戦火の馬

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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784566024182

作品紹介・あらすじ

私の名はジョーイ。愛する少年との穏やかな農場暮らしを後にして、最前線に送られてきた。そこで眼にした光景は…。私は駆ける、戦場を。愛する少年との再会を信じて、駆け抜ける。

感想・レビュー・書評

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  • 映画化されたマイケル・モーパーゴの作品です。
    乗り手がどんどん代わっていく馬の気持ちとそれぞれの主との関係が面白いです。
    児童書ですが読みごたえがあるので、時間がない時に読書をするのにおすすめです。

    【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 同じ著者の「兵士ピースフル」が良かったので読んでみた。
    家族を愛する心や友情といった平和ならば当たり前に守りたいものが、戦争で奪われてしまう悲しさが描かれていた。
    この作品は馬の目線で描かれている。
    「兵服が違うだけだった」
    敵も味方も馬も「連れて来られただけ」でみんな家族の元に帰りたい。
    著者の戦争に対する思いがジョーイの言葉から見つけることができた。

  • 戦争に駆り出された馬の目線で語られる戦時下の日々。平穏な日に救われてほっとした後に過酷な状況に落とされ、読んでいても心が振り回されました。軍馬がこのように扱われていたことを初めて知り、異国の地で馬も人も故郷に帰ることを願いながら死んでいったことが本当にやるせない。

  • 第一次世界大戦を舞台とした作品で、スティーブン・スピルバーグ監督が映画化したことでも有名。
    本国イギリスでは舞台化もされたとのこと。

    そんな本作の主人公は馬のジョーイ、そうです、馬が語り手となり、飼い主であるアルバートと共に農場で暮らすシーンから始まります。

    戦争がジョーイとアルバートを引き裂き、ジョーイは軍馬として戦地へ。

    過酷な戦地での体験。

    戦争は多くの人々のみならず、動物達をも巻き込む残虐な行為。

    アルバートはジョーイとの約束を果たすため軍に志願し戦地へ赴く。

    ジョーイは無事にアルバートと再会出来るのか?

    <あらすじ>
    ジョーイは農場でアルバートと出会い、深い絆で結ばれるが、戦争が始まり軍馬に売られてしまう。ジョーイはイギリス軍、ドイツ軍、フランスの農家など様々な人々と出会いながら戦場を生き抜く。一方、アルバートも軍に志願し、ジョーイを探しに行く。戦争が終わり、二人は奇跡的に再会するが、ジョーイは競売にかけられることになる。アルバートはジョーイを買い戻そうとするが、高額で落札されてしまう。しかし、落札者はジョーイとアルバートの絆に感動し、ジョーイを手放すのだった。

    本の概要

    内容(「BOOK」データベースより)

    私の名はジョーイ。愛する少年との穏やかな農場暮らしを後にして、最前線に送られてきた。そこで眼にした光景は…。私は駆ける、戦場を。愛する少年との再会を信じて、駆け抜ける。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

    モーパーゴ,マイケル
    1943年、イギリスのハートフォード州生まれ。ロンドン大学キングズ・カレッジ卒業。小学校教師を経て作家となり、とりわけ児童文学作品を数多く発表。この分野で、現代イギリスを代表する作家としての地位を確立している。2003~2005年桂冠児童文学作家

    佐藤/見果夢
    1951年、神奈川県生まれ。明治大学文学部卒業。公立図書館に勤務ののち、絵本や児童文学の翻訳にたずさわる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 再読。

  • 第一次世界大戦で、独軍と戦った英軍兵士の百万人ちかくが戦死、徴用された軍馬の二百万頭が銃弾や大砲に倒れ、ぬかるみにつかり、病気になって死んだ。 そして終戦後、英国政府は生き残った馬を本国に輸送せずに、食肉用としてフランスの肉屋に競り落とさせた。この心ない人間の愚行に憤りを覚えたイギリスの児童文学作家マイケル・パーゴが、駿馬<ジョ-イ>の目をとおして語った、人間と馬との熱き魂の物語。 スピルバ-グ監督の映画「戦火の馬」が記憶に新しい感動篇。

  • 以前、映画を観たことがあるけど児童文学が原作とは知らなかった。
    戦争をテーマにした話はたくさんあるけれど、馬の視点で描がかれている点が面白い。
    文学でも映画でも、通常、戦争は人間を主役に据えられていて、馬は数ある戦争の道具の1つに過ぎず、そこに意識が向くことは少なかった。
    でも、この話を通して、戦争は人間だけでなく、罪の無い動物をも容赦なく狩りだし、翻弄し、蹂躙するのだなと気付かされた。
    そして戦後、何とか生き残っても祖国に帰れる人間とは違い、馬の多くは食肉用として売り払われた。馬を輸送する費用がないからだ。
    売り払うことで節約になり、かつ金銭を得られる。それは合理的な事かも知れないが、人間と同じく命を懸けた馬に対してあまりにも辛い仕打ちだ。
    少年と帰還出来たジョーイは何とも幸運だったんだな。
    ハッピーエンドだけど、犠牲になった大半の馬を想うと胸が苦しい。

  • 吾輩は猫である 以来? 動物が人間の言葉で物語るのを読むのは最初はなかなか辛かったです。
    でも、時間が解決してくれたおかげで、いつのまにかスラスラと読めるように。
    馬と人との間の信頼が物語の基盤になっていて、興味深かったです。馬ってかわいいのな。また、
    第一次世界大戦のことをもう少し知りたくなりました。

  • 農場に飼われて農耕をしていた馬が、もともと名馬だったこともあり、第二次世界大戦のイギリスで騎馬隊の馬として徴用されて、激戦地を転々とする物語。過酷な戦場へも出陣し、多くの兵士の死も目の当たりにするが、優しい人たちにも出会い、最初の飼い主である少年(獣医兵となっている)と奇跡の出会いをする。

    戦争に翻弄されるのは、人間も馬も同じ。
    子どもたちが戦争を学ぶのに良書と思った。

  • 舞台化された映像が素晴らしかったので、原作を読みました。馬目線で書かれているのが、面白い。戦争の話ですが、読みやすい作品でした。
    映画版も見てみたいですね。

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著者プロフィール

1943年英国ハートフォードシャー生まれ。ウィットブレッド賞、スマーティーズ賞、チルドレンズ・ブック賞など、数々の賞を受賞。作品に『ゾウと旅した戦争の冬』『シャングリラをあとにして』『ミミとまいごの赤ちゃんドラゴン』『図書館にいたユニコーン』(以上、徳間書店)、『戦火の馬』『走れ、風のように』(ともに評論社)他多数。

「2023年 『西の果ての白馬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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