- Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
- / ISBN・EAN: 9784751528730
感想・レビュー・書評
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105度というタイトルから温度しか連想できず、読み進めるうちにそれが角度を表していることに、目から鱗でした。それも、椅子の背もたれの角度というだけでなく、人と人との関係、お互い支え合う関係をも表していて、上手くタイトルが活きているところはグッド!
ストーリーとしては、職人の祖父、理解のない父、天真爛漫な弟、という配置などなんとなく既視感あり。パートナーに女性性の低い女子を持ってきたのは今風だとは思う、けど、どうなんだろう?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
真、梨々、は椅子屋の環境にいるとはいえ、
中学3年生でこれほどまでに椅子作りの
知識があるのはすごい。
専門的な言葉も多いけど読みやすかった。 -
2018年課題図書中学生(その1)
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2018中学の課題図書。プロダクトデザイナーでもある著者が、男女ペアの中学生がイスのデザインコンペに参加するまでの紆余曲折からコンペ当日までを描いている。
日本ではあまりデザインというものに対して敬意を払わない傾向があるように感じる。特にファッションデザイン以外の産業製品や建築など、デザイン料という物に対して意識が低い気がするのだが、それは職人文化の延長にあるからなのだろうか?また、女性だからという偏見についても触れられているのが、日本でもこういう事を児童書で取り上げられるようになったのか、と感慨深かった。
この作品では、夢を貫くことの大変さや形になった時の喜び、デザインを職業にする厳しさなどが著者自身の経験からリアルに書かれている。
課題図書であるが、ありきたりなテーマではなく、中学時代に出会うと良い本だと思う。
2018.6
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中学生の課題図書。進路のこととか、特に芸術系に進む人にはぜひ読んでほしいなって思った一冊。なれるかわからないものに全力を注ぐのはとても怖いけど、それでも諦められないのが本当にすきってことで、それを続けた人が夢を掴めるんだと思いました。才能ももちろんだけど、運や人脈、タイミングも必要だし、来るべき時に必要なスキルを出せるようにいつでも備えておきたいと思いました。好きなものこそ上手なれとはこのことだなあ。
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2018年 読書感想文コンクール課題図書 中学校
都内中高一貫校に編入した大木戸真は中学3年生。
イス職人だった祖父の影響もあり、イスをデザインするのが夢。
しかし、父は大反対。
弟の力は身体が弱く、学校の勉強も遅れがち。
母は陰ながら応援してくれるものの、やはり父の影響は大きい。
学校の図書館で『イスのミュージアム』と言う本を見つけて、早川梨々と出会う。梨々は学校で唯一スラックスを履いている女生徒で、セーディア創業者の孫娘。
二人は意気投合して、全国学生チェアデザインコンペに参加することにする。
やりたいことと進路は違うのか?
著者佐藤まどかさんは、自身もプロダクトデザイナーとしてイタリアで活躍。
136ページ 105度にしたいって言ってたな。いい角度だ。軽く寄りかかるのにいいあんばいだ。人間関係だってそうだぞ。そりゃな、90度なら一人で立っていられる。けど、人間関係はそれじゃうまく行かねえんだよ。
つまりな、そんな具合に、思いっきりだれかに寄りかかると、相手がささえきれなくなっちまう。ちょいと寄りかかる程度がいいんだ。
でな、向こうも困ったら、こっちにちょいと寄りかかる。向こうとこっちで寄りかかり合って『人』って漢字ができてんだ。人間なんてのは、だれだってだれかに寄りかかって生きてんだよ。一人で直立しているやつなんて、いやしねえ。わかるか?おまえは今、あの子にちょっとどころか、かなり寄りかかってんだよ。なのに、直立して一人で立ってるような顔をしやがる。わかるか?
ル・コルビジェのLC4
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イスのデザイナー
アメリカ -
読書感想文コンクール課題図書(中学生)。中学3年生ペアが椅子のデザインコンペに参加する青春もの。身近に椅子好きだったり家具関係の家に生まれたっていう人がいなかったから、こんなに椅子に詳しい中学生がいるんだあって新鮮でした。インテリア好きだけでなく、詳しい中学生って少ないよねえ。だから、コンペはどうなるかって気になりページが進みました。クリエイティブ、アートな分野を目指す学生さんが読むにはいいかな。その分野で稼いでいる人の意見が聞けたり、親にいかにわかってもらえるかとか。欲を言えば、クラスの仲間のことや主人公の祖父たちのことももう少し絡めて欲しかったけれど。家族とともに自分たちでできることを考え夢に進んで行く姿、実に爽やかでした。
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平成30年度の中学生読書感想文課題図書。
作者はプロダクトデザイナー。
主人公は、都内の中高一貫校に中3で編入したの真(しん)。転校早々真は、図書館で見ていた椅子の本がきっかけで、スラックスを履いて登校女子早川と知り合いに。真が椅子のデザイナーに早川は椅子のモデラーになりたい事がわかり、チームを組んで学生のチェアデザインコンペに出場することに。
安定した職業に就くことを望む父親と、好きな事をしたい真との葛藤を通して、読者は好きなことを仕事にすることの是非を考えさせられる。職業体験を通じて進路について考える中学生に、ぴったりの一冊。