- Amazon.co.jp ・マンガ (180ページ)
- / ISBN・EAN: 9784592145219
感想・レビュー・書評
-
「こんなに気持ちのいい日曜日なんだもの…全部終わりにするなら こんな日だよね」
誠二郎と対峙したあかりの言葉が印象深い。凍りついていた過去をあたたかく溶かしていくような決意。
「家族ってのは恐いもんだ 結束してるつもりで 全員で出口の無いルールに取り込まれてる事もある」
いつの間にか誠二郎を中心に動かされていた川本家。それに待ったをかけた零。そこには血縁よりも濃い家族の絆があった。
ぼくは家族を考える時に血の繋がりをすぐ思い浮かべていたんだけど、人は他人と結婚して家族を作っていくわけだもんね。そう考えると、血の繋がりは家族のある一面でしかないんだとそう思うようになった。
そして、ここに来てカッコウの例えが来るとは思わなかった。自分のことをカッコウだとうそぶく誠二郎と、生きるためにカッコウとなって傷つけてしまった幸田家の人たちを悔いて自立した零。あの怒りは当然だったよね。
最後に、野口先輩はいつも深いことを言っていてすごい。
「『言いたい事を言う』のと『言わなければいけない事を言う』の違いを知る事が大人への一歩ですよ」
貫禄ありすぎる!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
川本家の父が過去一のクズで、爽やかな顔面以外は一欠片も良いところがない圧倒的クソ野郎でした。これまでも「嫌なやつ」は複数人登場してきました。しかしそういう嫌なやつらにも羽海野先生はある一面において人間的な魅力を覗かせるように描かれてきたように思いますが、この川本家父に関してはそういう一抹の魅力すら施されていませんでした。
巻を重ねるごとに零は着実に成長してきましたが、ただこの11巻では川本家を守るという猛烈な使命感に燃え盛っていたせいか、零は盤の外でもかなり大胆不敵に変化しており、もともと猪突猛進なところはあったと思いますがちょっと大胆になりすぎでは…と思わなくもなかったです。
巻末の小話「ファイター」も味わい深い作品でしたし、「11巻でお世話になった方々」として書かれている名前が錚々たる面々で、ものすごい名人たちの感性がこの作品に反映されているんだなあと思うと、さらに作品に重みを感じた次第です。 -
零の成長がこの巻でも垣間見られる。自分の思いを主張できるようになるには、ちゃんと周りから「自分が認められている」と自分の中で思えていなければならないと思う。
零を応援したくなるそんな漫画。 -
桐山、いいとこに気付いた!
-
ネチネチ雷堂にページ割き過ぎで胸焼けして、
クズ親父のターンでさらにムカムカしたけど、
にやけ顏が真顔になるまでやりこめてくれてスカッとした。
苦労人のあかりちゃんにも早いところ春が来てほしいけど、
桐山くんまた盛大に空回りしそう。
今回抜け殻だった島田さんに一票入れておきますね。
あかりちゃんの癒しパワーで抜け毛と胃炎治してあげてほしいw -
羽海野チカさんは高校生のころ、ハチクロで出会った作者。
3月のライオンはまた全然違う作品で最初はなかなか難しいと思ったけど恋愛要素がやはり嬉しい。
しかしこのコミックは少女漫画ではなく、青年だよな?とブクログを書く上で改めて悩んだ。
▼あらすじ
11巻は3姉妹に迫る魔の手、実の父親と対峙する桐山くんの姿がりりしい。
またひなちゃんが天然で進まないー!って思ったり。
▼特におすすめなところ
ハチクロの登場人物はいい人ばかり、みんながみんなまっすぐで、人の気持ちを汲んで悩みもがき、、
3月のライオンでは、本当の悪、人生でどうしても生まれる真黒な人。
そんな人と闘う話がとてもぐっとくる。
社会の中でもきっと出会うであろう悪。常にでなくても、機嫌や間違いで周りとすれちがったり、会話ができなかったり、そんな中でも解決するためにもがく方法が見えると思う。
早く幸せになってほしいけどねw
そのためには幸せにする人たちが多い。
11巻まできて一番いいのは、桐山くんが自分だけの成長じゃなくて、周りのことを考えて周りの幸せが自分の幸せになるということに気付けたことかな。
全体で、「頑張れ青年!」というような表記がよくあるけど、本当にそうだなと、思います。 -
前の巻がすごい所で終わってて、零くん凄すぎる!!と思いながら続きの発売を待ってた。三姉妹の父親である捨男の話が一応の解決を迎える。奴はほんとどうしようもないと苛々した。読みながら重い気持ちになりつつ(シリアスな展開だしね)、それだけにならないのは所々に入ってくる小ネタだよね(笑)叔母さんの店を任された会長達とか、零の学校の人たちとか、おじいちゃんの存在とか将棋連盟の人たちとかww重い荷物を持ち続けたあかりのことが心配。そして、斜め方向に突っ走り始めた零のことも心配(笑)読んでて面白いけどww
-
愛情はひとを生かしひとを殺す。
ひとを救いひとを壊す。
誠二郎のどろりとした自分本位さも、零がひなを守ろうとするのも、川本家のつよい絆も、ぜんぶ愛なんだ。
愛はすごい。愛はかなしい。愛はおそろしい。 -
大切なものを守ろうとする桐山君とあかりさんの頑張りに涙が出て、ひなたちゃんの天然っぷりにほっこりして、捨男にむかつき、対局の場面では笑って、この一冊に喜怒哀楽がぎゅっと詰まっていました。
それにしても、桐山君、今度は家ですか? -
大人を相手に闘い、負かす。棋士という背景あってこそなんだけど、せつなすぎる。