君と綴るうたかた(2) (百合姫コミックス)

著者 :
  • 一迅社
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感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・マンガ
  • / ISBN・EAN: 9784758022668

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  • 前巻ラストにて互いに隠し事を打ち明けた雫と夏織。雫にとっては夏織に知られていたというその時点で心を極限まで揺らしてしまう事態
    知られていたという恐怖、それを知って近づいてきた夏織への恐怖、自分達の関係への恐怖
    ただ、クラスメートに知られていたというだけなら、ここまで苦しまなかったかもしれないけれど、恋人ごっこの関係であった点が余計に雫を苦しめているね

    語られる雫の過去が普通にイジメ案件過ぎて戸惑う…。ちょっとした発言を誤解されたとかじゃなくて、ガッツリとしたイジメじゃないですか……
    雫としては他者から褒められた自分の長所を伸ばし、より発揮した形。でも、深く傷ついた人間が居るのならそれは褒められる点として扱われない。相手を傷つけていたと遅れて気付いてしまえば、その刃は自分自身にも向いてしまう
    そして、その刃は今も雫を苦しめ続けているのか……

    イジメの過去を知られている。それは確かに恋人役の夏織への恐怖を持つ要因になるのだろうけど、一方で恋人ごっこと称して夏織と付き合った時間が有るから、夏織と向き合わなければとも思うのか
    雫の弱みを握るような形で始まった恋人ごっこ。それがこうして雫が前を向く一助となるとは思わなんだ

    その後に明かされた夏織の思惑には更に驚かされたな
    多くの読者は恋人ごっこなんて聞いたら、その先の展開を期待して恋愛要素的なものをそこに見出そうとしてしまう。でも、雫と夏織の恋人ごっこは明るいけれど、どこかが歪だった。その理由がこれなのか。夏織としては雫と仲良くなりたいという感情と同じくらい、雫を繋ぎ止めたいとの感情が勝っていたのか。だから雫との関係も超積極的になっていたのか

    隠し事を明かしあって、胸の内をぶちまけて、相手に死なないでほしいと心から伝えて…
    そうして二人はようやく少しだけ恋人みたいな姿になれたね。特に夏祭りを共に過ごす様子なんて、これまでになく仲が良さそうで読んでいるこちらまで微笑ましくなってしまうほど
    互いに笑みを向けあえて、楽しかったと伝えられた。だというのに……
    ここに来てまだ秘められていたもう一つの隠し事。これをどうして夏織は隠したまま雫に近づいたのか、これを知ったときに雫はどのような衝撃を受けることになるのか
    二人を結びつける恋人ごっこが今後どのような意味を持ってくるのか、恐ろしい気分になってしまうラストでしたよ

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