科学革命の構造

  • みすず書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622016670

感想・レビュー・書評

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  • パラダイムという概念を提唱した本。

    ただし、これは科学革命の場面のみで、後年の社会全体を対象にしたものではない。

    しかし、世界は普通に、パラダイムも、パラダイムシフトも言葉として使うようになってしまったけれど。

  • 一時期に一斉を風靡したパラダイム概念の産みの書。

    科学が社会的な物である、真理を追うようなものではないと解き明かした、当時大きなインパクトを与えた書である。

    パラダイム概念がなぜ今日でも読むに値するのか。この本を読んでなにを思うか。

    これを読んで現代を俯瞰してみると、教育などによって齎されるパラダイムどころか、あらゆる科学というものが果たして科学的なるものか、それがどれだけ権力、経済、私利私欲に左右されるものであるかがわかる。放射線の被爆量云々の議論をとってみても、あれだけ国費を投入して全世界で研究がなされているのに、被爆量の基準はまったく明確な「科学的根拠に基づいて」、しかし政治的に決められてしまうものなのだ。それが科学的に正しくとも、我々にとってそれが正しいのかどうかは別の問題である。

    どれだけ明晰な科学であろうとも、それはあるパラダイムの採用に過ぎない。科学だから正しいのではなくて、あるパラダイムのなかでその科学は正しいのだ。そのパラダイムを作り出しているものをしっかり見極めることが、科学との正しい付き合い方である。

  •  人文科学を専攻する学生は必読。

  • パラダイムという言葉を提唱した本。

  • パラダイムに関する理解と共に科学史の知識も得ることができた。

  • 概念や理論の展開期に生じるパラダイムの創世と転換について具体例を交え分かりやすく解説。

    パラダイム転換期における人間は自らの経験に頼らず新たな価値観を受け入れまた創造していかなければならない という点にとても納得した。

  • 卒論用。

  • 2010 5/3読了。図書館情報学図書館で借りて読んだ。
    博士課程に進んだんだから古典を学び直そうシリーズ第何段か。
    「パラダイム」という言葉自体はたびたび聞き、教科書的あるいは辞書的な意味では定義も知っていたが、本書を読んでやっとどういう概念であるか腑に落ちた感じがする(まだ「感じがする」にとどまっているあたり我ながら・・・)。
    と、同時に自然科学以外の分野で「パラダイム」という言葉を用いることの問題点がたびたび指摘されてきた理由もやっと理解できた。
    少なくとも図書館情報学分野で使うべきではない、という見解がある理由は理解できたし、自分もそう思った。

  • 難解、、
    訳が悪い。(←偉そうですみません)

    amazonレビューによれば、村上陽一郎氏による解説本を読んだ方がわかりやすいのだそう。そっち読めばよかった。


    しかし、本書のエッセンスだけは読み取れました。

    ・特定のパラダイムが正しいことを証明するために、「通常科学」により、さまざまな検証がなされる。その検証の過程で生じた「変則性」は意識的/無意識的に多くの場合見過ごされる。しかしその「変則性」に気付き、それの周辺を広く探索することによって、「新理論」にたどり着く場合があり、そういったプロセスを経てパラダイムの転換が起こる。

    というのがエッセンス。


    自分に当てはめて考えれば、


    ・特定の思い込みが正しいことを証明するために、「日々の体験、経験」により、さまざまな検証がなされる。その検証の過程で生じた「変則性」は多くの場合意識的/無意識的に見過ごされる(人間は自分が見たいものだけを見ようとし、聞きたいことだけを聞こうとする)。しかしその「変則性」に気付き、それの周辺を広く探索することによって、「新理論」にたどり着く場合があり、そういったプロセスを経て思い込みが壊れる。


    よって固定観念を打破するために、必要なことは

    ・頭の中にあるパラダイム(固定観念、思い込み)は相対的なものであると認識する
    ・「変則性」(あれ?おや?)にアンテナを立てる。敏感になる。
    ・「変則性」を深堀りする
    ・パラダイムシフトを歓迎する(自分の思い込みに固執しない)

    ということだろうと思います。

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