- Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784584122952
作品紹介・あらすじ
年の取り方を知らない老人が急増してきた!超高齢化の時代を迎える今、わがままな年寄こそ大問題。自立した老人になり人生を面白く生きるための7つの才覚の持ち方。
感想・レビュー・書評
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老いの才覚で得られる事は、自立した老人という高齢者になってもしっかり考え心身共に健康に生き抜く7つの力
他人に依存せず自分で考え選択して自分の事は自分でやる。単純だかとても勇気のいる事を説いている。
この本を手に取る方は、それなりに経験を積み努力を重ねたけれどこの歳になりこれで良かったのだろうかと迷いも生じてきている方ではないでしょうか。
そんないくつかの迷いの答えは誰にもわからないし何もかも解ろうとするのは思い上がり
根性論も思い上がり
人生とは思い通りにならない事なのだと、あなたは長く生きてきてそんな事もわからないはずないと現実を突きつける。
老年と言う負け戦に素直に生き抜かなければならず、自分で自分を救済しながら孤独と付き合い喜びを見つけることが鍵。
俯瞰してみろと言われても当の本人は必死に何かと戦っていますから、この本の様には行かないかも知れないけれど、折角だからいくつかの書き留めて頑張って自立して生きていきたい…そんな気持ちになりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者の語る内容に多く共感できるのに、批判的な気持ちが湧き起こる。
内容は著者が高齢者の人々に送る檄文だと思って良い。
老人だからと言って甘えるな。
できる限り自立しろ。
老境に至った喜びを感じ、老境だからこそできることをしろ。
等々。
かなりの部分に共感でき、自分もその様に生きなければ、と思う。
ではなぜ批判がましい気持ちが湧くのか。
それは著者が自分と自分を取り巻く人々の生き方を正しいものとしてひけらかしている様に読めてしまうから。
自分は一部の愚かな年配者がするような、あんな事、こんな事はせず、代わりに年配者として正しい方法を常に採用して実行しています、と。
とは言え、本書を素直に読んでいくと高齢者となった人々、なりゆく人々の行き先案内兼応援歌になります。
*気になった点
p72 「死に様」と言う言葉を使っている。
意味を汲み取る事はできる。
が、古来からある「生き様」から発生した戦後の造語だと言う事らしい。
藤沢周平さんがお金を積まれて使いたくない言葉として挙げているそうです。
大森洋平さんの「考証要集」という本に載っていました。
ま、「老いの才覚」は時代物でも戦前物でもないので問題はないのですが、たまたま記憶に残っていたので。 -
結局、人との距離感について書いてある。ん〜。その思索と知恵がつまっていた。
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「老人よ。人に頼らないで、自立しよう」が、メッセージ
心に残った言葉は次です。
・若者に席を譲ることを要求している老人がいるが、要求される前に若者が席を立つのが望ましい。とは思いますが、老人だからといって譲ってもらう権利があるとふんぞり返っていいものでもありません。
・最近は機転の利かない老人であふれている、それは、基本的に苦悩がなくなったから
・日本は経済大国なのに、どうして豊かさを感じられないのか。それは、貧しさを知らないから豊かさがわからない。
・格差社会と言われているが、日本ほど格差のない国はない。
・昔の老人には遠慮という美しい言葉がありました。
・かつては、損のできる人間を育てるのが、教育の一つの目標でした。
・言葉が極度に貧困になった、その原因の一つは読書をしなくなったから。もう一つの理由は作文教育がきちんとなされてこなかったから。
・今すぐにでも徹底して、読み書きの訓練をしないと日本は滅びると思います。
・老人だろうと、若者だろうと、原則はあくまで自立すること
・自立とは、ともかく他人に依存しないで生きること、自分の才覚で生きることです。
・老人といえども、強く生きなければならない。歯を食いしばってでも、自分のことは自分でする。
・人はその時その時の運命を受け入れる以外に生きる方法はありません。
・愛情というのは手を出すことより、むしろ見守ることだ。
・老いて、自分の能力がだんだんと衰えてきたら、基本的に、生活を縮めることを考えなくてはならない。荷物も自分がもてなくなったら、持たないこと。
・誰でも人は何かを得ようとしたら、対価を払わなければならないんです。年寄りといえども、この原則を忘れてはいけないと思います。
・性悪説に立てば、人と付き合っても感動することばかり
・人は死ぬまで働くのが当たり前。
・老人が健康に暮らす秘訣は、生きがいをもつこと、つまり、目標を持つことだと思います。
・「何をしてもらうか」ではなく、「何ができるか」を考える
・親しき仲にも礼儀あり。友達だけでなく、夫婦や、親子の間でも必要ですね。私たちは一生、だれにも甘えて不作法をしてはいけません。
・他人のお金をあてにしなければ自分の生活が成り立たないというのは、どこかおかしいと思います。
・お金は怖いものだと思いなさい。
・見栄を張っても仕方ない、と気づく。分相応を知ることは、長く生きてきた者の知恵だとおもいます。
・老年は、一つ一つ、できないことを諦め、捨てていく時代。
・孤独はお金があってもたぶん解決できない。孤独との付き合いは、老年にとって、一番勇気のいる仕事です。
・結局のところ、人間は、一人で生まれてきて、一人で死ぬ。家族がいても、生まれてくる時も死ぬ時も同じ一人旅です。
・この生涯はほんの短い旅にすぎない。死を認識すれば、死ぬまでにやりたいことが見えてきます。
・失ったものを数え上げずに、持っているものを大切におもうこと。
・一生の間に、ともかく、雨露を凌ぐ家に住んで、毎日食べるものがあった、という生活をできたなら、その人の人生は基本的に「成功」だと思います。
目次は、以下の通りです。
第1章 なぜ老人は才覚を失ってしまったのか
第2章 老いの基本は「自立」と「自律」
第3章 人間は死ぬまで働かなくてはならない
第4章 晩年になったら夫婦や親子との付き合い方も変える
第5章 一文無しになってもお金に困らない生き方
第6章 孤独との付き合い、人生をおもしろがるコツ
第7章 老い、病気、死と慣れ親しむ
第8章 神様の視点を持てば、人生と世界が理解できる -
2012/3/20高齢者予備軍である自分にとって、あるべき理想の形を明快に書いていただいた本。性悪説、くれない指数、老年の仕事は孤独に耐えること、「折衷」を許し合える夫婦等が印象に残りました。★4
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自立した老人になって、人生を面白く生きるためのヒントが書かれている。
老人であるからと言って、人に甘えることなく、自分でできる事は自分でするのが基本。
そうやって背筋をシャンと伸ばした老人になれたら理想的だと思う。しかし、老人の仕事は孤独に耐える事・・・やっぱり辛そう。
病気をしたり、辛い事も色々と経験した著者だが、ずば抜けた才能と恵まれた財力があり、自信にあふれている気がして、ちょっと気後れする。 -
自らを老人と認め、さらに老人のあり方をハッキリ厳しく提言しているところに惜しみない賞賛と尊敬を送りたい。してもらって当たり前というサイテーな感情を捨てて、自立した老後を送りたいと強く思わせる一冊。読みやすい文体と、理解しやすい展開に、すんなりと受け入れられる主張。素直な気分で読める。
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自立し,かつ自律した老人になるための指南書。
「それは曾野さんだからできるんでしょ」という気持ちにならず,「自分もやってみよう」と思えるかどうかがカギ。 -
嫌い。
胸焼けする。
しかもブレてる。
言葉の端々からビシバシ「わたしすごいでしょ」が伝わってくる。
これこそ著者が嫌っている"自己中心な老人"の典型ではないのか。
言ってることはそれなりに正鵠を射ていると思うけれど、
これでは納得はできない。
けれど、なにが嫌いなんだろうと思ったら、
ただの近親憎悪だった。
なかなか良い読書体験をしたと思う。