九十九書店の地下には秘密のバーがある (ハルキ文庫 お 20-1)
- 角川春樹事務所 (2018年11月13日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758442121
感想・レビュー・書評
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日常の謎の本格推理小説ですね。
主人らの長原佑は大学を出て就職した職場を仕事が馴染めず退職した。再就職の為に何か資格を取ろうと近所の九十九書店を訪れた。「何かお探しですか」と書店の店主九十九九十八子(ツクモトワコ)に声をかけられた事から物語は始まる。
九十九書店の地下にある謎の秘密のバーで、なぜか悩みごとを解決して物語。
連作短編の4話。岡崎さんの独特ののんびりした温かな文章を楽しみながら読了しました。成長物語でもあり、人物がしっかり書かれているので感慨深く読み進めました。
完結しているので続篇は無いようですが、キャラクターが良いので惜しいかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
会社を辞めて自信を喪失していた佑は、九十九書店の不思議な店主、トワコさんの下でバイトを始める。
トワコさんが夜に開くバーにやってくる困っている人たちを助けるために、トワコさんが佑に一見不思議な仕事を言い渡し、その人たちが本当に幸せだと感じることが何かに気づかせていく。
4話からなるが、どれも気持ちがホンワカしてくるストーリー。こんなバーがあったら、常連になりたい。 -
祐は仕事でミスを繰り返し上司に怒られる日々が続く。自信を無くして生きることも辛くなってしまい会社を辞めた。
その後就職活動が上手くいかぬ中、祐はたまたま立ち寄った九十九書店で店主トワコに誘われ店で働くことになる。
九十九書店は昼間は書店、夜はバーの顔を持っていて、バーに持ち込まれた相談事を解決するための風変わりな仕事も祐が任されることに。
登場人物も好感が持てるし様々な本やお酒が登場するのも楽しい。
何より物語が面白いd('∀'*)
仕事のことで悩んでる人にぜひ読んで欲しい。背中を押してくれる一冊になると思う。 -
九十九書店、内装の描写が好きです。小さな書店、憧れます。
小説の内容は。
2年で会社を辞めて、仕事に自信を失い実家に戻った25歳の佑。地元の書店に入ったことがきっかけとで、ちょっと訳ありな店長トワコさんに、書店の地下併設されたBARでちょっと変わったお仕事を頼まれます。訪れる人の悩みを解決しながら、それぞれの再生のストーリーでもあります。
読み応えとしてはさらりとしています。
佑さんのお母さん、素敵です。
小さな街の本屋さん。いいなぁ〜。 -
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訳あって入社二年で会社を辞め、自信をなくしていた長原佑(たすく)。ある日訪れた書店で、謎めいた女性店主から“仕事を探しているなら、今夜この店にもう一度来て”と告げられる。再訪した佑が案内されたのは、書店の地下を改装した秘密のバー。そこで店主のトワコさんから言い渡された、思いがけない“仕事”とは―。夜ごと悩みを抱えた人が訪れる、小さな書店とバーの日々。
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昼間は書店、夜はバー、という極端な設定からまず興味が湧く。書店&バーのオーナーは九十九十八子と書いて「つくもとわこ」と読む。佑は、昼間は書店でアルバイトをし、夜は、バーのママとなったトワコさんからの指令を受けて、さまざまな仕事をこなすことで、飲み代をタダにしてもらうことになっている。常連さんたちの協力も得て、バーに持ち込まれる厄介事を解決するような仕事なのだが、なんの経験もない佑は、右往左往しながら奮闘する。その一生懸命な姿に、思わず応援したくなる。思ったように運ばないことも多々あるが、何となく納まるところに収まってしまうのが不思議なものである。登場人物の背景も少しずつ分かってきたところなので、シリーズ化されると嬉しい一冊である。 -
人は失敗しながら多くのことを考え成長して行く。
周りの人から見れば大したことでなくても、本人にとっては耐えられない悩みになることもある。
そんな時に受け止めてくれる場所や人がいる(できる)と、心の底から感謝したい気持ちになる。
この本は、自分で立って歩くための「居場所」とは何かを教えてくれる物語。
どんなにどんなに頑張っても、自分一人で立てずに動けなくなることはある。
人や場所、本や経験が背中を押してくれるきっかけになることを物語を通して伝えてくれている。