書店ガール 4 パンと就活 (PHP文芸文庫)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569763569

感想・レビュー・書評

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  • 3月読む必ず!

    これはシリーズものですが、4巻は登場人物がそれまでと異なるから、単体で楽しめるよう。

    今まさに読むべきこと、脳内に膨らむモヤモヤや複雑の正体が掴めそうな気がする。
    この小説で少しでも、書店の現場、裏側を知っておきたい。
    本好きとして、とても興味深い。
    勧めてくれた書店員さん、チンチャコマウォヨー!

  • 就活のことを前向きに捉えさせてくれるお話。
    就活で辛くなったらこの本を読みたい。
    この本に出てくる就活生向けの本もいつか読みたい。

  • 今回もめちゃくちゃ良かった!
    読んでみたい本がたくさん増えちゃった。
    書店ガールシリーズを読むと、仕事を頑張りたくなる。もっと自分のやってみたい事に挑戦したくなる。

    今回の主人公は就活中のバイトの女の子と、契約社員の書店員だけど、初々しくて、それもまた新鮮だった。

    次が早く読みたい。

  • シリーズ4冊目。
    お話の主役が変わりました。
    就活や異動にまつわる不安や悩みなど。自分のことも思い出しながら読みました。
    自分らしさについて、考えさせられたところもありました。
    主人公が企画したフェアで、自分の好きな1刷がとり上げられたのも嬉しかった。
    まだまだ続きが読みたいです。

  • 「合わない手袋をするくらいなら、手袋を持たなくていい」向田邦子に全賛成と思っていたけど、否定する人もいるのですね。そういう時代だったのかも。手袋がなければ寒いし、多少合わないくらい…。

    上梓が2015年。まだ契約から正社員登用があったのですね。「テンションを高く保つのは難しいかな」が印象的です。新店舗の一人店長。やっぱり、ある意味幸運だと思うし、学ぶチャンスと捉えた彩加の姿に、羨望を感じてしまった。人生無駄なことは無いよって。

    愛奈の就活については、もし可能ならば、理子さんや亜紀さんの意見やコメントが欲しかったかな。書店員さんの”ありがたさ”は、とっても感じるし、読書子としては絶対なんだけど、自分ができるか・選ぶかと言うと、きっとそうではない。就職の対象として”書店”を選ばせる側(迎える側)はどう考えてるのだろうかと、気になります。

    これから、就活のあり方や働き方が問われる中、二人の将来が楽しみです。就活・職業に悩んだ昔を少し思い出してしまいました。本書が「就活フェア」の片隅に置かれることを願いつつ。

  • 今回は就活が一つのメインテーマ。
    就活本を読んだり説明会に行ったりネットで調べたりするより愛奈が経験した仕事で感じる喜びや苦しみ、人との繋がりの方がよっぽど大事だと思う。

  • 書店員の話っていうことで何の気なしに読み始めたこのシリーズも、四冊目。三冊目を読み終えたのが数年前になるのでかなり久しぶりやけど、基本的に連作短編やしなんとか話についていけるやろう…、と、ここまでを読み返しもせず続きを借りて来た。

    ただ、西岡さんと亜紀ちゃんの話はだいぶん読んだので(考えてみれば三冊ぶんやねんけど、内容は濃かったのでもっとたくさん読んだ気になってた)、この調子でズルズル続いていくとどこかで飽きそうやなあ、ともウッスラ思ってたら、まさかの。

    今回は若い書店員さんふたりがテーマやった。サブタイトルの「パンと就活」がまさにそのまま。切り口は全然違うし、また、西岡さんや亜紀ちゃんが客観的に違う視点から描写されているのもよかった。

    この二人の紆余曲折もこれまでたくさん見てきたから、西岡さんが女傑っていわれて「すごい人」という扱いを受けているのも、亜紀ちゃんが(西岡さんに比べれば若くて身近な先輩として)ものすごく慕われているのも、いいなあって思った。

    これこそ群像劇シリーズのいいところよね。自己評価は散々で、進歩なんて微々たるものなんやけど、他人から見たら全然違う評価が(いい方向に)もらえてるとか、めちゃくちゃ憧れるやん。夢やん。そんな夢でも見ておかんと、とてもじゃないけど、がんばれない。

    (がんばる機動力を他人に置くなとは言われるけど、他人の評価だって充分機動力になるよね)

    そして、このシリーズを読んだらあるあるやけど、「読みたい本リスト」がめちゃくちゃ増えた。
    今回は就活がテーマやから、読んだらぐぐっと刺さるものがあるかもしれへんけど(お仕事がテーマやったりもするやろうから)徐々に読んでいきたいな。

    本屋さんの就活フェアって、面白そうね。

    ただ……。わたしも就活はした。氷河期のハシリ就職なので、学生のうちから就職について考えてたけど、ひつこいけどそれは高校生のときやったのよね。
    せやから、大学三回生が、こんなことを悩むの? 今更? とは、正直思う。大学は勉強をしに行くところやもんね。そりゃそうか。……そりゃそうなの?
    何がしたいか、何ができるかを考える時間が少なくとも(大学に入ってから)三年近くはあるのでは…、とは、なってしまうなあ。

    大卒=即戦力と思ってるんちゃうよ。いざ就活、と、なったときに「何をすればいいの?」と、なるのが、ちょっと理解しにくいなあというところ。

    でもまあ、わたしはやったことがないので、昨今の就職活動はすごい大変なんかもしれない。知らんけど。

    そのあたりの幼さと(作中で当人も言うてたけど、「誰かが自分の存在を気づいて向こうからやってきてくれる」と、思ってるあたりかな。就活というか、仕事というのはそういうのはまったくない。また、学業みたいに「この教科の成績がいいから、きみはこれが得意だよね」と、第三者に方向を示してもらえることもない。せやからこそ、自分で好きなように決められるわけやけど、じゃあそうやって決めてみて、と、言われたら何をしたらええのかわからん、と、なる、……のか、その年齢で、ちゅうことか)、反対に彩加ちゃんは地元と転勤についてすごく冷静に考えてる。
    このシビアさは、二十代の若さやのにすごいな、て純粋に思った。

    どっちも二十代やねんなあ。不思議やわ。やっぱりすごいのかもしれない。
    学生の愛奈ちゃんはそんなふうに幼い(というかおっとりしている)けれど、彼女だって就職して四年もたてばたぶん、彩加ちゃんみたいに筋の通った考え方ができるようになってるんやろう。

    これこそ「若い子の可能性」やろうなあ。当人たちはそれがプレッシャーで迷惑かもしれへんけど、へんな話、何にだってなれるんやもの。
    わたしらよりも知識はあると思うし、経験がないのは当たり前。経験がないわりに(見聞した)知識だけは豊富なことが多いから、それが裏目にでることもあるんかもしれへんけど、若い子もそれを見守るわたしら世代も、「そういう時代」として付き合っていければいいなあ。

    すっかりオバチャン目線で読むで。
    当然やろ。「自分が若いころは」なんて目線で読んでへん。我が子がこの立場に立ったときにどうしてほしいか、そういうことを考えて読んでる。

    こういったみずみずしさをいつまでも「自分が若いころは」で評価する勢は、早く引退すればいいと思う。年長者ほど、経験を語りたいなら態度や行動で示すべきよね。

    せやけど、耳にいい事だけを言うのも未来がないと言われた。刺さる刺さる。
    それはど真ん中わたしら世代じゃないかなあ。

    上からの圧をどうにかしようとするでもなく、そのくせ下からの熱意もどうにもしなかった。
    よくいえば「繋ぐ」(だけの)世代も必要やから、それはそういうもんなんやと思いたいけれど(笑。甘い。しかし変われない)今の三十代以下が自由にできるように、わたしらが散々聞いてきた、まだ今でも聞いてる「自分が若いころは」論を四十代で止めていければいいな。自分らは散々そう言われてきたし、それを波立たせないようにしかできなかったけど、それを自分らよりも下には強要しない。
    そのぶん、意思をちゃんと持てる世代に繋いでいければいいなと思う……。

    けど、どうかな。結局同じ穴の貉かな。言うほどたいしたことないしな。いやいや。笑


    ■■■■


    ■フリーメーソン

    16世紀後半から17世紀初頭に、判然としない起源から起きた友愛結社。

  • 理子さんがほとんど登場しなかったのは寂しかったけれど、新しい世代の二人の活躍にワクワク。仕事とどう向き合うか。仕事に何を求めるか。
    まさに愛奈と同世代といえる我が子達に読んで欲しいなと思うとともに、愛奈が企画したフェアで紹介されている本達を手に取ってみたいなと思った。

  • 就活生に読んでほしい。就活で悩んでいた過去の自分に読ませたい。自分と向き合う勇気をもらえるフレーズが山のように登場する。就活中に誰もが経験するネガティブな気持ちに、心が軽くなるような、それでいてどうするべきか道しるべを見出させてくれる応答ばかり。

  • 第三巻で完結したと勝手に思い込んでいたけど、書店で「書ガール5」を見付けて、「えー!、続いてたんかい!?」。
    確かに、完結するには半端な終わり方だったよなーと改めて思い出しつつ、続きが読めることの嬉しさを噛み締めた。
    中心人物がシフトした上に、世代や経験世界のギャップで最初は今一つ入り込めなかったが、やっぱり面白い!
    読ませる!、魅せる!、嬉しい!

著者プロフィール

愛知県生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。フリーライター、出版社勤務を経て、2006年『辞めない理由』で作家デビュー。大人気シリーズ作品「書店ガール」は2014年度の静岡書店大賞「映像化したい文庫部門」を受賞し、翌年「戦う!書店ガール」としてテレビドラマ化され、2016年度吉川英治文庫賞にもノミネートされた。他の著作に「銀盤のトレース」シリーズ、「菜の花食堂のささやかな事件簿」シリーズ、『スケートボーイズ』『1939年のアロハシャツ』『書店員と二つの罪』『駒子さんは出世なんてしたくなかった』『跳べ、栄光のクワド』などがある。

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