自殺について

  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (167ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569708652

作品紹介・あらすじ

全く幸福であると感じた者は、まだいないであろう。いるとしたら、そもそも酔っぱらっていたのだろう。「人生の幻滅」への解毒薬。読みやすい名著新訳。

感想・レビュー・書評

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  • 孤独にショーペンハウエルを読む至高を味わう。

    苦痛の積極性に対する健康と幸福の消極性。ライプニッツは弁神論において不幸の消極性を証明しようとしている。生きることは、困窮と退屈に付き纏われる事であり、それらは人間生活の両方の極である。

    われわれは自堕落な父親の子供のように、はじめから借金を背負ってこの世に生まれてきており、借金を返すためだけにひっきりなしに働かねばならないのだという。

    生きる為に食し、食のために、栽培や狩りをしなければならないならば、ひっきりなしに働かねばならないという言い方は正しい。但し、働くという事が肯定的か否定的かは、異なる。また、何気ない事に幸福を感じられるならば、決して幸福は消極的なものではない。

    ショーペンハウエルは悲観主義的だが、しかし、その語り口は、人生を冷めた視点で捉え直し、生きる意味を見つめクリアな頭で新たな一日を過ごすに適している。

  • 表題の"自殺について"は、後半の数ページのみで、前半は人間と動物の違い、中盤は人が生きる意味、そして苦しみのこと。
    人間はそもそも存在自体が間違っており、そのことを生きて、死んで、の2回分で償わなければならないという考えが面白かった。
    一読後、振り返ろうと思ったら左ページに本文、右ページに抜き出し、というのはこれはこれで探しやすいが、もう少し一定の長さの本文を繋げて、章としてタイトルをつけた方が良かった。
    今回は図書館で借りて読んだが、空白が多く、注釈も多く、改めて買って読もうとは思えない。
    哲学書というより、自己啓発本に近い構成である。


    長く生きれば生きるほど、よりはっきりとこう気づくのである。人生は全体として見れば期待はずれであるばかりか、詐欺ですらある。p48
    われわれはまるで自堕落な父親の子供のように、借金わー背負ってこの世に生まれてきており、ひっきりなしに働かなければならない。p64
    われわれはこの世に生まれてきたことを、第一に生きることで償い、第二には死ぬことで十分に償うのである。p72
    この世界、そして人間もそもそも存在すべきではないという確信は、実はわれわれが、互いに寛容な気持ちで満たされるのに役立っている。p78
    人と人との間で呼びかけるときに〜ムッシュー(Monsieur)とかサー(Sir)の代わりに、苦難を共にする人という言葉を使ってはどうか。p79

  • 図書館本 134.6-Sc6 (100090018715)

  • ページをめくるごとに目に入る”鬱陶しい要約”、それに”圧倒的空白の多さ”、バカにされてる気分。
    あとがきで「哲学用語はできるだけ避け、文学的にも味わえるよう訳しました」と書いてるところからしてダメ。
    哲学と文学は明確に区別されるべきである。真面目に読むなら岩波の方を読んだほうがいい。

    ついては、内容に関しては真剣に読むことができなかったので評価することができない。

  • 自殺・時間・幸福
    ショーペンハウエルの多方面への思想が読み取れる。

  • かえって精神が安定する。不思議だ。
    友を亡くしてから、死について考えることが多くなった。

  • 自殺をするある原因とは、精神的な苦悩と肉体的苦悩の対立によるものであると。それは肉体的苦悩を感じているときは、精神的苦悩に無頓着になり、逆も然りということであった。このことが自殺を容易にしてしまう。
    実際本書は哲学的な見地から書かれていたので、具体的なところまで書かれてはいなかった。

  • 6 8 20 40 96 98 104 106 112 120 118 124 126-7

    議論の余地のない正しさなどというものは、この世のいかなるものに対しても、誰も持ち合わせてはいないのである。

    いったいどのような罰なら、死を望む人を脅かして思いとどまらせることができるだろうか?

    人生を愛するあまり、何とかしてそれを長く伸ばそうとする者はいないだろうとわれわれは考える。

    キリスト教は内部のもっとも深い部分に、苦悩(十字架)が人生の本来の目的であるという真理を宿している。

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