- Amazon.co.jp ・本 (183ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582835649
作品紹介・あらすじ
両親を失くし、お祖父さんと暮らす孤独な少女が、不思議の森で遭遇したカラスたちの教え「いのちの地動説」とは?新しい生命論で知られる科学者が、大震災後、鎮魂と、子供たちと日本の未来への祈りを込めて書き上げた哲学物語。
感想・レビュー・書評
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少女と『コペルニクスの鏡』を作る(再生する)カラス達との物語を通して、人間が幸せにいきていくとはどういうことかを考えさせる。
物語のほうはぴんと来なかったけれど、途中に出てくる詩や、物語後のあとがきを読んで、少し理解することができた。
311、から五年、日本や世界を見ていると、とり返しのつかないところまで来ているのではないかと思ってしまうが、自分と家族から「いのち」の与贈循環ができるようになりたい、と思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
うーん……。後書きの詩は沁みたけど、本文は説教臭くて、ついついツッコミ心が出てしまう。科学的根拠以前に、なぜカラスがしゃべるんだ。
序盤で描かれるコッピーちゃんの内面的豊かさや、それをはぐくんだであろうおじいちゃんの影が薄いことが、個人的には非常に残念。なんかもったいないじゃない。 -
この本に書いてあるように、文明のコペルニクス的転回が起こって、「<いのち>の居場所」という新しい「宇宙空間」の存在が明らかになり、そこがこれからの重要な活動領域になっていくといいな。
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この本は震災後に書かれた「いのち」を考える物語である。
昨年の2011年3月11日に起きた大震災。
あらゆることが激変した。
地震や津波で亡くなった人達。
制御不能となった原子力発電所。
大切な故郷、家族、友人、愛する人達を失った人達。
生き残り助け合う人達。
つらい状況の人達を想像して、罪悪感のような気持ちにもなりながら、自分もがんばって生きていくしかないという気持ちになり、日々暮らした。
約1年半後にこの本を読んだ。
図書館の中高生向けコーナーに置いてあったところ、表紙に惹きつけられ手にした。
「いのち」とは。
いのちは、与えられ、生き、与えることで全うしていくんだ。
私はそう思った。
亡くなっていった魂の想い、これから生まれてくる魂の想い、
そういういろいろなものを背負って、今私達は生きているんだと思う。
いじめをしている場合じゃない。
死にたいって思わせることなんかしちゃだめだ。
どんな理由があろうとも。
自分の力はちっぽけだけど。
いのちを大切にする社会になってほしい。
私も少しずつがんばりたい。 -
祖父と二人で暮らす女の子コッピーは、不思議なカラスたちに導かれ、不思議の森へ入っていく。コッペル先生・カァ子姉さん・カァ介の三羽のカラスたちが、「イノチ」「イキル」という事について、コッピーに教えてくれる。
哲学者の作者が、3・11に出会った子どもたちに生きる希望を持ち続けてほしいと「イキル」という事を中・高校生でもわかりやすく書こうと考え、物語にして書いた。
伝えたいことが、哲学的な「生」というテーマなので、難しくなりがちだが、なんとなくわかってきたように思える。そして、キリスト教的な生ではなく、日本人になじみやすい仏教的な考え方に沿っているところが、翻訳ものでない強みだと思う。
★4つにしようか迷った。けど、哲学だなあと思うし、楽しい!!というものではないし、3つにしました。