- Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569815206
感想・レビュー・書評
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7名の知の巨人の話をまとめたもの
プロローグに以下のことが述べられています。これが結論?
・学問が細分化されているからこそ、全体像を把握する能力が求められている
・「知の体系」を身につけるためには、トップを走る人びとの「知」に触れることが最短距離である
上記をもとに、まとめただけで一貫性にかけているように思えました。
気になった言葉は次です。
・日本は本当にセカンドチャンスを与えない文化です。
・東アジアのバランス・オブ・パワーは中国の軍事費の急速な増加に伴い、すでにかなり変化しています。
・日本にあるのは「輸出主導の大企業」と「守られた中小企業」です。効率の悪いビジネス環境が温存されていて、これをいかに変えていくか。日本にとってのチャレンジと思います。
・日本が常任理事国入りを果たそうとすることはムダな努力であり、もっと有用なことにエネルギーを割くべきです。まずは、経済の立て直しに専念すべきです。
・わずかなあいだとはいえ、民主党が政権をとったことは自民党にとってよかったことです。
・知識と情報が経済を動かす駆動力であることを最初に発表したのは、ピーター・ドラッカーです。
構成は以下です。
プロローグ
第1章 その「選択」があなたの人生を変える シーナ・アイエンガー
第2章 共産中国の正統性が失われる日 フランシス・フクヤマ
第3章 国家の繁栄は「政治制度」がもたらす ダロン・アセモグル
第4章 製造業の常識を破壊する「メイカーズ革命」 クリス・アンダーソン
第5章 オリンピックで倍増する東京の魅力 リチャード・フロリダ
第6章 日本は「イノベーションのジレンマ」の最先進国だ クレイトン・クリステンセン
第7章 愛はクローン人間の悲しみを救えるか カズオ・イシグロ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
冒頭「われわれは広大な情報の海に漂う、一艘の小舟のような存在だ。」
末尾「とくに日本語の読み書きをやるとなると大変な苦労ですから。」
本書の前年に出版された『知の逆転』とどうしても比較してしまう。この本が悪いとは言わないけど、やっぱり『知の逆転』(吉成真由美)の方がインタビュー相手や各専門分野の理解が深く、鋭い質問が多かった気がする。
クレイトン・クリステンセンの『イノベーションのジレンマ』を読んでみたいと思ったし、最近流行りの「お手軽な
解決法」をありがたがる風潮への警句は大切だと思う。自分の頭で考えることが大切。
カズオ・イシグロはまだ『日の名残り』しか読めていないけど、『わたしを離さないで』を読まないと。
「情報が洪水のごとく襲いくる時代に、身につけるべき態度とは何か。それは自らの軸を曲げない意志の強さであり、必要とされるのは全体を把握する「知性」を手に入れることだ。」というのは大切な考え方だと思う。 -
知性の鋭さや有識者として話題性のある7人の著名人とのインタビュー形式で綴られている本です。
混沌とした時代を生き抜くために、私たちはどのような視点を持つべきなのか、、専門的で鳥瞰的な鋭い示唆でこれからを生き抜く叡智となる武器を提供してくれます。 -
すんごいメンバーにインタビューしてる割には、そんなに面白くない
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【由来】
・確か図書館の新書アラート
【期待したもの】
・「知の逆転」が結構面白かったので、似たような面白さを期待した。
【要約】
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【ノート】
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カズオ・イシグロ氏のノーベル賞受賞で、氏のインタビューが載っているというので購入。2013.11月発行だが氏の受賞にあわせ増刷されオビが氏の顔写真になっている。氏のは「わたしを離さないで」の発売の頃のインタビューだと思う。「文学界」2006年8月号に掲載の記事を加筆。
その他6人。 -
賢そうな人たちのインタビュー集
大野和基というジャーナリストがインタビュー
シーナ・アイエンガー:盲目の選択の科学著者
フランシス・フクヤマ:歴史の終わりで自由民主主義の優位性を主張
今の中国見て どう思うのだろう
ダロン・アセモグル:Inclusiveな国家は残り、exclusiveな国家は衰退する。
中国はどちらだ?
クリス・アンダーセン:WIRED元編集長。3DロボティクスCEO
リチャード・フロリダ:クリエイティブ・クラスである知識労働者が経済成長の推進力
クレイトン・クリステンセン:イノベーションのジレンマ
enpowering inovation が日本にない。プリウスは持続的イノベーションでゼロサム、efficiency innovationは日本が得意
カズオ・イシグロ:わたしを離さないで著者。この小説世界は子供時代のメタファー。運命を受け入れる小説を書きたかった。両親とは日本語で話すが、英語が母国語。 -
PHPの新書を久しぶりに読んだけど、物足りないと少し感じた。特にこの本は複数の著名人にインタビューしてる内容だから各々のインタビューは短くて余計に物足りなく感じた。全然知らない人ばかりだったけど、昔読んだ「FREE」の著者のインタビューもあって懐かしかった。最後に出てきたカズオ・イシグロ氏の本はすごく読んでみたいと思ったし、この本を読み終えたまさに翌日、カズオ・イシグロ氏がノーベル文学賞を受賞して超びっくりした。さらに読みたくなったし。そしてまさかこの本を読んでいて村上春樹の名前が出てくると思わなかった。また、インタビューされている人が全員外国人だったから、外国の有識者から見た日本の知見を知れておもしろかった。よもや世界的にはあまり相手にされていない的なことを言っている人もいてそりゃそうかとも思った。ノーベル文学賞も日本文学は日本語で書いている限り受賞は難しいとカズオ・イシグロ氏が言っていて確かにそうかもなって思った。
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経済、政治から文学まで、筆者の取材対象の幅広さに感服した。
各対談相手と前半部分では今日的な課題に対する議論をしているが、後半やより時間軸や対象範囲を広く取って、その人の生い立ちからくる人生観や、歴史的な観点から考えた今後の社会の方向性などについて議論をしているので、それぞれの対談について飽きることなく読むことができた。
それぞれの対談相手が非常に広範な議論をされる方々なので、もう少しページ数を割いて紹介してもよかったのではないかと感じるが、1冊の新書版としては非常に充実した内容であることは間違いないと思う。 -
「情報の氾濫」に対抗できるのは全体を把握できる「知性」。これは現代の知の最先端にいる7名へのインタビュー集。「選択の科学」のシーナ・アイエンガー氏。「ネオコン主義」のフランシス・フクヤマ氏。「国家はなぜ衰退するのか」のダロン・アセモグル氏。「ロングテール理論」のクリス・アンダーソ氏。「クリエイティブ・クラス」のリチャード・フロリダ氏。「イノベーションのジレンマ」のクレイトン・クリステンセン氏。「わたしを離さないで」のカズオ・イシグロ氏。
再読。。。その「選択」があなたの人生を変える。優柔不断、集団主義、責任回避の日本人は失敗を恥と考え、過度に恐れ過ぎる。リスクを取り、失敗を恐れない人からしかイノベーションは生まれない。日本人の意思決定法はまず話し合い、全員のコンセンサスを得てから実行する。しかし全員のコンセンサスを得られずなかなか決められない。(シーナ・アイエンガー)習近平の共産中国の正当性が失われる日がいずれ来る。(フランシス・フクヤマ)国家の繁栄は政治制度がもたらす。「収奪的」ではなく、「包括的」な政治制度が必要。(ダロン・アセモグル)製造業の常識を破壊する「メイカーズ革命」。3Dプリンタの威力。(クリス・アンダーソン)オリンピックで魅力倍増する東京の欠点はオープンさの欠如。(リチャード・フロリダ)全てのことを正しく実行すると、いずれ失敗する。日本は「イノベーションのジレンマ」の最先進国だ。「イノベーション・オブ・ライフ」で語られる人生の因果関係の理論。(クレイトン・クリステンセン)愛はクローン人間の悲しみを救えるか。私を離さないで。(カズオ・イシグロ)
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現代の各分野の第一線で活躍する知性7人へのインタビュー集。
2012年12月に発刊され、ベストセラーとなった『知の逆転』を意識して刊行されたものであることは間違いない。
取り上げられているインタビュイーは、『歴史の終わり』のフランシス・フクヤマ、『国家はなぜ衰退するのか』のダロン・アセモグル、NHK教育テレビ『コロンビア白熱教室』のシーナ・アイエンガーなどであるが、『知の逆転』に比して全体にビジネスに絡んだ内容が多い。
その中で、英国ブッカー賞作家のカズオ・イシグロが、ベストセラー『私を離さないで』で描きたかったテーマやそのために取った手法、「リアリズムの外側で書くことができる稀有な作家」という村上春樹に対する評価、5歳のときに離れた日本への思いなどを語っており、本書を類書から差別化している。
(2013年12月了) -
アイエンサー氏、選択の科学
カズオイシグロ氏の小説を読んでみたくなった -
文系寄りの学者や作家へのインタビュー集。無知な俺でも聞いたことがあるようなビッグネームが揃ってました。
最近の具体的な話題(日本の経済や中国、3Dプリンタなど)についてそれぞれの専門分野における持論を聞き出す形式で、分かりやすかったと思います。 -
分野は違う7人にインタビューしたもの。読んだことのない人達だったので、新鮮でした。シーナアイエンガー、クリスアンダーソン、クレイトンクリステンセンが特に。
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世界の気鋭の知識人7人のインタビューをまとめた一冊です。
プロローグには壮大なことが書いてありますが、「知性」を手に入れることができる本なのかはわかりません。各人のインタビューはさほど長くなく、トータルでも数時間あれば読める本なのですが、この本で学ぶ、というよりかは、インタビューされた各人の本を読んでみて、学ぶというのが正しいんだと思います。
その意味で、やはり読みたくなる本が増えたので、興味深い本だったといえるのではないかな、と思います。 -
「知の逆転」のような知識人との対談集。やはりクリスアンダーソンの話は面白い。クレイトンクリステンセンのイノベーションの話も刺激的であった。カズオイシグロ氏の小説も読んでみようと思う。201406
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「知の逆転」同様、現代における賢者たちのインタビュー。逆転よりも聞いたことがある人物が登場し、読みやすい。ただし、総じて難易度は高い。
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識者七人との対談。時流、軽量。
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現代の知性ともいえる7人のインタビュー集。情報過多の昨今で、一過性の事象に惑わされない知性に触れる契機となることを本書の目的としている。
7人がそれぞれ日本をどうみているかを知ることができ、その考察は独特で興味深い。
著者が多い分、内容は広く浅いが、それぞれの著者の思想にタッチする程度の気軽さが良い。著作も紹介されているので、気になる内容があれば、それを読むと良い。実際、この本を読むことで、読みたいと思える本がかなり増えた。
ダロン・アセモグル氏のインタビューでは、「銃・病原菌・鉄」の著者ジャレド・ダイヤモンドの説明では不十分とした内容があり、自説を展開していたが反対意見というより、むしろ相補的と思われる内容なので、解は一つではないと再認識させられる。
クレイトン・クリステンセンの3つのイノベーションの件は日本企業が陥っている状況を的確に捉えているように思えた。イノベーションを3つにシンプルに分類することで、会社の置かれている状況を客観的に評価できる。また、東京を控え目に「均質」と批判しているところは、自分も同感であり、自分の感性がアンバランスではないかもしれないと納得もした。
偏った知識の危うさ、均整のとれた知性が求められている現代を、これらのインタビューから感じ取ることができた。 -
この分量では物足りない。インタビュアーと編集者の力量が問われている。識者のコアとなるコンセプトは示唆的ではあった。
二種類の経済
いま抹消的なものは将来コアに。その逆も
未来をアウトソーシングしてはいけない