愛を知らない (ポプラ文庫 い 7-1)

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591171264

作品紹介・あらすじ

生きること、死ぬこと、愛されること、愛せないこと、
負の側面まで描ききった上で全肯定する、命の大合唱のような物語。
あーもう頼む、読んでくれ本当に。―カツセマサヒコ


高校二年生の橙子はある日クラスメイトのヤマオからの推薦で、合唱コンクールのソロパートを任されることに。当初は反発したものの、練習を進めるにつれ周囲とも次第に打ち解けていく。友人たちは、橙子が時折口走る不思議な言い訳や理解のできない行動に首をかしげていたが、ある事件をきっか
けに橙子の抱えていた秘密を知ることになり―。
若く力強い魂を描き出した、胸がひりひりするような感動作。

感想・レビュー・書評

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  • 愛を知らない高二の少女
    高校の合唱コンクールを通して 信じられる友人を得る

    一木さんは、信じている者に裏切られる時の状況を 息を飲ませて読ませてくるんだなと思う

    施設から引き取られ養女となった少女の不適合性を思わせておいてからの 反転
    ここが 良いです

    重松サンらのぐっと我慢して正論で生きる学校物も良いけど 脆弱な家庭の子供達が 何かしらに生きる糧を見つけて 正面から生きようとしていく感じが魅力的

    愛される事ができなかった少女と
    愛する事ができない、あるいは愛し方がわからなかった養母

    「恩に時効があっていい」これは、実の親子であっても有効なのではと思う深い意味合いがある
    いろんな家庭があることも含め 大人になる前の高校生あたりに読んで欲しいな

    • 1Q84O1さん
      私、この作家さん読んでたんだ…
      おびさんが「いいね!」してくれるまで気づきませんでした…w
      私、この作家さん読んでたんだ…
      おびさんが「いいね!」してくれるまで気づきませんでした…w
      2024/04/19
  • 感情を整理してタンスの引き出しに分けて入れるみたいなことを書いていて、私は出来てないなぁと思った。人って見方を変えたら違った人になるな。その人のことをもっと知りたいと思う心が強くなった。

  • 人類みんなが誰かに大事に思われて誰かを大事に思ってて欲しいですねクソデカ主語

  • 自分にとって優しく救ってくれた存在が
    別の誰かには絶望を与えていることもある。
    それは正義が、好意が、人によって違うのと同じように当然のことなのに恐ろしいことだと思う。
    その救いだって相手が本当に救われたいのかどうかなんてわからない。
    橙子も芳子さんも同じように「あいしてほしい」だけなのに、それがつながることが出来ないのがつらい。
    橙子はヤマオを、先生を救っている。
    涼は芳子さんに救われている。

  • 「わたしがそのときいちばんつらかったのは、ただその人が憎いだけじゃないってことだった。」「引き出しを分けることにしたの」「恩にも時効はあっていい。」反芻して自分の中に落とし込んだ、冬香先生の言葉たち。

    そして、ヤマオが行動派で素敵なんだ。

    橙子のようなつらさ、悲しさ、想いを抱えている人はどのぐらいいるのだろうか。気づかないところに、すぐ近くに、いるかもしれない。どうかこの本を必要としてるいる人に、広く届いて欲しい。

    カツセさんが帯を書いていなければ、読んでいなかったかもしれない本。私のところに届いてほんとに良かった。


  • 普段はあまり買わないような本。
    流行りの本かな〜?と思いつつ購入。
    読んでみるとスイスイ入ってくる、吸い込まれる。
    どうなる?どうなる?!と久々に一気読みした。

    重い重い!!ちょっとずつ重くなってくる!!
    うわぁ〜〜〜。となりながらも読み進めた。
    が、最後が少し薄かった。
    最後を良い意味の激重にして欲しかった感。
    ハッピーエンドなのは嬉しいけど
    終盤まで引き込まれていただけに
    拍子抜けしてしまった。

  • 高校の合唱コンクールが舞台。
    爽やかな青春小説で、ちょっと変わった女の子だと思っていたら、後半ガラッと印象が変わります。
    不可解な行動をする橙子に隠された秘密。
    読んでいて苦しくなる展開でした。
    虐待と一言で済ませるのとも違う親子の歪んだ愛。
    橙子の育った環境も辛く、母の芳子の過去も苦しく、お互いが愛して欲しいと叫んでいるのに上手くいかない。
    「追いつめる人は追い詰められている人だと思うの」
    「恩にも時効があっていい」
    離れることで上手くいけばいいなと思う。

  • 途中からなんとなく背景は推測できたけれど、明らかになったシーンにはぞわりと鳥肌がたった。1種のホラー。
    自分の記憶にある遠くは無いシーンが浮かんで、重い気持ちになった。

  • 偶然に見つけた作家さんだったけれど、見かけると気にする様になってきた。

    タイトルが内容をまさに表していて、凄く良いなと思った。

    親の愛の形は様々で、親でない人からの愛もある。
    受けた愛と似た愛を人に与えるのだろうか。

    人を試す様な愛。それに胸を締め付けられる作品だった。

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著者プロフィール

1979年福岡県生まれ。東京都立大学卒。2016年「西国疾走少女」で第15回「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞。2018年、受賞作を収録した『1ミリの後悔もない、はずがない』(新潮文庫)でデビュー。他の著書に『愛を知らない』『全部ゆるせたらいいのに』『9月9日9時9分』がある。

「2022年 『悪と無垢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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