官僚の責任 (PHP新書 745)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569798059

感想・レビュー・書評

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  • 官僚の実態がよくわかる。

  • 新春初読み!
    中野剛志の「官僚の反逆」を読んだので今度は古賀さんの「官僚の責任」を読んでみた。
    古賀さんの官僚の行動原則や規制、予算、団体の指摘は一面の真実を捉えているのは確か。だから中野さんもここは反論できてないように思う。また、古賀さんの言う成果主義は中野さんの言う一般レベルのものではなく、幹部に与えられる政治家からのミッションへの達成度を主にいっているように思うので、公務員の場合の成果主義のやり方を示ていない、という中野さんの指摘は少し弱い。(最も、政治家にちゃんとした正しい判断と目標設定ができるのか、という問題が別途存在すると思が…)
    一方で、中野さんも指摘しているとおり、古賀さんの霞が関に関する分析は自分がよく知る世界なのでいいとして、分析を日本の医療、教育、農業まで広げるのはどうかと思った。中小企業に関する報告は、古賀さんも土地勘ある世界なので、なるほどと思ったが、農業に関する指摘は「この人は日本の地方がどういう状態なのか分かっているのか、自分でちゃんと見て話をきいてきるのか」と思わずにはいられなかった。私も農協などに問題があるだろうことは頷けるが、日本の大半をしめる零細水田に退場願い、大規模農業企業に集約するとの議論は暴論だと感じた。是非古賀さんには日本の田舎の、感ばっている農家に会いに行って欲しい。
    産業政策で中小企業支援が鍵を握るように、農業も工夫とやる気のある農家を支援すればいい話で、大規模に出来なければ退場願うのはおかしいだろう。

  • 2012/12/31

    課長からの一冊.

    ・被災地より大臣の想定問答集が大事
    ・「等」に隠された目論見
    ・事業仕分けはショー
    ・省のため.利権拡大が目に見える成果
    ・徹底したOJTで若手を鍛える(GE)
    ・リボルビングドア方式

  • 自らが国家公務員、官僚側にいた人の本だけに説得力がある。官僚=エリートと言えない現状が分かる。ただ、省益こそがすべてというシステムが、もともと優秀、挫折を知らない人間をそういう歪んだ成長にさせてしまうのであろう。公務員改革、カットだけではなく、目標、夢を語る人間育成に向けば変わるはず。今の停滞感を突き破る安定した政治と、語るリーダーが必要なんだなと考えさせられた。

  • エリート官僚だった著者が改革のために闘い、そして最後は弾き出されてしまうわけだけど、厳しい言い方をすれば、結局それでは何も変わらないのでは。
    官僚の体質や天下りなどに対する厳しい批判はその通りで全く賛成なのだけど、やっぱりそこで内部から変えようとするには、清濁併せ呑む器量も必要だろうし、じっと耐える期間も必要になるだろう。このあたりは、実はエリート街道まっすぐの人間が苦手とするところかもしれない。
    著者のような骨のある改革者には、何とか内部に残って、少しずつでもいいから改革の流れを作ってもらいたかったと思うのは、少し厳しすぎるだろうか。。

  • 国に期待するのはやめようと感じた。
    人が悪いのではなく、評価基準が悪いとおもう。
    自分たちでルールを決められるのだから、私利に走るのは当然。それらを罰し、それを改めるために改革をすることが評価されない仕組みなのであれば、どうやっても変わるわけが無い。
    もともとが腐ったミカンなら、誰が入っても腐るのは仕方が無い。

  • 平成24年10月23日読了。

  • マスコミでも注目集める元官僚の古賀さんの著書です。
    正直な感想、久しぶりに酷い本を読んだといったところです。

    まずは、事実と推測、憶測、噂が全く区別されず、ごちゃ混ぜに書かれています。
    これでは、事実なのか、事実でないのか全く判読不能です。
    ほとんどワイドショーと同じです。

    内容的には、マスコミで報じられている官僚像そのものです。
    後半は、この現状を変えるために提言的な内容が書かれていますが、ここでも事実に基づかない空論が沢山でてきます。
    太陽光、風力発電等は、メーカーの二流後術者の失業対策と天下り先確保などと書いてありますが、メーカーの技術者、怒りますよ!(笑)
    そもそも「官僚」って誰のことでしょうか?
    「○○省の○○局の○○さんが何をした。」と言えばわかりますが、
    「官僚」と呼ばれる人をあるイメージで固定させてしまうのは乱暴です。
    「政治家」とか「国民」っていうのも同じですね。

  • 掛け声倒れパフォーマンスだけの政治主導が招いた国家の損失。官僚に食いつぶされ無駄に放擲される国富。国のための志がいつしか省益のみに堕する過程とその心理。読むほどにやりきれない思いが募り絶望感に苛まれる。著者はこれらを踏まえたうえで公務員改革の必要性を訴え、その解決の道筋を説く。終章では国策に係る提言もなされている。いずれも正鵠を射る直言であり耳を傾ける価値は大きい。また、公務部門のみならずすべてに通じる普遍的な卓見も多い。「組織というものは、異質な物同士がぶつかり合い、化学反応を起こすことで、大きな力を生み出していくもの。同質な者だけが集まっていたのでは異質な発想は生まれず、そんな組織は必ず停滞する。多様性の確保が必要。」多くの学びを得た。大阪維新の会をサポートする著者の活躍に期待が膨らむ。

  • TVでもよく見る辞職を迫られた改革派の方の本とのことで(若干期待して)手に取りました。確かに霞が関の現実は色々な体験談含めふんだんに描写されており「現実を知る」上では良い本だと思います。が、「だからどうすればよい」という話になると、解決案もいくつか書かれていますが現実性がありそうなものは見つけられず。そこが少し残念でした。だからこそ現状が数学の最終定理並に解決が難しいのでしょうが。

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著者プロフィール

1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部を卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。産業再生機構執行役員、経済産業政策課長、中小企業庁経営支援部長などを歴任。2008年、国家公務員制度改革推進本部事務局審議官に就任し、急進的な改革を次々と提議。09年末に経済産業省大臣官房付とされるも、11年4月には日本ではじめて東京電力の破綻処理策を提起した。その後、退職勧奨を受け同年9月に辞職。著書・メルマガを通じ活発に提言を続けている。『官邸の暴走』(KADOKAWA)、『日本を壊した霞が関の弱い人たち』(集英社)など著書の累計発行部数は100万部を超える。自身が企画・プロデュースし、本書が原案となったドキュメンタリー映画『妖怪の孫』が2023年3月に公開され、大きな話題を呼んだ。





「2023年 『分断と凋落の日本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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