変化」と「適応力」。昨年3月の東日本大震災を挟んだ時期に執筆されたものなので、まさに、テーマは時宜を得たものです。
     取り上げられている内容は、ビジネスコンサルタント的なシンキング・ツールの話もあれば、組織論、リーダーシップ論等多岐にわたり、ひとつのありふれた材料からスタートしながらも、多面的な視点から話題は大きく広がっていきます。そのあたりは流石に一流のコンサルタントの思考ですね。

  • もちろん前作『経営思考の補助線』と同じ方向性ではあるのだが、前作よりも我々を取り巻く環境が大きく変わっており、そのような変化に対しての考えやすべきことのヒントを与えてくれるという点で個人的に前作よりも入り込んで読んだように感じる。
    タイトルにある「変化の時代」として、主に東日本大震災とグローバリゼーションについてが柱となっているように感じる。
    著者はあとがきで硬めの話が多くなってしまった、と述べているが、おそらくその硬い話が多くなっているであろう第1章から第3章あたりが特に自分が今まで持っているのとは違う視点を与えてくれ、食い入るように読んだ。
    もちろん硬い話を初めから硬く述べるのではなく、例えば海外現地進出が盛んになっているが、それには情報を伝える仕組みが必要だという話を駅伝の話から初め、そこになぞらえて話を展開させていくなどはやはり見事だし話が分かりやすく、さすがそこはいつも分かりやすく的確なコメントをされる著者ならではと感じる。
    現役のコンサルタントだけあって、広い情報を基に話が展開され、しかもそれが単なる情報の引用ではなく、個人的な経験などに支えられているところが他とは大きく異なる。
    個人的に関心を持って読んだ箇所は、
    ・売上高業界一位の企業が利益率一位である率が低下している
    ・ジャック・アタリ氏の著書『21世紀の歴史』
    ・米国家情報会議の報告書「グローバル・トレンド」
    ・ロバート・クーパーの著書『国家の崩壊』
    ・新興国市場の発展感覚を理解するためには「ALWAYS三丁目の夕日」を見よ
    ・中国内陸部の人たちが内陸部への出稼ぎから移住型になってきている
    ・1929年の大恐慌で勝ち残ったのがリーマン・ショックで大打撃を受けたGMとクライスラーだった
    ・今後日本は「新しい日本型中流社会構築」を行なっていかなければならない

  • "より強いものが生き残るのではなく、より賢いものが生き残るのでもない。より変化できるものが生き残るのだ"とても深く染み入るものがある。環境変化への適者が生き残るということは、硬くてはだめで、柔軟性が必要ということであり、すべての事象を受け止め変化するということだろう。なんだか、毎年、抗ウイルス剤に滅せられても、耐性を整えてやってるウイルスのようだと思った。鳥瞰型、大局的に物事を〜と思っていたが、グラフ化、数値化して微細さの必要性を感じてしまった。緻密さは好きなのだが、数字が苦手とはいってられない。幸いにして夢はずっと持ち続けている。あらゆる可能性を追求して、天命を待とう。最後は楽観的だけど、そこに至るプロセスは抜かりなく、フレキシブルに詰め込みたい。とりあえず、新興国に頻繁にバックパッカーして兆しに対する感度なり、カルチャーなりを養おうと思う。待ってられない。旅する理由ができた。

  • 変化できるものが生き残る。

    何の先入観も持たず虚心坦懐に物事をみつめる。

  • ■仮説プランニング
    1.不確実性が高い時代には、シナリオプランニングが有効である。Ⅰ.一定の確率で起こりそうなシナリオを複数作る。Ⅱ.マネジメント層で複数のシナリオを共有し、それぞれの場合に自社の取るべき戦略について、事前に考える。Ⅲ.変化の兆しを、競合よりも早く読み取れる体制を作る。
    2.変化できるものが生き残る。
    3.雨の日には晴れの、晴れの日には雨の準備をする。

  • 御立節とでもいうのか、クライアントも含めあらゆる読人に配慮した心遣いの感じられる文章には人柄が滲み出ているようです。
    M&Aに対する企業姿勢がその企業の経営姿勢を表している、といった意見や、社会、政治、経営のあり方や変化などをグローバリゼーションで捉える筆者の広い視野に触れられたことが学びになりました。

    個人的には、筆者がコンサルタントとしてのアイデアリズムまたはリアリズムだけではなく、教育や職業人のマインドに深く関心を持ち、そこにひとつの熱い想いを持っていることを感じられたことがいい意味での意外性でした。

    ここから実際に何をするか、は我々次第、といったところでしょうか。

  • 会社のリサイクル書籍でゲットしたが結構面白かった。がまた読まないので★1。この人の他の書籍を読もう。

  • シナリオプランニングを使いこなすには、
    1.一定の確率で起こりそうなシナリオを世界観として具体的に言語化する
    2.複数のシナリオを事前に考える
    3.大きな変化の兆しを競合のり早く読み取ることができるための体制作り
    常に一定の失敗は発生することを踏まえて状況をきちんと把握し、意思決定に組み込むことがリスクテイク力向上の重要な要素
    計画やシナリオはあくまでもある前提の下でしか成り立たない

  • 自分の知見を広げるきっかけになる

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著者プロフィール

ボストンコンサルティンググループ日本代表

「2014年 『ビジネスゲームセオリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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