- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569901046
作品紹介・あらすじ
植物は当たり前のように私たちの身の周りにありますが、けっして何気なく生えているわけではありません。
植物の生態は、私たちが思っているよりもはるかに不思議で、謎に満ちています。
本書は、そんな植物のミステリーに迫ろうという一冊。
◎花占いの必勝法
◎ちょうちょうはなぜ、菜の葉にとまるのか?
◎水戸黄門の印籠はフタバアオイ
◎紅葉はなぜ赤くなる?
◎大根足はほめ言葉!?
◎植物の血液型は?
◎赤ちょうちんは熟した果実!?
◎泥棒の風呂敷は唐草模様
◎法隆寺の柱は生きている?
など、そういえばなぜだろう……と、
思わず答えを探らずにはいられないトピックが満載。
さあ、私たちも、植物学の扉を開けて、不思議に満ちた植物の世界をのぞき見て
みることにしましょう。
「面白くて眠れなくなるシリーズ」から、人気のテーマ「植物学」を文庫化。
文庫版でしか読めない「ウイルスとともに生きる」を特別収録。
感想・レビュー・書評
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とても面白くて一気読みしました。長年の疑問も解決でき、分かりやすく植物の秘密の深奥を教えてくれます。
あの「ねるねるねるね」という色の変わるお菓子にはアントシアニンが使われています。酸性かアルカリ性かで色を変えていくもので、朝顔やあじさい、紫キャベツなんかにあることは知ってました。それが紅葉のときに作られたり、さつまいもの紫色であるのには驚きました。紫外線を防ぐこと、抗菌作用があるのだそうです。
また、植物はなんで自分で受粉しないで、わざわざ虫なんかを使うのかということについてなぜだろうと思っていました。それは同じ種類でも、寒さに強いものや逆に暑さに強いもの、暖かいと発芽するものや少し寒いくらいで発芽するものなど、万一災害が起きたとかのための多様性を維持しているとのことでした。その点で自家受精している西洋タンポポが日本タンポポを圧倒しているわけではないことがわかりました。あと、アブより蜂の方が大分賢いのですね(*´・ω・`)b
逆に私たちの食べる栽培植物は特長がバラバラでは困るので品種改良して同じ特長のものを揃えている。いや、スッキリしました。
他にもシダ→大木のような植物→草、草の方が進化していることや、花の色ごとの虫の好みなど、面白い話がノンストップで展開されていました。
「眠れなくなる数学」で爆睡の憂き目をみた私も充実の読書ができました。
稲垣栄洋さん、もっと読んでいきたいと思います。
知的好奇心を満たしてくれて⭐5でした。
( ≧∀≦)ノ
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植物学のトピックがまとめられている。著者の稲垣先生の植物学の説明はわかりやすくて面白いことに定評があり、本書もその例に漏れずわかりやすくて面白い内容になっている。
「おわりに」でも語られているとおり植物学を学んでも直接役に立つことは少ないが、植物は食事や生活でヒトと密接な関わりがあるため、短期的には役に立たないかもしれないが長期的に見て役に立つ可能性のある知恵や学びを得られると思う。
楽しく読める。身構えることなく読める。サクサクとスピーディに読める。息抜きにちょうど良い一冊である。
私が特に印象に残ったのは以下の4点。
p.52 被子植物と裸子植物の受精時間の長短の違い。
p.60 リンゴとイチゴの分類上の共通点とその特徴。
p.82 カフェインの本来の目的と人体への影響。
p.125 マメ科植物が痩せた土地でも育つ理由。 -
鍋が登場してくるこの季節、この本のおかげで大根と人参をじっくり見て、習ったばかりの形成層を探したくなります。植物のちょっと専門的な雑学を手に入れられる本です。
途中、どうして?どういうこと?と詳しく知りたくなる箇所もあり、植物学の入り口にぴったりです。 -
面白かった! ちょっと難しいところもあったけど、なるほど〜と思わず声を上げて感心してしまうこともたくさんあった。
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題名通り、普段何気なく目にするあらゆる植物の知識が面白く学べる。野菜や果物(この違いも定義が様々あるよう)など、身近なものをたくさん取り上げていて、植物学というものに興味を持つ入口になる。
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へー、そうだったんだって発見ばかり!
わかりやすく書いてある! -
タイトルから少し侮っていたが、なかなか面白かった。果物と野菜の違いとか、木から草が進化したとか、ネコジャラシはより光合成を効率的に行えるように進化した植物であるとか、身近な植物についての知らない面が知れた。
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NDC分類 470.4
植物は当たり前のように私たちの身の周りにありますが、けっして何気なく生えているわけではありません。
植物の生態は、私たちが思っているよりもはるかに不思議で、謎に満ちています。
本書は、そんな植物のミステリーに迫ろうという一冊。
1 すごい植物のはなし
(ウイルスとともに生きる;木はどこまで大きくなれるのか?;植物のダ・ヴィンチ・コード ほか)
2 面白くて眠れなくなる植物学
(芽が出ない…;竹は木か草か?;ニンジンの上手な描き方 ほか)
3 読み出したらとまらない植物のはなし
(赤ちょうちんは熟した果実!?;草原の物語;台所の植物学 ほか)
著者等紹介
稲垣栄洋[イナガキヒデヒロ]
1968年静岡県生まれ。静岡大学農学部教授。農学博士、植物学者。農林水産省、静岡県農林技術研究所等を経て、現職。著書多数 -
中高の理科で結論だけ習った事のタネ明かしを見ているかのような、知識がどんどん結びついていくかのような良書。
何度も読み返して想像を広げたい一冊。植物学をもっと知りたくなる。
オーディブルで聞いたが、読み上げの人も良かったし、さらに紙の本も買いたい。