- Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
- / ISBN・EAN: 9784562049028
作品紹介・あらすじ
屋敷の中央をつらぬく螺旋階段。その底は牢獄のように暗く、厳重に旋錠され、陰惨な過去を封じ込めてあるのだという。その家に嫁いできた彼女の目的、それは「螺旋の底」をあばくこと。また、いっぽうの夫も彼女を迎え入れたのには「ある理由」があった-。
感想・レビュー・書評
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屋敷の中央をつらぬく螺旋階段。
その底は牢獄のように暗く、厳重に施錠され、陰惨な過去を封じ込めてあるのだという。
その家に嫁いできた彼女の目的、それは「螺旋の底」をあばくこと。
また、いっぽうの夫も彼女を迎え入れたのには「ある理由」があった―。
あ~、またこの手のトリックにひっかかってしまったぁ!
という深木さんの3作目。
いかにもな一人称で、そこはかとない違和感を覚えていたにもかかわらず完敗・・・。
エピローグでめちゃめちゃ混乱しましたから。
細かい点を精査しながら読むタイプではないので仕方ないとはいえ。
「そこ」は全く疑ってなかったもんなぁ。
再読必至。
ラストが説明的すぎるのと、殺人トリックについてイマイチわかりにくかったのがマイナスではありますが。
しかしここまで全作ハズレなし、って本当凄い。
当然、次も期待しちゃうな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
(No.13-30) ミステリです。
内容紹介を、表紙裏から転載します。
『屋敷の中央をつらぬく螺旋階段。
その底は牢獄のように暗く、厳重に施錠され、陰惨な過去を封じ込めてあるのだという。
その家に嫁いできた彼女の目的、それは「螺旋の底」をあばくこと。
また、いっぽうの夫も彼女を迎え入れたのには「ある理由」があった。』
深木さんの今度のミステリの舞台は日本ではありません。鉄道を使えばパリから2時間半あまりしかはなれていない、北フランスの静かな村ラボリ。
その昔にはこの地域を支配していたゴラーズ家は少しずつ没落してはいますが、今でも権威があり村の名士です。
第二次大戦直後に村で起こった事件の中心だったゴラーズ家。村人は全員知っていて、でも口をつぐんでいます。被害者側、加害者側全員が。
まるでお城のような大きなお屋敷。
嫁いできた妻は、何か目的を持っているらしい。そのためにあえて結婚したみたい。
夫も秘密を持っているよう。
使用人なのに屋敷に君臨している家政婦のデュポン夫人。
通いの使用人だが財産管理も任されている男で寡黙なジャン=ルイも何か謎めいていて。
おどろおどろしい雰囲気、全員腹に一物!何が目的?何があったの?
早く知りたくてついつい読むスピードが上がります。
視点や相手に対する呼びかけ方が巧妙で、やっぱりうまくやられてしまったわ。はぁ~そうだったんですね!
でも、気持ち良いだまされ方でした。殺人事件が起こるのですが、あっさりした描き方だったのであまり心を動かされなかったのは逆に良かった気がします。
最後の方で一気に説明してしまってますが、出来ればじわじわと読者自身に気付かせて欲しかったかな。
もう一度確認したくてページをめくる・・・こういう楽しみがあるミステリが好きです。 -
2019.06.27 図書館
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屋敷の中央をつらぬく螺旋階段。その底は牢獄のように暗く、厳重に施錠され、陰惨な過去を封じ込めてあるのだという。その家に嫁いできた彼女の目的。それは「螺旋の底」をあばくこと。また、いっぽうの夫も彼女を迎え入れたのにはある理由があった……
思いがけず舞台はフランスでした。本人と夫視点でのキャラクター差に違和感めちゃめちゃあったから種明かしでスッキリはしたけど、なんか座りの悪い終わり方だった。なんで一回犯人仕立て上げまでして終わりにしたのに今頃になってやっちゃったの?ぶり返したの?そもそもなんために殺してたの?少年限定の性愛者になったってこと?お互い都合良い結婚だと思ってたのに終わりかけになにゆえ急に妻の浮気が気になりだすの?統合するための夫の行動が腑に落ちないことが多くて気になってしまった。 -
再読必至の、目をみはる逆転劇!
外国が舞台の作品ですが、翻訳作品と違い読みにくさもなくさらりと読めました。
要塞の様な屋敷、不気味すぎる螺旋階段の底、各々の秘密…。雰囲気のある作品。
欲を言えばキリがないけど、殺人鬼の心理等はもう少し描いても良かったのでは。 -
どんでん返しがうまいなあ。思っていた人物と違うとは。舞台が海外だと、ちょっとイメージがわきづらくて敬遠しちゃうけど、確かにこれは日本が舞台ではなくてヨーロッパが似合うかも。
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フランスの小さな田舎の村、その丘の上に建つ要塞のような地主の建物。その建物には特徴的な螺旋階段があり、封印された地下倉庫には陰惨な過去が眠っている。
その屋敷の主のもとに嫁いできた、人には言えない思惑を秘めた女と、異様な裏の顔を持つ主の男の物語だ。
すっかり最後まで騙されて、種明かしをされてああっとなった。
定番といえば定番かもしれないけれど、とても緻密に描かれたミステリーの王道だ。