お探し物は図書室まで

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591167984

作品紹介・あらすじ

お探し物は、本ですか? 仕事ですか? 人生ですか?
人生に悩む人々が、ふとしたきっかけで訪れた小さな図書室。
彼らの背中を、不愛想だけど聞き上手な司書さんが、思いもよらない本のセレクトと可愛い付録で、後押しします。

仕事や人生に行き詰まりを感じている5人が訪れた、町の小さな図書室。「本を探している」と申し出ると「レファレンスは司書さんにどうぞ」と案内してくれます。

狭いレファレンスカウンターの中に体を埋めこみ、ちまちまと毛糸に針を刺して何かを作っている司書さん。本の相談をすると司書さんはレファレンスを始めます。不愛想なのにどうしてだか聞き上手で、相談者は誰にも言えなかった本音や願望を司書さんに話してしまいます。
話を聞いた司書さんは、一風変わった選書をしてくれます。図鑑、絵本、詩集......。

そして選書が終わると、カウンターの下にたくさんある引き出しの中から、小さな毛糸玉のようなものをひとつだけ取り出します。本のリストを印刷した紙と一緒に渡されたのは、羊毛フェルト。「これはなんですか」と相談者が訊ねると、司書さんはぶっきらぼうに答えます。 「本の付録」と――。

自分が本当に「探している物」に気がつき、
明日への活力が満ちていくハートウォーミング小説。

感想・レビュー・書評

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  • 会社の先輩からお借りした一冊。
    青山さんの本はとっても読みやすい(*^▽^*)
    そして必ずほっこりする。

    小学校の隣にある、街の小さな図書館。
    特別本を読みたいわかでもなく、ふらっと訪れると、若い女の子が「レファレンスは司書さんにどうぞ」と案内してくれる。

    司書さんを見ると誰でもびっくり!
    とても大きな女性なのだ。
    狭いカウンターの中で、羊毛フェルトにチクチク針を指している。

    無愛想なのに聞き上手。
    何故か訪れた人は司書さんに自分の悩みを話してしまう。

    司書さんは、その人か求めている本と、最後に一冊、全く関連性か無いような本を選び、羊毛フェルトで作ったマスコットを付録に持たせてくれる。

    司書さんに教えて貰った本を読むと、それぞれ訪れた人は何かに気付かされる。。。

    どの話もほっこり(*^^*)いい気分になれるお話。

    3冊読んだ頃には話の内容は忘れてしまうだろうけど、良いお話だったなぁということだけは記憶していられそう(*^^*)


    しかし本を読んでいると、登場人物は出版社に勤める人が多いし、本が好きな人が多いし、小説家もよく出る(笑)
    まぁ、読んでいる人も本好きに違いないだろうからいいんだけども(*^^*)

  • 『転職サイトに登録しようと思っているんです。今の仕事に、やりがいとか目的が見つけられなくて』
    『ふたりの子でしょう。妊娠したとき、協力し合おうって言ってたじゃない。母親だから?「…私ばっかり損してるよね」』
    『残りの人生が、意味のないものに思えてね』

    平均寿命が大きく伸びた現代の日本。突然に襲う大きな災害、事件、そして事故はあれど、基本的には極めて平和に私たちの日常は流れています。こうしてブクログに日々多くのレビューが掲載され、フォローの輪が読者を繋げていく穏やかな日常。しかし、その一方で、この場に集う皆さんの中には、今この瞬間も色々なことに思い悩み、束の間この場で気持ちを切り替える、そんな風にこの場を利用されている方も多いのではないでしょうか。大きくはなくとも少しずつ何かしら変化し続ける毎日の中で、あの時代、その時代と私たちが思い悩む内容も変化していきます。思い返せば、私自身も進路に思い悩み、歯車となって働く毎日に疑問を感じ、そして子育てに苦闘するなど色々なことに頭を悩ませてきました。どんなに切り抜けても、くぐり抜けても、次から次へと私たちを襲う悩みの数々。いつの日か、『残りの人生が、意味のないものに思えてね』などと思い悩む日も来るのでしょうか。

    一方で、そんな風にかつての私を悩ました事ごとに現在の私は悩んでいないという事実にも気づきます。今となっては笑い話となった過去の悩み。しかし、そんな過去になるまでには、その悩みを過去にする何らかの起点があったことにも気づきます。普段、意識することのない過去の悩みの解決の起点。ここにそんな起点に光を当てる物語があります。起点に浮かび上がるのは一人の司書と一冊の本。そんな司書と本は、主人公たちにちょっとしたきっかけを与えてくれます。ちょっとした視点の切り替え方を教えてくれます。そして、読者は再び前を向いた主人公たちの姿の中に、読者自身が生きていくためのヒントを見つけることができます。そんなお話が五つ詰まったこの作品。青山さんが描く、明日を生き抜くあなたのための物語です。

    『万有社という出版社』の『資料部』で勤務するのは主人公の崎谷夏美。『部署のメンバーは、私をのぞいて中老の男性ばかり』というその部署に『異動になってから二年たつというのに』しっくりこないと感じている夏美。『ここに来るまで私は「Mila」という雑誌編集部にいた』という夏美は、『入社してから十五年間、私はがむしゃらに働いた』という生活を過ごしてきました。『そんな中で妊娠したのは、突然ではあったけど予定外ではない』という三十七歳の夏美。『臨月手前のぎりぎりまで働いて』、『四カ月で復帰』した夏美。しかし『久しぶりに顔を合わせた同僚は、「おかえり」とどこかぎこちない表情で笑った』という復職の日。そして、編集長から『資料部への異動を告げられた』という展開。『大丈夫です、仕事も育児もちゃんと両立できます』と訴えるも『もう決まったことだから』と『面倒くさそうに』私の声を遮る編集長。『とらえどころのない疑問と怒りが、あふれて止まらなかった』夏美。『絶望という感情を本当に知ったのは、これが初めてだった』という夏美。『おまえはもう用済みだと言われている気がして、真っ暗な穴に落ちていきそうだった』という夏美。一方で『夫との連携はぜんぜんスムーズにいかないし、育児は想定外のことばかりが起きた』という毎日の苦悩。『密室育児の閉塞感』に苦しみ、『育児、向いてないのかなとため息が出る。もうちょっとうまくやれると思っていた』と愕然とする夏美。そんな夏美は『コミハの図書室にキッズスペースがある』と保育園で聞いたのを思い出します。そして、おすすめの絵本を教えてもらいに図書室のレファレンスカウンターへと赴いた夏美。『白くて大きな女の人』、『ディズニーアニメの「ベイマックス」みたい』な司書の小町さゆりと出会います。『「あ、すみませ…」謝るところではないのだが、なんだか萎縮して後ずさり』しそうになった夏美に、『何をお探し?』と声をかける小町。『不思議な声だった。親切でもなく明るくもない、フラットな低音』というその声。なのに、『身も心もゆだねたくなるような、懐の深さを感じられる』そのひとこと。語りやすい雰囲気の中で『…私、子どもが生まれてから行きづまってばかりで…』と『愚痴がするりと口からこぼれ』、いろんな思いを吐き出す夏美。キーボードを『ぱぱぱぱぱぱぱっとものすごい速さで』打つ小町。出力された紙を受け取る夏美。『あきらかに絵本だろう』という三冊の下に一冊、目を引く本の名前がありました。『「月のとびら」。著者は石井ゆかり』というその本。さらに『どうぞ。あなたには、これ』と羊毛フェルトで作った地球を手渡された夏美。そのことをきっかけとして、『私の起こした点が、予想もできない場所につながった』と、苦悩を経て歓喜に至る夏美の新しい人生が描かれていきます。

    五つの短編が連作短編の形式で繋がるこの作品。その五編を印象的に繋げていくのが図書室のレファレンスカウンターに座る司書・小町さゆりでした。一方でそれぞれの短編の主人公は五編で全く異なり、21歳の婦人服販売員であったり、30歳のニートであったり、そして65歳で定年退職したという人物まで年齢、性別、職業ともに多彩です。思えば図書室という場所は、無料で誰もが利用でき多彩な人が集う場でもあります。そんな多彩な人物が図書室で接するのは同じ人物、司書の小町さゆりですが、多彩な人物視点で見ると、その印象がそれぞれに異なります。まず五人に共通する小町の印象は『大きな女の人だった』というもの。それを『「ゴーストバスターズ」に出てくるマシュマロマンみたい』、『早乙女玄馬のパンダみたい』、そして『正月に神社で飾られる巨大な鏡餅のよう』とそれぞれの個性が感じられる小町さゆりの見た目に対する表現の違い。このそれぞれの表現の積み重ねによって小町さゆりのイメージが読者の中に出来上がっていくのみならず、その表現をする側の主人公それぞれの個性が逆に印象付いていく、とても上手い構成だと思いました。その一方で、見た目ではなく彼女が発する最初のひと言である『何かお探し?』という言葉からそれぞれの主人公が受ける印象は共通したものでした。『抑揚のない言い方なのに、くるむような温かみ』、『身も心もゆだねたくなるような、懐の深さを感じられる』、そして『穏やかで凛としていて、体の奥まで響いてきた』というように同じ人物の感想といっていいくらいにその説明は似通ったものです。そんな小町の言葉の説得力にそれぞれの主人公は心を落ち着けて、今の自身が置かれている立場と心の内を正直に語ります。それを踏まえて、小町がその人に相応しい”本”と”付録”を選んでいくという五編に共通した物語の展開は、こういった構成の工夫もあって妙に説得力を感じさせるものでした。

    今の人生に思い悩み、何かしらの起点を必要としていた主人公たち。たまたま図書室の小町のもとを訪れたことで、結果として起点を掴み前へと進んでいく彼らの人生のそれまでとそれからが描かれていくこの作品。このレビューを読んでくださっている皆さんも色々な職業の方がいらっしゃると思います。そんな皆さんは自分の職業をどのように捉えていらっしゃるでしょうか。この作品の主人公の一人である朋香は、司書の小町にその仕事内容を問われ『たいした仕事じゃないです。総合スーパーで婦人服売ってるだけ』と答えます。それに対して『スーパーの販売員がたいした仕事じゃないって、ほんとうに、そう思う?』と返す小町。自分の仕事が肯定されたことを喜ぶ朋香ですが、『単に私が「大した仕事をしていない」だけだ』ということには、その会話からではなく、後日、実際の仕事の現場で彼女自身が自覚することになりました。また、育児に行き詰まる夏美は『やりたいことがやれないもどかしさに、こんなはずじゃなかった』と小町に語ります。しかし、小町が直接そのことに対して道を切り開いてくれるわけではありません。その後、彼女の人生が『見ていてくれた、認めてくれていた人がちゃんと近くにいたんだ』と切り開かれていく展開を作ったのは、やはり彼女自身の力によるものでした。

    『どんな本もそうだけど、書物そのものに力があるというよりは、あなたがそういう読み方をしたっていう、そこに価値があるんだよ』と語る司書の小町。作り物などではない私たちの人生に、絶対的なスーパーヒーローがやってきてくれることなどありません。水戸黄門の印籠ひとつで全てが上手くいくことなどありえません。それは皆さん自身が日々感じていることだと思います。人間生きている限り、色々な場面で思い悩み、立ち止まり、そして葛藤を繰り返すということは避けて通ることはできません。しかし、一方で色々な困難を乗り越えた先に、ふと後ろを、今までの人生を振り返って見た時に、そこに、あの時、あのことがあったからと、何かしら転機となった起点を感じることがあると思います。全ての物事は何かしらの起点をきっかけに始まっていく、長く暗いトンネルから抜け出し、光差すその先の未来へと進んでいく、そんな私たちの人生に起点はなくてはならないものです。この作品で描かれた司書・小町さゆりとはそんな起点の象徴的存在だったのだと思いました。

    長い人生の色んな場面を象徴する五人の主人公それぞれが、今の自身の立ち位置に悩み、出口を求めて苦闘する姿が描かれるこの作品。その中で出口へと進む起点を作ってくれたのが司書・小町さゆりでした。しかし、きっかけはどこまでいってもきっかけに過ぎません。それはその人の人生の答えなどではなく、また進むべき道を指し示してくれるようなものでもありません。『作り手の狙いとは関係のないところで、そこに書かれた幾ばくかの言葉を、読んだ人が自分自身に紐づけてその人だけの何かを得るんです』と小町が語る通り、例え同じ本を読んでもそこから受け取るモノは人によって千差万別です。それは、このブクログのレビュー群が証明していることでもあります。同じものから無限の可能性が広がる本というものが持つ力。

    私は小説ばかり読んできましたが、そこには架空ではあっても、さまざまな人物の生き様が描かれています。リアルだけではなく、小説の世界であってもそこに生きる人たちの人生からは何かしら学べるものがあると思っています。この作品の様々な境遇に置かれた主人公たちも、小町さゆりによって提示されたそれぞれの本を起点に『そうだ、今の自分にできることを今やる。それでいい』と、『いつかを待たないで…これから動いてみようって気持ちになりました』と、そして『わたしはわたしを退いたりしない』とそれぞれがそれぞれの気づきを得ていきました。

    短編と短編の間に張り巡らされた伏線の数々が五つの短編を一つに編み上げていく絶妙な構成が光るこの作品。誰だって気づきを得ることができる。誰だってやり直すことができる。そして、誰だって無限の可能性に向かって進んでいくことができると気づかせてくれたこの作品。前を向いていく主人公たちの姿に、熱いものが何度もこみあげてくる絶品でした。

    青山さん、力いっぱいの勇気と希望をありがとうございました!

  • 本を読んでいると時々
    現実とシンクロします。

    みな同じところに躓き
    悩んだり迷ったりする
    からだと思うのですが、

    性別やら年齢を超えて
    職業や立場が違っても
    共感するものがある。

    視野狭窄という障害が
    ありますが、

    人間関係にあてはめて
    視野が狭まるといえば、

    共感性を失うことかも
    しれないと思いました。

    ここでいう共感性とは
    許容と同義で、

    自分も同じ道を辿って
    きたよね、とか

    もし同じ立場になれば
    自分だって同じことを
    しちゃうよね、という

    みな同じという理解の
    もとで相手を許すこと
    を指しています。

    相手を許すというより
    自分を鎮めるといった
    ほうが適切かも。

    読書の良き効用として、

    いろいろな立場や考え
    感じかたを知ることで、

    人間というものの最大
    公約数が見えてくると
    いうか、

    みな同じという理解を
    深めてくということが
    ひとつあるのかな、と
    思いました。

    つまり読書は共感性を
    養って人間関係の視野
    狭窄に陥らないための
    処方箋ではないかと。

  • 心が温かくなった。自分の心は自分が動かせる。行動も同様。心の持ち様次第だと改めて感じた。人の心を変えることは難しいが、自分の心は変えられる。

  • 青山美智子さんの小説を初読み。
    心に響くフレーズが多くて良かった。

    悩みを抱える老若男女が、図書室で司書に勧められた本を読み、自分が本当に探しているものに気づくストーリー。

    短編ですらすら読めるけど、読後にストーリーの深さに気づくおもしろさがあった。

    『"たいした仕事じゃない"なんて、とんでもない間違いだった。単に私が"たいした仕事をしていない"だけなのだ。』というフレーズが1番心に響きました。

    • ひまわりさん
      なべさん、こんにちは。私の本棚にめをとめてくださって、ありがとうございます。
      なべさん、こんにちは。私の本棚にめをとめてくださって、ありがとうございます。
      2022/08/28
    • なべさん
      ひまわりさん、こんにちは。
      いいね!とコメントありがとうございます。
      私も青山美智子さんの本いっぱい読みたいです。

      これからも、よろしくお...
      ひまわりさん、こんにちは。
      いいね!とコメントありがとうございます。
      私も青山美智子さんの本いっぱい読みたいです。

      これからも、よろしくお願いします。
      2022/08/28
    • ひまわりさん
      こちらこそ、よろしくお願いします。青山美智子さんは、ほっこりできます。私のおすすめは、お探しものは図書室までは、もちろんですが、ただいま神様...
      こちらこそ、よろしくお願いします。青山美智子さんは、ほっこりできます。私のおすすめは、お探しものは図書室までは、もちろんですが、ただいま神様当番です。
      2022/08/28
  • 2021年度の本屋大賞2位の青山美智子さんの作品

    以前に読んだ「赤と青とエスキース」もそうだったのだが、凄くカジュアルでセンスが良く素敵な文章だと改めて感じた。
    感情の言葉選びが絶妙に上手いのだろうと感じてる。個人的に凄く好き。

    今回は連作短編集との事で、5章からなる短編に登場人物があちらこちらに出てきて繋がりを感じさせられる。
    地球が回っているように作品が動いてると感じる。5作品とも繋がりを意識させられて時間が止まらずに進行している。

    これはテクニックなのか?
    凄い。

    司書の小町さん、自分にはマツコデラックスさんのイメージが沸いて消えない。
    知的で、博学で、ユーモアに溢れ、人間力に優れ、遠すぎず近すぎない距離感がそう思わせた。
    毎章、小町さんとのやりとりの中、勝手にそうイメージして読んでた事で、個人的にこの作品のひとつの魅力になった。

  • 読み始めてまず思ったこと‥‥小町さゆりさんって紅子さんと同一人物ではないですか〜?
    小学生に大人気の廣島玲子さんの『ふしぎ駄菓子屋  銭天堂』の紅子さんとしか思えないんですけど!
    「顎と首の境がなく色白で」「ひっつめられた髪の頭の上には、小さなおだんご。そこにはかんざし」って!どう考えても紅子さんじゃないですか〜!誰かとこの気持ちを共有したい〜!
    紅子さんも悩める人に不思議な駄菓子をあげて解決するし(解決しないこともある‥‥)
    『銭天堂』の方はバッチリ紅子さんの姿が表紙に描かれているので、ずーっと紅子さんの顔でイメージして読んでしまいました(笑)
    それにしても青山美智子さんは何を読んでも胸に響くなぁ。
    小町さゆりさんは図書室の司書なので、悩める人に小町さんセレクトの本を薦める。
    でもそこから何を受け取るかはその人次第。
    「どんな本もそうだけど、書物そのものに力があるというよりは、あなたがそういう読み方をしたっていう、そこに価値があるんだよ」
    これは本に限らず全てに当てはまると思います。
    同じ出来事でも受け取り方はその人次第。
    「役に立つか、モノになるか。これまでのわたしを邪魔していたのはそんな価値基準だったのかもしれない。でも、心が動くこと自体が大切なのだ」
    楽しいと思ったこと、目にとまったことを自分のタイミングで始めてみる、それだけで自分に自信が持てるし人生が豊かになるんだなぁ、と思いました。

    • あゆみりんさん
      コメント失礼します。
      この本を先程、読了しました。
      私もまず思ったのは、紅子さんだっ‼︎
      でした。
      紅子さんに違いないぞって、立ち位置も役割...
      コメント失礼します。
      この本を先程、読了しました。
      私もまず思ったのは、紅子さんだっ‼︎
      でした。
      紅子さんに違いないぞって、立ち位置も役割も紅子さんだよって思います。

      どなたかと共感したかったのでコメントさせて頂きました♪
      2022/02/08
    • あゆみりんさん
      こっとんさん、コメントありがとうございました♪
      ぜひぜひ、これからも宜しくお願いします‼︎
      本棚など、参考にさせて下さい‼︎
      (*´꒳`*)
      こっとんさん、コメントありがとうございました♪
      ぜひぜひ、これからも宜しくお願いします‼︎
      本棚など、参考にさせて下さい‼︎
      (*´꒳`*)
      2022/02/09
  • 読友さん10人も読んでいる大人気本。5つの話しが図書館で繋がり、さらに個別にも繋がっていく。生きていくには「社会」との繋がりが重要で、自然と繋がっている。新しい自分を発見するために行動を起こすきっかけ(トリガー)は図書司書の小町さんだったのかもしれない。しかし、それをトリガーだったと気づくのは自分自身。これまでの経験、家族、友人、住む環境だったりが「気づき」を応援してくれているんだろう。5人ともに各自の社会で懸命に生きてきた戦士で、さらなる自身の生きがいを見つけようと努力している姿に応援したくなった。⑤

    「おまえはもう生きている」BY 小町さん

  • 「そう、そう!」と共感する言葉が沢山でてきました。
    若い時なら「そうか!」と感じたであろう言葉の数々。
    過去に戻ってやり直したいことは沢山有れど、その時は今とは違う考えで判断・行動をしてきたなと思います。
    若い時にこのような小説をもう少し読むだけの(心の)余裕がなかったことが残念です。
    現実の生活で経験できることには限りがあります。
    疑似体験としていろんな人の生き様や考え方に接して、自分を成長させることができるのが小説ですね。

    同じ社会で生きていく上で、「そう、そう!」と多くの人と共有していたい言葉をいくつか。

    ・婦人服販売員

    「何が起きるかわからない世の中で、今の自分にできることを今やってるんだ」
    「続けているうちにわかることってあると思う」

    ・家具メーカー経理部

    「組織に属している限り煩わしい人間関係がちゃんとある」
    「無計画な夢を抱くのも悪いことじゃない。日々を楽しくしてくれるからね」
    「やることはたくさんあるけど、時間がないなんて言い訳はもうよそうと思った。ある時間でできることを考えていく」
    「世界を回しているのは信用」

    ・元雑誌編集者

    「私たちは大きなことから小さなことまで「どんなに努力しても、思いどおりにはできないこと」に囲まれて生きています」

    ・ニート

    「絶対大丈夫なことなんかないかわりに、絶対ダメって言いきれることもたぶんないんだ」

    ・停年退職

    「社会って、なんでしょうね。会社が社会ですか」
    「人と人が関わるのならそれはすべて社会だと思うんです」
    「前ばっかり見てると、視野が狭くなる」

    これ以外にも、心に染みる言葉で埋め尽くされている作品でした。

  • 正月に神社で飾られる巨大な鏡餅みたいと形容されてしまう司書の小野さゆりさん。彼女は手作りの羊毛フェルトをプレゼントし、一冊謎めいた本を紹介する。脈絡のない本をさりげなく。でもその本が、ひとりひとりの悩みや不安を解消していくきっかけになっていく。
    婦人服販売にマイナス感しかもてない朋香さんに。
    やりたいことと仕事の狭間で揺れる諒さんに。
    子育てと仕事の両立で苦悶する夏美さんに。
    ニートから抜け出せなかっと浩弥さんに。
    そして定年退職して何をしていいかわからなかった正雄さんに。
    希望の灯りがほのかにともる作品。
    五つの話がゆるやかにつながる青山作品。
    特に好きなのはニートと定年退職

    「人と人が関わるのならそれはすべて社会だと思うんです。接点を持つことによって起こる何かが、過去でも未来でも。」
    会社や職場だけが社会ではない。

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著者プロフィール

1970年愛知県生まれ。横浜市在住。大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者として勤務。2年間のオーストラリア生活ののち帰国し、上京。出版社で雑誌編集者を経て、執筆活動に入る。第28回「パレットノベル大賞」佳作を受賞。デビュー作『木曜日にはココアを』が、第1回「宮崎本大賞」を受賞する。『お探し物は図書室まで』で2021年「本屋大賞」2位に、『赤と青とエスキース』で2022年「本屋大賞」2位に選ばれる。他の著書に、『鎌倉うずまき案内所』『ただいま神様当番』『月曜日の抹茶カフェ』『マイ・プレゼント』(U-ku氏との共著)『月の立つ林で』『リカバリー・カバヒコ』等がある。

青山美智子の作品

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