死刑すべからく廃すべし: 114人の死刑囚の記録を残した明治の教誨師・田中一雄

著者 :
  • 平凡社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582824964

作品紹介・あらすじ

明治時代のある教誨師が書いた死刑囚の記録が発見された。その手記には死刑に抗する文言が切々と綴られていた。死刑存否が改めて注目を集めるいま必読の歴史ノンフィクション!

感想・レビュー・書評

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  • 「教誨すれば反省し悔悟し生き直す機会があるはずだ」と加害者に寄り添う田中。中でも「色情による犯罪は教誨すれば必ず改心者となるから死刑は不要」という自信と信念。死刑不用の視点で書かれているから仕方ないが、被害者の視点がまったくないのは疑問。大逆事件の死刑囚に口を閉ざすのも?

  • 貴重なお話だ。教誨師の遺した記録を掘り起こしたもの。法律もきちんと整っていなかった時代、冤罪も多くあっただろう時代に、死刑囚に向き合った宗教家がいた。国家による、いわば理不尽な死を、なるべく受け入れて、心穏やかに最後を迎えられるようにと、心を尽くしてくれたことは救いだ。読み続けるのは辛くて、離脱。教育も受けられず、底辺生活しかできなかった者が、無知ゆえに死刑判決を受けるというのは、読むに耐えない。大逆事件もまた、世紀の冤罪事件として、心に残った。

  • これは何を書いても方向性を示唆しそうなんだけど、殺人もしくは皇族をって人達に対して「人が人を罰するのは違うっす」って事なんだろうけど、ここで「動機の種類」と「更生出来る余地があるか」「再犯の責任の所在」と「冤罪の可能性」はレイヤーを分けなきゃいけないしとか考えるとややこしくはなるよね…

    ただ、読みながら思ったのは全然別世界の話で「もし、【目の前の人を消したら自分も消えるボタン】があったらこういう葛藤も無くなるんだろうなぁ」みたいな不思議思考にはなった

  • 明治時代の教誨師が残した手記。死刑制度について興味があるので手に取りました。ウウム。

  • 死刑囚への教誨師として明治時代に
    114人の死刑囚の記録を残した田中一雄
    どのような人間にも心改まることは可能なので
    死刑は人道的に反対
    ましてや絞首刑なんて
    内容はいいけど
    文章が読みにくい

  • 東2法経図・6F開架:326.4A/Ta84s//K

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著者プロフィール

1941年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。朝日新聞記者を経て、現在ノンフィクションライター。著書に『ドキュメント・昭和天皇〈全8巻〉』(緑風出版)、『合祀はいやです。』『生と死の肖像』(以上、樹花舎)、『反忠神坂哲の72万字』(一葉社)、『ドキュメント憲法を獲得する人びと』(岩波書店・第8回平和・協同ジャーナリスト基金賞受賞)、『日の丸・君が代の戦後史』『靖国の戦後史』『憲法九条の戦後史』(以上、岩波新書)、『蟻食いを噛み殺したまま死んだ蟻──抵抗の思想と肖像』(佐高信との共著、七つ森書館)他多数。

「2009年 『これに増す悲しきことの何かあらん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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