インターネット的 (PHP文庫)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569762463

感想・レビュー・書評

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  • ネットの最前線で活動してきた人の、20年前のネット論。

  • 2015/6/1

  • インターネット「的」というのがおもしろい。パソコンを使わない人でも、インターネット的なことをしている人がいる(たとえば邱 永漢さん)というところ。
    ネットで一番大切なこと、いま失われていることを教えてくれる本です。
    糸井さんは流行にのって流れている人かと思っていたけれど、じつは流れの底でしっかり足をついたひとだということ、そして、おもしろいことのためには、身をなげうつ覚悟のある人だとわかりました。
    でも、私にとっては、やはり飄々としたおじさんなのですけれどね。

  • 十数年振りに再読。糸井さんの鋭い洞察がそのまま、現代の現象になっているものも、結構ありますね。

  • インターネットではなく、インターネット的。そこに人間の本源性に根ざした視座があった。特に前半は刺激的。話し言葉でなぜか読みにくかったが、ところどころ生きることに自覚的にならざるをえない部分にかちあった。

    ・価値が多様化すると言うよりは、価値の順序づけが多様化する
    ・「ここは流れとは関係ない」という話題の選び方こそ、発言者の個性がよくでる。
    ・インターネットよりも雑誌の投稿の方が内容が豊かだった。バカなことの豊かさとか、自由であることの楽しみについて、先にネットにつながっている人には欠けているものがある。
    ・ビジネスモデルが明確になるものは、みんなが考えて、過当競争が起きる。
    ・問いがあったら、答えがすぐある、というクイズのような問題ばかりを、今までのメディアは取り上げてきたが、実際の人間は、答えのない問題についてしゃべったり、考えたりする場を求めていたのではないか。
    ・欲望の貧困:経験の総量が足りなければ、欲望の生まれようがない。
    ・古代ローマでの奴隷に当たるのが、コンピュータ?いや、いまのサラリーマンでしょ。
    ・休み方も仕事のように真剣に研究する課題。

  • 2001年7月に発行された単行本が今の時代を予見しているとされて2014年11月に文庫化された.インターネットの持つ特徴により人々の行動様式がどう変わっていくかについて述べている.
    シェアすることに喜びを感じるとか,情報を発信する人の元へ情報は集まってくるとか書けたのは素直にすごいと思った.まだISDN主力の時代で,写メールが流行り始めた時期ではなかったか.自分の嗜好や生活が10年ちょっとでどんな風に変わってきたかなと思いを馳せながら読むと面白かった.

  • ベストテンとかチャートとかが、なぜ人々の関心と興味引くかといえば、安定しないことでのスリルがそこにあるからでしょう。「勢い指数」のようなものがそこにあるとして、その基礎になる情報というものは、何なのでしょうか。これがまたあんまりよくわからないものなのです。とりあえず「露出」と「売り上げ」という要素で計りましょうと、いうような感じで、無意識の申し合わせができているようですね。売り上げ×露出=勢い(評判)…という図式は成り立つのですが、、CDでいえば出荷枚数が売り上げだし、主にテレビの登場頻度が露出でしょうから、どちらも「勢い」の指数を上げるために、CDを大量に買ったり、政治的力関係でテレビの登場回数を増やすことも可能でしょう。こうなると「勢い」も人工的に「つくれる」のですから、勢いを価値の軸にする時代というのは、大量生産・大量消費にフィットした考え方だと思うのですが、そろそろ寿命がきているように思えます。根拠の曖昧な価値に合わせて競争することは、運頼みの要素が強くなりすぎるのですね。強い馬が勝ちにくいというレースが、ずっと続くと、最初は逆転の多いゲームを面白がった観客も、やがて飽きてしまうでしょう。つまり、ゲームデザインの杜撰なゲームになってしまうのです。

    いまの映画やCDのランキングは、それを選んで買えるヒマのある人が決定しているのですね。現在の市場の動向というものは「消費する時間をたっぷり持っている」比較的ヒマな人々からの発信に偏ってしまいます。

    幸せ観がないと、ものは作れないかというと、そんなものがなくてもいくらでもつくれます。しかし、どういうことが幸せなのかということがわからないままに、ドラマを作ったとしても、「ハッピーエンド」の「ハッピー」がわからなければ、そのドラマはハッピーを提示できません。「よかったね」というセリフひとつを書くにも、作者が何を「よかった」と考えているかというプレゼンテーションがないと、共感もできないし、反感を買うことさえできないのではないかと思います。

    ドラマを観ていて、何か違う気がするなと思うときは、その作家の人生観や世界観に、見ているあなたの考え方がフィットしなかったわけです。しかし、違うなあと思いながらも、作家が本気で問いかけた時には「俺はそうは思わないけれど、その幸せもあるんだろうなあ」と何となく納得できたりします。その逆で、作家が自分の人生観や世界観にまったく触れないところで、「どうせ、みんなはこういうのがうれしいんだろう? どうせこういうのを面白いと思っているんだろう?」というような、想像上の「多数」に合わせようとした表現には、受け手にして心を動かされることはないと思います。

  • インターネットが普及することで、社会はどんなふうに変わっていくのか。その変化が、インターネット的、ということ?すごく話題になっている本やけど、そんなに響くところはなかったかなぁ。とはいえ、この本を二〇〇〇年になったばかりのころに書いていたのはやはりすごいのかな。
    糸井さんの本をきちんと読むのははじめてやったので、なんとなくこのひとの考えていること、考え方がわかったのがよかった。頭がよくて、バランスのいいひとだ。

  • インターネットは伝える仕組み。
    インターネットで丸ごとつながると公私の区別が曖昧になる。
    インターネットがない生活も仕事も考えられない時代になったな。

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著者プロフィール

1948年群馬県生まれ。株式会社ほぼ日代表取締役社長。71年にコピーライターとしてデビュー。「不思議、大好き。」「おいしい生活。」などの広告で一躍有名に。また、作詞、文筆、ゲーム制作など幅広い分野で活躍。98年にウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」を立ち上げてからは、同サイトでの活動に全力を傾けている。近著に『かならず先に好きになるどうぶつ。』『みっつめのボールのようなことば。』『他人だったのに。』(ほぼ日)などがある。聞き手・川島蓉子さんによる『すいません、ほぼ日の経営。』(日経BP)では「ほぼ日」の経営について明かしている。

「2020年 『いつか来る死』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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