矜持(きょうじ)警察小説傑作選 (PHP文芸文庫)

  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569901008

作品紹介・あらすじ

犯人も割れ、自白も取れた傷害事件に、独り納得できない新人刑事の安積は……「熾火」(今野敏)
タクシー強盗事件に隠された意外な真相とは。「帰り道は遠かった」(黒川博行)
新宿署の鮫島と、殺人事件の重要な情報を寄せてきた中国人美女の思惑が交錯する「水仙」(大沢在昌)など、確固たる信念で事件に挑む警察官の姿を描いた六篇を収録。
警察小説の旗手たちの人気シリーズの中から選んだ名作を収録した豪華アンソロジー。
文庫オリジナル。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。
    解説によると、割と読みやすい作品を集めたようなので、私には丁度良かった。
    まあ現在では問題になる、女性の容姿の美醜についての描写があるのは、そういう年代の男性作家さん達の、以前の作品だから仕方ないか…。

    沢山読んでいる今野敏さん以外の方々の、本作が収録されている、それぞれのシリーズ作品を読みたくなってしまった。
    (なってしまったと言うのは、いざ取り掛かってしまったとしたら、シリーズの冊数が多くて大変だから)

  • 西上心太・編『矜持 警察小説傑作選』PHP文芸文庫。

    警察小説アンソロジー。6編収録の文庫オリジナル。いずれも警察としての『矜持』を示す男たちを描いた短編ばかり。惜しむらくは、かなり古い短編ばかりがセレクトされている点。警察短編小説の王道と言える短編を集めており、安定感はあるのだが、もう少し新進気鋭の作家の短編にもチャレンジしてもらいたかった。大沢在昌『水仙』は何度読んでも良いくらいの傑作。

    今野敏『熾火』。既読。安積シリーズの短編。安積が新人刑事の頃の事件。高校生による半グレの傷害事件。自白もあり、送致するだけの事件に待ったをかける安積。事件の裏には……安積の実直さが窺える。

    佐々木譲『遺恨』。既読。道警シリーズの短編。牧場主が殺害され、中国人研修生3人が行方をくらます。川久保巡査は独自に事件の真相を追うが……川久保の推理が光る。

    黒川博行『帰り道は遠かった』。既読。仕事熱心で不真面目な刑事、黒マメコンビが活躍する初期短編。タクシー強盗事件に隠された意外な真相とは……

    安東能明『死の初速』。元物理の高校教師の変わり種刑事、神村五郎シリーズの短編。信用金庫に勤める男がマンションから投身自殺を遂げる。現場の状況に違和感を覚えた神村は……余りに手を掛け過ぎた造ったようなトリック。

    逢坂剛『悩み多き人生』。御茶ノ水警察署シリーズの短編。古書店で店主に因縁を付けたヤクザが何者かに襲われ、ボロボロにされる。意外な犯人の正体……

    大沢在昌『水仙』。既読。新宿鮫シリーズの短編。新宿署の鮫島の胸のすくような行動。鮫島に殺人事件の重要な情報を寄せてきた中国人美女の思惑……

    本体価格780円
    ★★★★

  • 警察小説のお馴染みの作家さんの短篇集。
    短くてもギュッと面白い。当然といえば当然ですね。
    でも
    安東能明さんだけ読んだ事がなかったので、今度「オススメ」を読んでみようと思う。

  • 警察小説のベテラン作家で固めたアンソロジー。
    収録作は、組織的で地道な捜査の醍醐味というより、作者の人気シリーズキャラクターの活躍する個人・コンビで楽しませる内容で彩られる。
    なんせ、今野敏の安積で始まり、大沢在昌の鮫島で終わるという警察小説ではメジャー級キャラクター作品だし。
    何れも熟れた書き手による作品は安定の面白さ。

  • 【収録作品】「熾火」 今野敏/「遺恨」 佐々木譲/「帰り道は遠かった」 黒川博行/「死の初速」 安東能明/「悩み多き人生」 逢坂剛/「水仙」 大沢在昌

    いずれもシリーズものの一作。知っているとより楽しい感じ。
    「熾火」安積もの。安積が初めて刑事課に配属されたときの話。
    「遺恨」道警スキャンダルの余波で地方の駐在所へ異動させられた川久保篤巡査部長もの。
    「帰り道は…」黒マメコンビもの。
    「死の初速」元高校物理教師の神村五郎もの。
    「悩み多き人生」斉木と梢田もの。
    「水仙」鮫島もの。

  • 好きな作家が多く出ているアンソロジーだっだので読んでみた。過去、各作家の短編集に収録されている作品のようで、なんとなく読んだことがあるような作品もあったが、割と新鮮に読めた。ただ、警察小説は短編では物足りないような気がするのは、なぜだろう。スケール感にも限界があり、馴染みのある主人公が出ているものはともかく、やはり人物を描いていくと短編では無理があり深く入り込めないということだろうか。

  • 初見の作家もいて楽しめた。個人的には若かりし頃の安積を描いたものと斉木・梢田コンビの2作がより面白かったかな。

  • 警察小説に興味があり何を呼んだらいいだろうかという人にお勧め。短編だが著者毎の代表シリーズの中から予備知識無くても読める短編が集められている。新境地の開拓にもなった。

  • 犯人も割れ、自白も取れた傷害事件に、独り納得できない新人刑事の安積は……「熾火」(今野敏)
    タクシー強盗事件に隠された意外な真相とは。「帰り道は遠かった」(黒川博行)
    新宿署の鮫島と、殺人事件の重要な情報を寄せてきた中国人美女の思惑が交錯する「水仙」(大沢在昌)など、確固たる信念で事件に挑む警察官の姿を描いた六篇を収録。
    警察小説の旗手たちの人気シリーズの中から選んだ名作を収録した豪華アンソロジー。
    文庫オリジナル。

    どの短編もあいにく読んだことがないものばかりだったので、かえってラッキーであった。佐々木譲作品が一番読み応えあり。初出の短編集も探してみよう。

  • 著名な警察小説家のアンソロジーでしたが、それぞれの話はレベル以上でしたが、やはり短編の限界を感じました。安東さんの物は初めて読みましたが、他も読んでみようかと思います。このように利用するのかな?

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著者プロフィール

1956年愛知県名古屋市生まれ。慶応義塾大学中退。1979年に小説推理新人賞を「感傷の街角」で受賞しデビュー。1986年「深夜曲馬団」で日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞、1991年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編部門受賞。1994年には『無間人形 新宿鮫IV』直木賞を受賞した。2001年『心では重すぎる』で日本冒険小説協会大賞、2002年『闇先案内人』で日本冒険小説協会大賞を連続受賞。2004年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞受賞。2010年には日本ミステリー文学大賞受賞。2014年『海と月の迷路』で吉川英治文学賞を受賞、2022年には紫綬褒章を受章した。


「2023年 『悪魔には悪魔を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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