- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569807003
作品紹介・あらすじ
いま、アジアを舞台に新たな冷戦が始まろうとしている。冷戦の次の主役は中国。アメリカが世界唯一の超大国だった時代は終わりを告げたのである。露骨な膨張政策をとる中国をいかに封じ込めりか?2012年7月に露首相が国後島へ再上陸し、8月に韓国大統領が竹島に不法上陸、同月香港の活動家は尖閣諸島に強行上陸した-これら一連の出来事の背後にある大きな構図に目を向けよ。「人権・民主化」という大義の旗を明確に掲げよ。大中華圏なるものは、22世紀になっても現出しないのである。
感想・レビュー・書評
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米ソ冷戦の終結後、長らく「世界の警察」として君臨していたアメリカがその旗を降ろすと、膨張を続けてきた中国が世界の脅威となり始めた。2010年には中国の不法漁船が日本の海上保安庁の巡視船に衝突するという暴挙を起こしたが、その2年後の2012年7月にはロシアのメドベージェフ大統領が国後島に上陸して実効支配をアピールし、さらに8月には韓国の李明博大統領が竹島に不法上陸する。実はこれらは中国の工作によるものであり、中国が率いる包囲網が日本の国土を脅かしていると警鐘を鳴らすのは保守派の論客・中西氏。1972年に日中間で国交正常化が実現したが、その友好関係は40年後の2012年に終わったと確信、今後は日中冷戦の時代に突入すると断言。事なかれ主義によって国を奪われつつある日本政府に警鐘を鳴らし、朝貢を続ける学者やマスコミを危険視して、今こそ中国に反旗を翻す時であると訴える。
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レビュー省略
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2010年9月の尖閣周辺での「漁船衝突事件」以降、日中間の緊張が高まっている。日本という国の存続に関わる「危機の深刻」の連鎖が続き、米国も対中抑止へと戦略転換に舵を切っている。急速に成長する中国に対して、日本はこれまでどのように対応してきたか、そして今後どう対処していけばいいのか。歴史的考察を交え、中国の思惑や日本の取るべき姿勢を提示する。
第1章 米中新冷戦時代の幕開け
第2章 中国の意識はいまだに「宗主国」
第3章 日本「奪取」をはかる中国の対日戦略
第4章 間違いだらけの中国観
第5章 日中冷戦をどう生き抜くか -
冷戦とは、政治、軍事、イデオロギー、そして経済を含む総合的な国家(群)間の長期にわたる覇権争奪の総称であり、その大国間の恒常的対峙は実際の全面戦争を除く、あらゆる対立の形態を含むとともに、ときに応じて緊張の激化期とデタント(緊張緩和)期を交互に間を挟むもの。
現在の米中は冷戦状態。
日本人からすれば想像できないだろうが、中国ではロシアや北朝鮮以上に国策の中心に諜報活動がある。それが中国文明の本質とさえ言ってもいい。孫氏の時代から、政治とは諜略であり、諜報を伴わなければそれは政治ではない、というほどである。
なるほど、中国はそういうことなのか。。
恐ろしい国だ。
日本のメディアやらなんやらを懐柔して日本人をダメにしているのが中国。 -
事なかれの土下座外交から脱却し、人権・民主化という大義の旗を掲げて、中国の不法を国際社会に訴えるべし。
事なかれになっているのは、対中国だけじゃないと思いますけど、対日工作が巧妙なのですね。 -
■中国
A.● 日本には、尖閣以外にも「中国の脅威」が迫っている。
北海道や新潟の土地を買い漁ったり、大量の留学生を日本に送り込むなど、同国による「日本乗っ取り」戦略が進行している。
B.● 日中貿易の決済で「円と人民元の直接取引」が開始された。
これは「米ドル基軸通貨体制」、同盟国アメリカの国力の基盤を揺るがす行為であり、国家戦略上、支離滅裂な決定である。 -
政治だの外交だのに疎い素人目から見ても今の日中関係は危うく日本政府や外務省などのあり得ないほど異常な「配慮」に歯ぎしりしたくなること多々なのだが、その漠然と感じている空恐ろしさが、事実と歴史からわかりやすく解説されていた。常々ぼんやりと抱いている疑問を歯切れ良く解説してもらったと思う。
中国の民主運動家のノーベル平和賞受賞に際しノルウェーがとった態度を羨ましく思う。円と人民元の直接取引や日本の中国国債購入に関する合意が孕む問題点についてだんまりを決め込むマスコミ。餃子事件などすぐに忘れてしまう日本人。報道の自由を捨てた日中記者交換協定によりマスコミは報道しない。中国に限り無く甘く同盟国であるアメリカには限り無く厳しい。だから自分で努力して知るしかないのだ。何もかも国があってこそ。一刻も早いスパイ防止法制定を望みたい。 -
著者の言うような心構えというか、対策というか、警戒というか、そういったものは必要なんだろうけれど、どうしてここまで中国を悪く見られるのだろうか、という気がします。頭から「信用ならない国」としてしまっては善隣友好も何もあったものではないと思うのですが。
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タイムリーなタイトルではあるものの、根が深い問題であるということが、じっくりと説明されています。
著者プロフィール
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