- Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
- / ISBN・EAN: 9784623072163
感想・レビュー・書評
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薄めの見た目につられて軽い気持ちで(目的は軽くはないけれど)読み始めたら、とても重厚だった。なかなか進まなかったけれど、それはそれで理解て活かそうとした結果だと思う。
国と国の関係は、単に二国間の問題ではなく、それぞれの国が他の多くの国との関係において決めた方針や状況に応じて決まるのだなあということが、改めてよくわかった。
「前と言っていることが違うじゃないか」と感じることも、相手国が別の、とくに隣国との間の状況に違いがあることに起因することが多い。
日本の大臣クラスが配慮にかける言動で更迭されることがしばしばあるが、他国の言動もそれなりにひどいなと思う。それぞれが自国のこと優先で考えると、全体としてよろしくない方向に行ってしまう。他国の状況も見ないといけないし、国内世論も見ないといけないし、非常に舵取りが難しい。
思っていた以上に米国とソ連(ロシア)の影響と干渉は大きかった。中国からみたソ連はとても大きな脅威であり、ソ連の硬軟により中国の対応の振れ幅も大きくならざるをえないのかなと感じた。同じ社会主義だったのに。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本外交の通史としても読めるが、特にアジア外交が中心。しかし一口にアジア外交と言っても、扱う期間は19世紀末から現在までと長く、また外交の相手先をざっくり分けただけでも中国、半島、東南アジアがあり、さらには域外の米ソそれぞれが独立変数となっている。しっかり中身の詰まった本だった。
そんな中で序章にある「今日のイメージから過去を捉えるのではなく、それぞれの時代を内在的に理解」する重要性を認識した。国際的又は各国国内でのイデオロギー対立、域外プレイヤー米ソの政策、そして域内での日本と中国の地位、いずれも時代により異なっており、その中で在韓米軍撤退による日韓接近・日米は中国の対越武力行使黙認(いずれも70年代後半)等、現在から見ると驚くような時代もあった。
また、90年代のEAECや鳩山政権の「東アジア共同体」構想だけを考えると、対米外交とアジア外交はしばしば対立しがちと思いやすい。しかし本書を通して読むと、前者が後者の土台(講和条約と日米安保が地域の秩序安定に寄与)、前者が後者を推進(日韓・日中国交正常化)、また後者が前者を補完(日本の経済援助が米国の冷戦戦略に寄与)、関係なし(池田政権での一定の「自主外交」の余地)と、実に多彩であることが分かる。 -
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新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、3階開架 請求記号:319.102//Mi73
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東2法経図・開架 319.1A/Mi73s//K