書店員と二つの罪

著者 :
  • PHP研究所
3.34
  • (19)
  • (75)
  • (129)
  • (16)
  • (7)
本棚登録 : 803
感想 : 91
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569848600

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 1997年、神戸連続児童殺傷事件がモチーフになってるいのだろうと読み始めてすぐに気付く。
    あの事件のニュースの衝撃は今でも忘れられない。
    そして現実でも犯人は本を出版している。

    フィクションが好きな私としては、現実の事件に似すぎているので、純粋にフィクションとして楽しめなかった。

    ただ私も書店員として働いているので、本屋の葛藤みたいなものはなんとなく理解できる。

    最後の終わり方は意見が分かれるところだろう。
    個人的には納得できなかった。

  • 書店員の椎野正和は、ある朝届いた積荷の中に、少年犯罪者の告白本があるのを知って驚く。それは、女子中学生が惨殺され、通っている中学に放置された事件で、正和の同級生の友人が起こしたものだった。しかも正和は、犯人の共犯と疑われてしまい、無実が証明された後も、いわれなき中傷を受けたことがあったのだ。書店業界が「売るべきか売らないべきか」と騒然とする中、その本を読んだ正和は、ある違和感を覚えるのだが……。
    出版・書店業界の裏事情を巧みに盛り込んだ、著者渾身の長編小説。
    14年前の殺人犯が出した告白本。そこに記された「嘘」と「秘密」とは…。ベストセラー「書店ガール」シリーズの著者による、書店員を主人公とした、「良心の重み」を問う慟哭のミステリー。

  • 面白くて一気に読んでしまった。
    昔あった神戸の事件を連想させる。あの事件も確か猟奇的でまだ子供だった犯人は後に告白本を書いたはず。
    その事件が題材というか、ネタなのかな。
    物語の向かう先は予想していた方向にいくんだけど、なるほどそーゆーことかと唸ってしまった。
    母の気持ちが一番、理解できる気がする。
    東京に逃げた正和を責める気にはならないけど、ある種の正義を振りかざさなければ、済んだことのような気もする。
    でもそれがあったからこその物語の真実。
    うまい!

  • 2023.12.13

  • つまらなくはないし続きが気になってすぐに読み終わってしまったけど最終的にイマイチ

  • 2023.7.1

  • 書店員さんが出てくる作品てどれも本への愛と、仕事として本を扱わないといけないことの葛藤が描かれていて、ほんとに大変そうだなと思う。この作品の本題はそこではないんだろうと思うけど、やっぱりそこが気になった。親の愛は、世界の正義なんて関係なく子どもを守る。エゴとも言えるんだろうけど。

  • 途中まではわりと面白かったが、犯人や動機がわかっていくにつれて面白さが失速した
    主人公の母親の言い分もひとりよがりな気がした

  • リアルに起こった事件を思い出させる内容で、私は当時のことを年齢的にもあまり詳細に覚えていないのでそこまで嫌悪を抱かなかったけれど、苦しい人もいるだろうなとは思った。

    ------------------------------------

    書店員の椎野正和は、ある朝届いた積荷の中に、少年犯罪者の告白本があるのを知って驚く。それは、女子中学生が惨殺され、通っている中学に放置された事件で、正和の同級生の友人が起こしたものだった。しかも正和は、犯人の共犯と疑われてしまい、無実が証明された後も、いわれなき中傷を受けたことがあったのだ。書店業界が「売るべきか売らないべきか」と騒然とする中、その本を読んだ正和は、ある違和感を覚えるのだが……。

  • 「本を、読者をなめるな」
    書店員、椎野正和が発する言葉に胸が熱くなる。

    きっかけは、いつも通り開けたダンボール。
    目に飛び込んで来たのは自分が深く関わった17年前の猟奇殺人事件の告白本だった。

    告白本の内容に違和感を感じ真相を追い求めながら、正和は書店員としての自身の在り方を見つめ直して行く。

    早い段階で黒幕の正体に気付くがそれよりも人間の心の奥に潜む闇にスポットが当てられ本当の正義と真の贖罪について考えさせられる。

    ただ、実在の事件モチーフに矛盾を感じ作者の言わんとするメッセージ性が薄まってしまった1点だけが残念。

全91件中 61 - 70件を表示

著者プロフィール

愛知県生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。フリーライター、出版社勤務を経て、2006年『辞めない理由』で作家デビュー。大人気シリーズ作品「書店ガール」は2014年度の静岡書店大賞「映像化したい文庫部門」を受賞し、翌年「戦う!書店ガール」としてテレビドラマ化され、2016年度吉川英治文庫賞にもノミネートされた。他の著作に「銀盤のトレース」シリーズ、「菜の花食堂のささやかな事件簿」シリーズ、『スケートボーイズ』『1939年のアロハシャツ』『書店員と二つの罪』『駒子さんは出世なんてしたくなかった』『跳べ、栄光のクワド』などがある。

碧野圭の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×