- Amazon.co.jp ・本 (111ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758435413
感想・レビュー・書評
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40を越えた有島が、幼い頃の盗みを犯してしまうという衝撃的な出来事を通して様々なことを伝えてくれる童話。
描写が美しい。様々な色が出てきて、印象的で、効果的である。
そして何より、盗みを冒した少年に対する先生の対応が素晴らしい。
少年が先生を大好きなのは、少年のことを心から理解してくれているからだ。
この時も少年の気持ちを一番に考え言葉を掛けている。
そして少年はこの出来事をとしてさらに先生を、信頼し好きになったと思う。さらに人は信頼できる。失敗から自分を、成長させることができることを学んだのだろう。
人は誰でも失敗をするし、罪深い。それでもそれを反省し成長へと繋げることができる。
教師として、未熟で失敗する生徒たちを温かい眼差しを持って成長を促して行きたい。
「明日学校に来るんだよ。君の顔を見ないと寂しから」
いつも私が言っている言葉の意味の大きさを改めて知った。 -
片っ端から、道徳の教科書に載ってそうだな、と思った。子供の心の動きや考え方が出て良い。妹の話、弟の話、ばあや、ポチ。
最後の小さき者へは、母親を亡くして4人を男手で育てることになった、喪失感と、子供の不憫さを思う気持ちがよく出ている。
280円文庫、初めてみたけどきになる。 -
一房の葡萄のストーリー・テリングに感動して読んでみました。有島武郎の豊かで品格が高く味わい深いお話に読書の幸せを感じました。280円文庫良いですね。ずっと手元に置きたい良書がこんなに安くコンパクトだとうれしいです。
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最後の「小さき者へ」は好きすぎてもう何十回も読み返しちゃった(๑꒪▿꒪)*
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健全で幸福な人生を送っている人には、こんなにうつくしく、こんなに純粋な物語は書けっこないのだ。
あまり関係ないけど、震災直後にスピッツの草野マサムネさんが、エア被災みたいなことになって仕事を休んだ際、「こういうときこそ歌うべきだ」なんていうことを言ってた人もいたと思うけど、やっぱりそういうときに倒れちゃうくらいの感受性があるからこそ、みんながお世話になったスピッツの名曲ができたわけで・・・。今回、興味を持っていろいろ調べた有島武郎の生涯に思いを馳せつつ、なぜかそんなことを考えて、妙に納得した。
この短篇集は、表題作ほか子どもの視点で描かれた短編5編と、父から子への視点で描かれた「小さき者へ」から成りますが、特筆すべきは重松清さんのあとがきで、それを読むだけで泣けてくるし、有島武郎の年譜もついて、280円はハルキさんの心意気を感じました。ああ、有島武郎、『一房の葡萄』をものした3年後に、軽井沢で愛人と心中か……。 -
「火事とポチ」がかなり印象的。特に、姿が見えないポチを探しながらポチを思い返す場面は涙ぐんでしまった。ラストも余韻があり、読後感が高かった。
重松清の解説エッセイもgood。 -
1.0
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主人公の気持ちの変化や、学校の様子がありありと描写されていて爽やかな読後感があった。心の傷にならなかったのは、先生の指導力や人間性のおかげかもしれない。
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幼き日の、道徳に反してしまったときに感じる嫌な気持ちが、説明抜きに伝わってくる
ああ、この作品はとても懐かしいです。
ヘッセの「少年の日の思い出」と似た部分がありますね。
ただ、こ...
ああ、この作品はとても懐かしいです。
ヘッセの「少年の日の思い出」と似た部分がありますね。
ただ、こちらの話には救いがあります。
上手に導く先生がとても素敵でした。
レビューの後半部分は私も考えてしまうところです。
まして彼はクリスチャンだったはずですし。。
北海道で有島記念館を訪ねたことがあります。
住みたい!と思うような佇まいの家で、今も忘れられません。
ここで奥様を亡くしたことで、人生を半ば捨てたんでしょうかね。
作品だけが世に残りました。なんともやるせない気持ちになります。
コメントありがとうございます。
nejidonさんの「文豪」関係のレビュー(とても面白かったです!...
コメントありがとうございます。
nejidonさんの「文豪」関係のレビュー(とても面白かったです!)を読ませていただいて、積読状態だった文豪の作品を読んでみようと手に取りました。
「文豪」という響き好きなんですよ(*^^*)
有島武郎の苦悩や迷いをキリスト教でも救えなかったんですね。創作活動が勢いを失っていくと同時に生きていく気力も削がれていったのでしょうか。
わたしが武郎の娘だったら……父親としての武郎、文豪としての武郎の二面性に戸惑ったかもしれません。
有島記念館、そうなんですね♡訪れてみたいです。きっとわたしも住みたい、と思うに違いありません。