本音で対論! いまどきの「ドイツ」と「日本」

  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569849898

作品紹介・あらすじ

残業なし、大学費は無料、大の議論好き、無借金国…似て非なる国の日本とドイツ。サスティナブルな日本社会をつくるために今できること。

感想・レビュー・書評

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  • やっぱり行きたくなる国

  • 第1章 日本とドイツ―それぞれの出会い
    第2章 日独の働き方を考える―ドイツ人ノー残業伝説は事実なのか?
    第3章 教育を考える―議論スキルを阻害するものは何か?
    第4章 社会保障を考える―人は何を頼りに生きるのか?
    第5章 家族のあり方を考える―幸福の起点には何が必要か?
    第6章 政治のあり方を考える―「非リア充の時代」が来るのか?
    第7章 持続可能な社会に向けて―意地&見栄で加速してもいいじゃないか!

  • フォルクスワーゲンの前身は、ヒトラーによる国有企業だったというのは本書で初めて知りました。

    お三方の知識の深さや頭の回転の早さに驚き。
    当たり前ですけど、池上彰さんは特にさすがでした。「カナン」と聞いて「聖書に出てくる約束の地」ってすぐに解説出来ます?!その割に雑誌VERYの内容に笑ってしまうあたりがチャーミングで(笑)。
    内容的にドイツや欧州賛美にならないよう気を配っている内容ではありましたが、やはり、フィンランドやドイツでは教育の目標として、全ての子どもに教育を与え、収入を得られる仕事につき、税金を納めてくれるような人材を育てるというところが明確であると述べられていました。
    また続編の本が出たら読みたいです。

  • 「職業:ドイツ人」(引っかかるがちゃんと冒頭で解説してくれている)のマライ・メントラインさん、おなじみ池上彰氏と増田さんによる対談形式。初版が昨年の9月だからまぁまぁ情報は新しい。

    マライさんの事は今回初耳だったけど、会話の端々から知性や有能さが滲み出ている…二度の日本留学に加え、15年の在日歴でも「毀誉褒貶(きよほうへん)」って言葉が出てくるか?
    自分が対談の場にいたらドイツの話よりも先に、彼女について色々聞き出そうとするかも笑(他のお二方の手前、聞かずじまいになるのがオチなんだろうけど…)

    ドイツ国内の土地柄から対談は始まる。各地方を日本の地方に当てはめ、特に「同じドイツ語圏のウィーンは京都に似通っている」ってくだりは、行ったことすらないのに納得できた。その感覚がまた刺激的で面白い!
    池上氏は相変わらず会話が解説になっていた笑

    全章要約したいけど自分の技量では…(以下略)恒例の、特に気になった箇所だけ抜粋↓
    【労働】
    バカンス好きとかノー残業のイメージは前からあったけど、仮に残業したら別の日から残業した時間分を差し引く「時間バンク」って制度まで備わっている。ノー残業然り、そうやって長所ばかりに目が行っちゃうんだよなー笑 でも「日本は全然なってない」とか言って優劣付けちゃうのは違う気がする。
    あちらはあちらで即戦力第一主義だったりと、就活面はなかなかに厳しそうだし。

    【教育】
    「(日本の学生は)出来合いの正解を求めている」マライさん…手厳しいけど的を得ています。テスト形式一つを取ってもそう。マークシート形式が一般的な日本で論述問題を出そうものなら、「採点基準は先生の主観だ」といちゃもんを付けられる。今まで意識してこなかったけど、「平等/公平」へのこだわりはここにも表れていたのかと。
    平等を唱えているわりに、教育格差が出ちゃうプロセスもまた嫌らしい。

    【政治】
    わが国の首相が短期間で変わる理由について、以前別の本の著者が「彼らも日本人でシャイだから、顔を覚えられる前に辞めたがるんだ」ってジョークを飛ばしていたのを何故か思い出した。実際、戦後-昨年9月時点でドイツでは8名が首相を務められたが、対して日本は34名。
    ドイツでは周辺国からも支持されるから長期政権化し易い。日本側だって勿論シャイな訳じゃないけど、世襲制に近いから変な義務感に囚われて長続きしないのかなと思えてくる。


    …読後はまぁまぁ息切れ状態。
    この世の諸問題を一身に浴びたみたいなのもあるけど、途中何度も立ち止まって考えていた。それだけ思うところがあったり、或いは曖昧にしたまま生きてきたんだと痛感したり。
    同時に「隣の芝生は青い」と言いますか、お国事情が違う他国を引き合いに出す思考にも陥りがちだったのかと。

    何が正しいのかをまずは自分の頭で考えアウトプット出来るようになっておかねば…と言うのが、何もかもが主体的な御三方を見て導き出した答えである。

  • ドイツ人と日本人、結果は似ていても、根拠やプロセスがまるで違う。

  • ドイツのことがとても良く分かる本。
    知っていたつもりが改めて理解させられた内容であった。マライ・メントラインの日本語能力、コメント力は凄い。池上彰氏の知識量はさすがだ。

  • 日本とドイツの比較論。比較することによって、日本に足りないところ、伸ばすべきところが見えてくる。

    一つ、大きくドイツを見習うべきことは「論理立てて説明する」「筋を通す」ということを非常に大事にしている、ということかと思う。日本に住んでいると、こういったことが足りずに不満がたまっていくのを実感する。

    日本をよくしていくために、また、ドイツを知るために非常に示唆に富む一冊。

  • マライ・メントラインさんの記事を気になったので、数少ない著作の一つとして手にとって見た。

    日本とドイツの違いについて、エネルギー、SDGs、家族、政治、バカンス、仕事、教育などの観点で鼎談。


    ドイツでは残業がほぼゼロで、休暇も1ヶ月以上連続で休むのが普通だそう。うらやましいと思った。。

  • 御三方は、テレビでお馴染みの方でとても楽しく読み進められました。比較しながら、ドイツと日本のことを考えられ、ドイツという国をもっと知りたくなりました。

  • ドイツで数年生活していたので
    かなり興味深く読みました。
    ドイツ人が毎年楽しみにしている  
    シュパーゲル(白アスパラ)の収穫労働の
    実体であったり、
    電力プランの出どころをきちんと知った上で
    家庭の契約プランを考えているとか、
    ベジタリアン/ビーガンが浸透していった
    裏側など。

    日本でドイツは称賛されがちだけど
    こうやってドイツ人が1人入った
    対談形式にすることで、
    実体がわかったり、どんな風に物事を
    みているのかなど、どんな話題で
    あっても面白くよめた!
    知ることは楽しい。



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著者プロフィール

池上彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京工業大学特命教授を務め、現在9つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』『「見えざる手」が経済を動かす』『お金で世界が見えてくる』『池上彰と現代の名著を読む』(以上、筑摩書房)、『世界を変えた10冊の本』『池上彰の「世界そこからですか!?」』(以上、文藝春秋)ほか、多数。

「2023年 『世界を動かした名演説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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