- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784566024182
感想・レビュー・書評
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馬の視線から見た戦争と、人と馬、人と人の交流でもある物語。
馬の視線での戦場というのが新鮮でした。
字が少し大きめだと思ったら、分類としては児童書でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
馬目線で書かれた本。
児童書だけど、大人にもおすすめ! -
戦争の中で、いろいろな人や馬との関わり、生と死を、馬の目線を通して知る事が出来ました。
戦争によって起きる悲劇だけでなく、その中にも暖かいこころの交流があったこと。こころがあたたかくなりました。 -
もの凄く私好みでした。このストーリーなら映画でみたい。感動の波が何度も押し寄せ、泣きました。馬という生きものは前から美しいと思っていましたが、その思いがいっそう強くなりました。この本の語り手が馬であることが、この物語の神髄。あぁ、読んで良かった。
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ジョーイが戦場で出会う人々の優しさにグッときます。
馬目線なのに、妙に擬人化しすぎるところがなく、抑え目のトーンなのもいいです。1ページ読んだだけで、「これはすごくいい!」と思った本。 -
生まれて6ヶ月で貧しい農夫に買い取られた子馬は、農夫の息子の
アルバートに、ジョーイと名付けられ大切に育てられた。
アルバートの父親は、自分になつかないジョーイに辛くあたったが、
アルバートさえ居てくれれば、ジョーイは幸せだった。
第一次世界大戦が開戦し、農場にも戦争の影が伝わりはじめたある日、
アルバートがいない間に、父親は勝手にジョーイを軍隊に売ってしまった。
急いでジョーイのもとに駆けつけたアルバートは、自分もジョーイと一緒に
軍隊に入ると言って懇願したが、歳が満たないために断られた。
ジョーイを名馬と認めたニコルズ大尉は、アルバートにジョーイのことは
大切に世話をすると約束してくれた。
アルバートは17歳になったら入隊して、絶対にジョーイを
探し出すことを決心した。
ジョーイが最初に連れて行かれた所は、騎兵隊用の軍馬を養成する訓練場だった。
ここでジョーイは、心優しくたくましい牡馬トップソーンに出会う。
お互いを認め合う二頭は、共にフランスの戦場に運ばれ、激しい戦闘を
経験した。
その戦闘で、ジョーイはニコルズ大尉を失った。
さらにジョーイとトップソーンは、ドイツ軍に捕らわれてしまう。
この物語の語り手は、馬のジョーイです。
「国境を越え、敵味方を越え、人間と馬を越えた物語」
(訳者あとがきより)です。 -
映画とは若干ストーリーが違っている原作だということを、読了して初めて知った。
馬の個性にもよるだろうが、実在したモデルのある優れた馬だけに、人間と同じような視点に置き換えたならば、成り立ちうる作品でもあろう。
日頃馬と接していても、彼らの感性や知的レベルは、作品とそれほどかけ離れてはいないだろうと思える。
この作品の何よりすばらしいところは、映画もそうであったが、戦争がいかに人々を、軍用動物を、悲惨な目に合わせるかを描き、明確に反戦の意思を持って書かれているかということだ。 -
第一次世界大戦時のイギリス、フランスを舞台に、戦争に巻き込まれた馬とその馬に関わる人々の物語。
児童書ですが、大人が読んでも十分楽しめます。
登場人物や馬のキャラクターも豊かで、特に主人公の馬・ジョーイの盟友・トップソーンはそのふるまいから人柄ならぬ、馬柄が感じられ、魅力的でした。
思うに、語らぬ馬ゆえ、読者はいろいろな思いをそこに映すのかもしれません。馬たちの様子は、時には無邪気な子どものように、時には血気盛んな青年のように、時には老練な紳士のように、感じました。
心に残る1冊です。 -
馬のジョーイが語る人間と馬との愛情と、その絆を引き裂く戦争の悲惨さを描いた物語。辛くても辛いと言えない馬が、戦争のために酷使されて死んでいく様子に、戦争は人間だけでなく罪のない動物まで犠牲になるのだと思って胸が痛かった。最後のおじいさんの行動にわずかに救われた気持ちだが、戦争などして誰が幸せになるのだろうか?と改めて思った。
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生まれて6か月でセリにかけられ、母親と別れてしまった子馬。競り落としたのは、酔っぱらいの男で、乱暴な手つきで子馬を自宅に連れ帰った。不安と恐怖で、縮こまっていた子馬を救ったのは、彼の息子アルバート。少年は子馬をジョーイと名づけ、立派な農耕馬に仕立て上げ、父親から守り通した。
しかし、戦争の影は、幸せに暮らしていたアルバートとジョーイに忍び寄り、ジョーイは軍の馬として売られていく。そして、海を渡り戦場へと向かっていくジョーイを待っていたのは……。
原題は“War Horse”スピルバーグが映画化して、話題になっている作品です。主人公の馬のジョーイが農耕馬、そして騎兵隊の戦力として、ときには傷病兵を運ぶために……と過酷な運命に翻弄されながらも、力強く生きていくというstoryです。
児童書なので、あっという間に読めてしまいますが、「世界で一番の贈り物」と同じようにマイケル・モーパーゴの作品は、国は違ってもお互いは同じ血の通う人間であること、それゆえに争うことの無意味さ、残酷さをさりげない文章で伝えてくれます。