Happy Box

著者 : 伊坂幸太郎 小路幸也 山本幸久 真梨幸子 中山智幸

• PHP研究所 (2012年3月8日発売)

感想・レビュー・書評

[peperoniさんの感想 · 2012年7月12日]

名前に「幸」の字を持つ作家を集め、「幸せ」をテーマにした競作アンソロジーを作ろうという企画から生まれた一冊。そうしたことからタイトルも「HAPPY BOX」となっている。この企画に興味を示し、応じてくれたのは個性豊かな5人の作家たち。よくぞ集めたりいえるメンバーばかりである。収録されているのは、伊坂幸太郎「Weather」、山本幸久「天使」、中山智幸「ふりだしにすすむ」、真梨幸子「ハッピーエンドの掟」、小路幸也「幸せな死神」の5作品。

各作家の個性がどれだけ発揮されるのか、あるいは統一のテーマをどう捉えて表現するのかが読みどころ。

その中で出色の出来だったのは、中山智幸さんの「ふりだしにすすむ」。言ってみればある種ＳＦ的な作品なのだけれど、ストーリーの意外性と予想を裏切る展開の連続にページを繰るのがとても楽しかった。

[ぺこさんの感想 · 2012年7月11日]

伊坂さんの短編を読み終えたところ。
読後にほっこり、ってのはかなり素敵です。

ひとつだけ、これはこの本にいれないほうがよかったのではないかという作品がありました……。
後味悪いったらありゃしない。

[housekeeperzさんの感想 · 2012年7月6日]

名前に「幸」の字のつく作家による「幸せ」をテーマにした短編集。同時期にでた「幸せのミステリー」と非常にかぶった感じがありますが、こっちはどうなのか・・・

作家ごとに感想・・・
「weather/伊坂幸太郎」
伊坂幸太郎らしい綺麗にまとまって読後感もよく、いかにも「幸せ」という感じの一編。もういっそこれだけでもいいんじゃないかなと乱暴なことを言ってみる。

「天使/山本幸久」
幸せ・・・ねえ。これはこれで幸せと言える・・・のかね。「この人にとっては幸せ」みたいな喪黒福造的なのはあんまり好みじゃありません。。。

「ふりだしにすすむ/中山智幸」
ちょっとSFっぽいテイストがあるんですが・・・「まあ・・うん」くらいのあまり感銘はうけなく終わってしまった。。

「ハッピーエンドの掟/真梨幸子」
「イヤミス」なんて言葉初めて知りましたが・・・言葉に恥じない嫌っぷり。なるほど、「幸せ」をテーマにしてるってことは別に幸せな話じゃなくてもいいわけだ・・・ｗ

「幸せな死神/小路幸也」
いつもの小路幸也。悪くはないけど終わった後に印象に薄い。

[ao-nekoさんの感想 · 2012年7月5日]

「幸」が名前に入った作家たちによる、「幸せ」がテーマのアンソロジー。装丁も穏やかな感じで、実際ほんわかとした幸せな気分になれる物語が多いのですが。
……ここに真梨幸子さんを入れちゃっていいのでしょうか（笑）。
いえいえ、私は真梨幸子さん好きだし。でもどんなの書かれたのかなあって思いつつ読みましたが。やっぱり真梨さんだ！　期待を裏切られることはありませんでした。幸せがテーマなのは間違いないけれど、やっぱりそこはかとなく邪悪。

[tomoyuuさんの感想 · 2012年6月30日]

伊坂幸太郎
山本幸久
中山智幸
真梨幸子
小路幸也

ペンネームに「幸」が付く人に「幸せ」というテーマで構成されたアンソロジー
伊坂さんしか知らなかったけど、伊坂さん目当てで読んでみた。
伊坂ファンを対象にしてるのかな？と思うくらい、どの作品も伊坂ワールドっぽかった（と思うのは私だけかもしれないけど・・・）ということで、満足した１冊でした。
ハッピーエンド？？ってなる話もあるけど、ハッピーエンドばかりが「幸せ」とは限らない。「幸せ」の感じ方って人それぞれで、いろんな形の「幸せ」があって当然。そこが児童書と違うところで、児童書漬けの私には新鮮で面白かった。

アンソロジーって知らない作家さんに出会えるのも楽しい。
山本幸久さんと小路幸也さんのほかの作品も読んでみたいな。

[hrtsgtさんの感想 · 2012年6月29日]

伊坂幸太郎目当てで読んでみた。

[ひ/みさんの感想 · 2012年6月24日]

掏摸師が、好きだ。
ここに収められている「幸せ」は、どれもさまざまに違った形をしているから、ひとからはそうとわかりにくいかもしれないけれど、それでも確かな幸せなんだな、と思った。

[しゅんぺい（笑）さんの感想 · 2012年6月21日]

「幸」の文字が名前につく作家に「幸せをテーマに小説を書いてください」と頼み込んでできた一冊。
これ、ほんまにハッピーエンドなのか？と最後まではらはらさせられたり、いろんな意味でおもしろい内容でした。
伊坂さんの作品が一番わかりやすくて、ストレートに感動できた。
ほかの作品はよくわからない部分、あっさりしすぎている部分もあり、ちょっと不完全燃焼…。
あと、小路さんの作品はありきたりだと思ってしまった。
だんだん、小説を読むのにも慣れてきた気がします。

[ossanotomeさんの感想 · 2012年6月20日]

伊坂さんと小路さんのが好き。小路さんの他の作品を読んでみたくなった。

[小春さんの感想 · 2012年6月18日]

2012 6/13

著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。