「文明」の宿命

  • NTT出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757142886

作品紹介・あらすじ

「脱原発」と「原発推進」の二項対立に意味はない。「現代文明の全般的危機」の中、膨大な虚無にとらわれる我々にとって、拠るべき思想の軸とは。3.11後の「核と原発」論。

感想・レビュー・書評

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  • 東日本大震災の後、原発の取り扱いについて右往左往する日本。

    原子力エネルギー、核兵器の問題について、保守の論客が科学・技術・政治・経済・資源・軍事・外交的な観点から考え方を述べている。

    短絡的な脱原発・減原発・原発維持の議論終わらせることなく、現代文明の全般的危機ととらえ、深遠なる議論が展開されている。

    ニーチェ、ハイデガー、ヤスパースなどの先人の考え方も紹介され、とってもわかりやすい内容でした。

  • 西部氏を始め保守思想の論客が福島原発事故以降の文明について語る、

    脱原発に転じた西尾幹二氏などに対する批判、

    車を使い続けるリスクに対し、原発のリスクの少なさを語る藤井聡氏などは酷い、こういう人物が京大教授なのかと驚く、

  •  タイトルで購入。

     保守陣営の論客が原発について論じている。正直言ってとまどった。この国難、緊急事態のときに難しい国家論はおよびでない気がする。

     あと、自分たちの陣営で反原発論ででて、内輪もめをしているように感じたのもなんとなく不愉快。

     今は、緊急事態なので、とりあえず、原発に対するスタンスを決めつつ、国家論はこれから考えるというスタンスしか自分にはとれない。

    (1)新規原発設置は、国民感情からいっても無理なので、議論に値しない。

    (2)原発の再稼働問題は、工学的に今回の震災を踏まえて安全制御ができるかにかかっている。これは、工学の先生の評価に任せたい。

    (3)仮に安全性が確保されるにしても、少しずつ原発の依存を下げている。その代わりは、ボリュームからいって天然ガスしかありえず、あと再生エネルギーや蓄電技術は、もう一歩の技術開発をこれも工学系の技術者に期待する。

     なお、エネルギー安全保障という観点からも、原発の再稼働をやめることは問題だが、それも、まず安全運転ができるかどうかの工学的判断がでたうえでの議論だと思う。

     以上の議論は、この本の中の、藤井聡先生、中野剛志先生の議論にほとんど同じ。

     左翼系の先生方の本も買ったので、また、読んで、今のドラフトを再検証してみたい。

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著者プロフィール

西部邁(にしべ・すすむ)
評論家。横浜国立大学助教授、東京大学教授、放送大学客員教授、鈴鹿国際大学客員教授、秀明大学学頭を歴任。雑誌「表現者」顧問。1983年『経済倫理学序説』で吉野作造賞、84年『気まぐれな戯れ』でサントリー学芸賞、92年評論活動により正論大賞、2010年『サンチョ・キホーテの旅』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。『ソシオ・エコノミクス』『大衆への反逆』『知性の構造』『友情』『ケインズ』など著書多数。

「2012年 『西部邁の経済思想入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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