みんなのふこう 葉崎は今夜も眠れない (ポプラ文庫 わ 3-2)

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 193
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591172391

作品紹介・あらすじ

ベストセラー「葉村晶」シリーズ著者の、
もうひとつの人気シリーズ!
葉崎市の超個性豊かな面々と、
最高に不運な17歳のココロちゃんが織りなす、
一気読み必至のコージーミステリー!

葉崎FMで放送される「みんなの不幸」は、リスナーの赤裸々な不幸自慢が人気のコーナーだ。そこに届いた一通の投書。「聞いてください、わたしの友だち、こんなにも不幸なんです……」。
海辺の田舎町・葉崎市を舞台に、疫病神がついていると噂されながら、
どんなことにもめげない17歳のココロちゃんと、彼女を見守る女子高生ペンペン草ちゃん、周囲の人々が繰り広げる、泣き笑い必至の極上コージーミステリー!

感想・レビュー・書評

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  • 葉埼市でおなじみの葉埼FMの人気コーナー「みんなの不幸」に届いた一通のメールをもとに繰り広げられる青春(?)コージーミステリー。

    17歳のリスナー〈ココロちゃんのぺんぺん草〉ちゃんは、バイト先で予想不能なことばかりをしでかすココロちゃんのことが気になって仕方がない。
    ココロちゃんの近況を綴って「みんなの不幸」にメールを送っているのですが、ほんとにひっくり返るようなことばかりで、リスナーの反響がすごくて、毎回何らかの事件にかかわっているのですけど、そのかかわり方が半端ないのです。

    吹き出しそうになるのをこらえながら、思わず一気読みしてしまいました。
    葉埼市、個性強すぎます。
    駒持警部補や角田港大などおなじみのキャラクターにも出会えて大満足です。

    これを読むと、自分の身に起こる不運なんて何でもないことのように思えてくるから不思議です。

  • Webマガジン『ブンゲイ・ピュアフル』連載を2010年11月ポプラ社単行本刊。加筆修正して2013年1月ポプラ文庫ピュアフル化。2022年1月書き下ろし十数年後の文月を加えてポプラ文庫化。ココロちゃんの不幸ぶりが、とても面白い。その様子が葉崎FM局のリスナーからの投書として紹介されるという展開が楽しい。単なる繰り返し不幸ギャグだけかと思っていたら、不穏なミステリー気配もたっぷりで、物語世界にすっかり引き込まれました。葉崎市シリーズだそうで、他の作品も読んで見ようかな。

  • 神奈川県の僻地・葉崎のローカルラジオ局「FM葉崎」。
    ラジオ番組の中の人気コーナー「みんなのふこう」に「ココロちゃんのペンペン草」というラジオネームの女子高生からメールが届く。
    バイト先のお弁当屋さんにいる「ココロちゃん」は、17歳とは思えないほどの不幸をしょっているのです・・・。

    ココロちゃんは不幸体質というか、危険を察知する能力が著しく劣っているせいで、危ないことに巻き込まれまくり。大麻草の栽培の手伝いをさせられていたあたりはけっこうありそうかもと思ったけど、保険金殺人のターゲットにされたり、途中からはめちゃくちゃ。
    ペンペン草ちゃんからのメールを紹介したあと、ニュースを紹介すると必ずココロちゃんがらみのニュース・・・という前半のくだりは面白かったな~。
    怪しげな宗教団体が出てきたあたり、とくに病院の図書ボランティアたちの申し送り事項のやりとりは、ココロちゃんの状況を間接的に説明するにしても、ちょっと間接的過ぎないか?と眠くなったが、全体的にとてもおもしろかった。
    ココロちゃんに惹かれてしまうラジオの作り手とリスナーたちの気持ちはよくわかる。
    ココロちゃんとの別れ、そして、十数年後の再会。
    ココロちゃんがなぜこんなに不幸なのか?なぜココロちゃんにひどいことをする人は不幸になるのか?後者については謎のままだけど、そういうこともあるよねってことで。不幸を不幸とも思わないココロちゃんが一番の勝者なのかな。憧れることはないけども。

    1個どうしてもわからなかったのが「星の滴教団」のマークが「星がよだれをたらしているような」と表現されているんだけど、どういうの・・・?
    星に水滴がついているようなら「星が汗をかいているような」のほうがしっくりくるし。星に口がかいてあってよだれたらしているの(ローリング・ストーンズ的な)?表紙にもそのイラストなしで謎のまま。

    ココロちゃんて、トー横キッズにもならず、パパ活をするでもなく、お弁当屋さんや清掃会社で働いて健気だよなぁと、感心するのであった。
    そしてどうやら「葉崎市シリーズ」というシリーズものがあるらしい。読むべし読むべし。

  • 【収録作品】文月/葉月/長月/神無月/霜月/師走/睦月/如月/弥生/卯月/皐月/水無月/文月ふたたび//十数年後の文月
    2013年刊のポプラ文庫ピュアフルに、パンデミックにちらっと触れた書き下ろし「十数年後の文月」を加えて文庫化。

  • 再読。
    10年近く前、私にとって初めての若竹作品「さよならの手口」が面白くて、その時ちょうど図書館にあったこの単行本を読んだ。
    ほとんど忘れてたけど、すごくおもしろかった!
    「パラダイス・ガーデン」の二村警部補、ここに登場していた。
    「弥生」の日誌の中で、高校生たちとボランティア団体の人たちがやり合うところも好き。
    おまけに、もう少しキレが欲しかった気もするけど、楽しく読めた。
    ココロちゃんってきっと人間じゃない。妖精…?

  • とにかくおっちょこちょいでいつもなにか事故に巻き込まれたりと不安な女の子について、月々色んな表現者によってその子の状況が、分かるようになってる話。とにかく面白い!瞳子のラジオが1番好きだけど、病院にボランティアとして貸本やる高校生とおばさんの交換ノートでする喧嘩が面白かった!

    話もココロちゃんは最後全部計画的に自分に何かした人を傷つけてるかと思ったけどそういうことは書かれてないし最後までおっちょこちょいで怪我をしてて笑えた。

  • DJ目線ってのが面白そう…と、たまたま聞いてたラジオのDJが紹介してた内容がハマり読んでみた。
    うーん、あの
    「なんですぅ〜」口調が苦手なので微妙だった笑
    いやはや、ただの鈍臭い不幸と幸運の持ち主というだけの話。
    なんの解決もなかった…
    なんかひねりがあるのか?と思ってたけど最後まで何もおこらず。
    たんぽぽ対高校生がくすっと笑えるネタだったかな。
    読みやすくていっきに読めたけど私にはイマイチささらなかった。

  • ミステリ 「葉埼市シリーズ」第6弾
    「葉崎FMで放送される「みんなの不幸」は、リスナーの赤裸々な不幸自慢が人気のコーナーだ。そこに届いた一通の投書。「聞いてください、わたしの友だち、こんなにも不幸なんです……」。
    海辺の田舎町・葉崎市を舞台に、疫病神がついていると噂されながら、
    どんなことにもめげない17歳のココロちゃんと、彼女を見守る女子高生ペンペン草ちゃん、周囲の人々が繰り広げる、泣き笑い必至の極上コージーミステリー!」

  • ココロちゃんが香坂さんに狙われている時はミステリアスな話になるのかと思いきやそんな事もなく、誰かに狙われようが狙われまいが最後までドタバタなココロちゃんに最後はクスッと笑えた。10年後も相変わらずだけどなんだかんだ元気そうで良かった。
    ココロちゃんの行く末が気になって最後まで読んだ。

  • 葉崎FMで放送される「みんなの不幸」に投稿される17歳のココロちゃんの不運ぶりやそこから事件に発展していく様子が、不謹慎ながらクスリと笑えてしまうのと、登場人物の動向に驚いてしまうのとで楽しんで読むことができました。

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著者プロフィール

東京都生まれ。立教大学文学部史学科卒。1991年、『ぼくのミステリな日常』でデビュー。2013年、「暗い越流」で第66回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。その他の著書に『心のなかの冷たい何か』『ヴィラ・マグノリアの殺人』『みんなのふこう 葉崎は今夜も眠れない』などがある。コージーミステリーの第一人者として、その作品は高く評価されている。上質な作品を創出する作家だけに、いままで作品は少ないが、受賞以降、もっと執筆を増やすと宣言。若竹作品の魅力にはまった読者の期待に応えられる実力派作家。今後ブレイクを期待出来るミステリ作家のひとり。

「2014年 『製造迷夢 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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