ヤッさん

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 457
感想 : 90
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  • Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575236750

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  • 銀座を拠点に、料理人と仲買人の間を取り持つホームレスのヤッさん。と、その弟子で新人ホームレスのタカオ。2人の日常というより、タカオの成長録といった感じ。ヤス&タカのコンビも、そして2人を取り巻く人々も良い面々でおもしろい。料理って、食材って深いんだなぁと勉強にもなる。そしてお腹も空く(笑)
    2人がホームレスだからこそここまでおもしろい世界を描けたんだと思うけど、国民の義務を果たしていないのに矜持云々と言われても…と、そこは腑に落ちなかった。フィクションだけどモヤモヤ。

  • ホームレスながら超一級の舌を持つ食通で、築地市場と銀座の高級料理店の仲介人として名を馳せるヤッさん。そんな彼の姿に魅せられ弟子入りしたタカ。二人の姿を描く連作短編集。ヤッさんの筋を通した考え方が何とも格好良い。痛快な作品。

  • 「そんなつまんねぇ身の上話なんか、二度とするんじゃねぇ!」。ヤッさんはホームレス。そして僕の師匠。困って相談に来る人たちをつっけんどんな言い方で突き放すも、裏ではこっそり助けたり、背中を押してくれます。これぞ粋なお節介!人情とはこういうものだ!。どーんと東京のど真ん中を舞台に繰り広げられる眩しい物語。
     小説ですけれど、ヤッさんが教えてくれる「矜持」はホームレスだけでなく全ての人間に当てはまるものだと思います。素敵!おススメです。

  • おもしろい。築地のこともわかる。いい人がたくさん出てくる。

  • 主人公は、ホームレス。
    ・・・って最初から固定観念をもってしまうと、なんだかもったいない本だと思う。
    あらゆる職業や身分・立場に貴賎はない、と言いつつも、現実はそうじゃないよね。人は、外側に纏ったものでしか、人の価値を判断できないのかもしれない。
     人を支えるのは、矜持(誇り)。
     人を形づくるのは、身の上話じゃない。
    本のテイストは軽い感じだけれど、いろんなことを考えさせられた一冊。

  • ホームレスだが自信と誇りそして信頼を集めているヤッさんとその弟子になったタカはさまざまな出来事や事件に関わりそれを解決に導いていく。

  • 家も定職もないし税金も払ってない。でもギブ・アンド・テイクとホームレスの矜持を守って,誇り高く生きているヤッさん。人情味あふれるお話で,心があったかくなりました。

  • <内容>職も住まいも失ったタカオは、強烈なキャラを持つ謎のホームレス、ヤスと出会う。ヤスは築地市場と高級飲食店の間で生きた情報を運び、代わりに食料を得ていた。タカオは行動を共にし、徐々にヤスの魅力と過去に気づいていく。ユーモア満点の痛快連作短編集。

  • 市場と料理人のコーディネートをして報酬(賄食)を得て、生活してるホームレスのお話。
    健康な身体とコミュニケーション能力があったら、生きていけるんだなぁ。
    なにげに買ったら、トイレのポツポツの作者と一緒だった。

  • 今はもうこんな筋が通った大人はいないかも。
    と思わず唸ってしまうぐらい格好いい「やっさん」。
    ホームレスとしての生きざまを貫き通しています。

    現実にこんな人がいるかは置いといて、
    一話一話に勢いがあって読みやすい。

    『佳代のキッチン』よりも痛快で好きです。

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著者プロフィール

1954年、長野県生まれ。早稲田大学卒。97年に作家デビュー。2007年『床下仙人』が第1回啓文堂書店おすすめ文庫大賞に選ばれるなどベストセラーに。他の著書に「佳代のキッチン」シリーズ、『天下り酒場』『ダイナマイト・ツアーズ』『東京箱庭鉄道』『ねじれびと』(以上、祥伝社文庫)、「ヤッさん」シリーズなど多数。最新作は『間借り鮨まさよ』。

「2023年 『うたかた姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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