スマホを捨てたい子どもたち: 野生に学ぶ「未知の時代」の生き方 (ポプラ新書 や 8-1)

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591166130

作品紹介・あらすじ

京大総長でゴリラ研究者の著者による「未知の時代」の人とのつながり方。

先が見えない時代、人間にとってもっとも大切なことと何か。
自然の脅威、テクノロジーの進化をどう受け入れ、どう豊かに生きるか。

講演会で、多くの高校生がスマホを手にしながら、「スマホを捨てたい」と言った。彼らはなぜ、スマホで人とつながることに漠然とした不安を感じているのか。およそ200万年前の人類の歴史とゴリラ研究の見地から、これからの「未知の時代」を生きる、生物としての人間らしさを考える。先が見えない時代、自然やテクノロジーと共生していくために。

第1章 スマホだけでつながるという不安――ゴリラ学者が感じる人間社会の変化 
第2章 僕はこうしてゴリラになった――生物としての人間を知るために 
第3章 言葉は人間に何をもたらしたのか――ゴリラから見た人間世界 
第4章 人間らしさって何?――皆で食べ、育て、踊る人間の不思議 
第5章 生物としての自覚を取り戻せ――AIに支配されないために 
第6章 未来の社会の生き方――生活をデザインするユートピアへ


山極寿一(やまぎわ・じゅいち)
1952年、東京都生まれ。霊長類学・人類学者。京都大学総長。京都大学理学部卒、京大大学院理学研究科博士後期課程単位取得退学、理学博士。ゴリラ研究の世界的権威。ルワンダ・カリソケ研究センター客員研究員、日本モンキーセンターのリサーチフェロー、京大霊長類研究所助手、京大大学院理学研究科助教授を経て同教授。2014年10月から京大総長、2017年6月から2019年6月まで国立大学協会会長、2017年10月から日本学術会議会長を兼任。『「サル化」する人間社会』(集英社インターナショナル)、『京大式おもろい勉強法』(朝日新聞出版)、『ゴリラからの警告「人間社会、ここがおかしい」』(毎日新聞出版)など多数。

感想・レビュー・書評

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  • 絶対読むべき。これからの時代をどう生きていくのが幸福に繋がるのかを教えてくれた。
     スマホを使うのは最終手段であり、現実世界での人と人との繋がりを大切にするべきという筆者の主張は素晴らしいと思った。たしかに、人と人との繋がりは大切であり、誰とも話さずに1日過ごすのはストレスを感じるし、それが数日続くと心が荒んでくる。昔は便利な連絡手段が無いから直接対話をするしかなかった。しかし、そこで生まれる会話は実に貴重である。そういう意味では、メールやSNSが無かった昭和に生まれた人が「昔は良かった」というのは否定できないと感じた。だからこそ、昔の良い所と今の良い所を上手く融合させることが大事だと思う。そのためにはスマホから離れることは必須であり、そうするためにはこのように本を読んで知識を吸収し、繋がりを求めるようになることが良いのだろう。

  • ゴリラの社会性はとてもおもしろい。組織の中で優劣をつけない、ボスは弱いものを助ける、対面による共感を大切にする、といった点などなど。人間にも共通点は多い。
    一方でサルの社会はボスが絶対で、勝ち組・負け組を決める。新自由主義的な世界観とも重なるように、これも人間に共通点はある。コロナで強まったような印象もある。
    かつてウォークマンを聴いて温泉に浸かって満足げなニホンザルのCMがあった。スマホに虜になり、組織よりも個人中心になると、人間はサルに近づくという筆者の主張に近づくのだろう。
    スマホを捨てたい子どもたち、というタイトルは筆者の願望も込められていると理解するが、その背景やデジタル機器と人間のかかわりの歴史を考えると奥深いテーマだと感じた。

  • 今までで読んだ本の中で1番面白かった!
    読みやすくて、内容が興味深い。
    人間って面白いな〜

  • 次世代の人たちはぼくたちが滅びた後の世界を見る権利をもっていて、彼らが見る世界のためにぼくたちは義務を果たさなくてはいけない。そして若者たちも、自分たちの次の世代に対し、どういう責任をもって、どんな世界を渡したらいいのかを十分に考えなくてはいけません。(p169)

    スマホを使って頭だけで友だちとつながるのではなく、面と向かって声で話し、相手の表情や態度をきちんと読んで付き合うことが必要です。相手ときちんと向き合うことは、人間が信頼関係をつくり、それを高めるためにかけがえのない行為だからです。人間の五感は人と会って身体で共感し合うためにつくられているのです。その最も原始的な行為が食事です。(p188)

  • ほとんどゴリラの話。著者名を見れば納得ではあるが、もうちょっと別にタイトルがあったのでは? タイトルに惹かれて読んだ人は不完全燃焼だと思う。

  • 読む価値あり。
    人間とはなにかについて考えさせられる。
    昨今の情勢に感じる違和感を見直せる。

  • 生物としての人間に必要なも
    共感力
    人は1人で生きていけるようにはできていない

  • 有り 489.9/ヤ/20 棚:11〜12

  • 「スマホを捨てたい子どもたち 山極寿一」読了。ゴリラとサルに愛情を感じられた。以前読んだ「善と悪のパラドックス」にチンパンジーの生態があり、嫌な気分になったが、この本は気分よく読めた。

  • 人間の最大の幸福は、誰かと時間の共有をすること

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著者プロフィール

第26代京都大学総長。専門は人類学、霊長類学。研究テーマはゴリラの社会生態学、家族の起源と進化、人間社会の未来像。

「2020年 『人のつながりと世界の行方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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