人生で大切なたったひとつのこと

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  • Amazon.co.jp ・本 (64ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784759314731

感想・レビュー・書評

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  • 人って優しさ思いやりでできているんだよね…あの時こうすれば良かった、何であんなこと言ってしまったんだろう!何故もっと優しく出来なかったんだろう?

    今からでも遅くはない!
    自分勝手は卒業してもっと優しくなろう!
    人生を終える時になるべく後悔がないように…そう思えた一冊でした。筆者の助言通り2度読み返しました。

  • 『人生で大切なたったひとつのこと』著:ジョージ・ソーンダース訳外山滋比古、佐藤由紀(海竜社、2016/1/25)

    「80年後のある日、あなたが100歳、私が134歳になり、私たちがみなうんざりするほどやさしく、愛情たっぷりになったら、私に短い手紙を書いて、あなたの人生がどうだったかを教えてください。

    とてもすばらしかったよ。とあなたが書いてくることを願っています。」

    著者であるジョージ・ソーンダース氏が大学の卒業式で行ったスピーチの一部です。
    読者の皆さんなら、これから社会に出る卒業生に対し、どのような「はなむけの言葉」を贈りますか。

    著者は自身の人生を振り返って、自分が経験してきたことを卒業生にユーモアたっぷりに説明します。
    貧乏をしたこと、好きな子の前で恥をかいたこと、特殊な仕事に就いたことなど、様々なことがあり、その中で「自分が本当に後悔していることは何だったのか。」を振り返るのです。


    それは、著者が小学7年生のとき、転校してきた少女がイジメにあい、再び転校していったという経験です。

    著者は少女がイジメにあい、侮辱を受け、深く傷ついていること、自分の居場所が無いと感じていること、できることなら消えてしまいたいと思っていることを理解していました。

    著者はその子に対して、からかうこともせず、時にはかばったりしたこともあったそうです。
    他の同級生よりも、その子に親切に接したそうです。

    そして、少女の一家は引っ越していきました。


    著者は、その時のことが気になって、未だに心から離れないそうです。
    42年経った今でも、その時のことが頭から離れないと言うのです。


    「わたしが人生でもっとも後悔しているのは『やさしさがたりなかった』ということです。」


    他の同級生よりも親切に接しましたが、それでも後悔しているというのです。

    54年間生きてきて、沢山の悲しいことや苦しいことを経験してきたのにも関わらず、人生で最も後悔していることは、その時のことであるというのです。


    「目の前で苦しんでいる人がいる。そのときにわたしはどんなふうに応えたのか・・・」

    大学を卒業し、社会に出ると多くの競争にさらされます。
    若い人々は自身が抱えている不安や恐れ、自信の無さに苦しむこともあるかもしれません。
    そして、それらは十分に成功し、お金、名声を手にすることで解消されるという間違った思い込みを持ち、生きていく人もいるかもしれません。

    著者は自分が大学を卒業してからずっと、成功に固執し、「やさしいひと」になることを後回しにする生き方をしてきたと伝えています。

    そして、人生を振り返ると、「やさしいひと」になること以外のことはあまり意味がないと言うのです。

    野心を満たすことと同時に、なるべく「やさしさ」から遠ざからないように生きるべきであり、人生は成功よりも「やさしいひと」になることの方に意味があると伝えています。


    成功することと同じくらいの思いで、「やさしいひと」を目指してみてはいかがでしょうか。

    「人生は、とてもすばらしかったよ。」と言うために。

    この本は、自分の過去を振り返りながら、2回、3回と繰り返し読むことをおすすめします。

  • 大切なことは、
    優しくなる
    ということ。

    私は、以前は自分が優しいと思っていたが、どうやらそうでもないと分かってきたので、
    この本を読んで、改心していきます。

  • 著者はアメリカで「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた作家で、自らの出身大学の教授でもあります。

    作家を志すまでに数多くの職業に就いたユニークな経験から、独創的な作品を発表します。

    本書は、2013年に著者が教授を務める大学の卒業式で、スピーチをしたときの原文および日本語訳を載せたものです。

    およそ8分の短い内容ですが、ニューヨークタイムズ紙にスピーチ原稿が掲載された後には、100万回ものアクセスがあるなど大きな反響を呼んだそうです。


    人生を振り返って、あなたが後悔していることは何ですか?
    著者は自身の半生をユーモアを交えながら語りつつも、この質問に対するエピソードを卒業生たちに分かち合います。

    幼少期、いじめられている同級生のことを気にかけてはいたものの、何もできずにその同級生が転校してしまったことを悔やんでいるといいます。

    『わたしが人生でもっとも後悔しているのは、「やさしさがたりなかった」ということです。』


    人は誰もが利他の心を持ちながらも、本能的に自分のことを優先しがち。

    他人にやさしくしたほうがいいと頭ではわかっているけれど、実践するのは難しいと著者は語ります。

    それでも「もっと愛情をもった人になりたい」と誰もが心の奥底で望んでいることに向き合って、どうすればそのような人になれるのか、自分で答えを追い求めてほしいと伝えます。


    その上であらためて卒業生たちに向けて、やさしい人、光り輝く人になってほしいとエールを送ります。

    『わたしたちが、もっとやさしいひとになるなら、行動するひと、達成するひと、夢をもち続けるひととして、自分自身と真摯に向き合うことが必要です。』

    『大きな問題と向きあうようなことをしてください。あなたを小さな人間やつまらない人間にするようなことを避けてください。』

    紹介したのは本書のごく一部ですが、とても深い内容であり、私も考えさせられることがたくさんありました。

    私なりの考えですが、やさしさとは「相手の気持ちを理解できること、寄り添えること」だと感じました。

    悲しい、悔しいなど、痛みをともなう経験は誰にとってもつらいものだと思います。

    そんな時に、自分を励ましてくれる存在がいることは嬉しいですよね。

    自分がつらい経験、悔しい経験をしているからこそ、同じような経験をしている相手の気持ちが心から理解できる。

    自分の体験が、ときには相手にとってのやさしさになり得るのだと思いました。

    だからこそ、さまざまなチャレンジをする、困難から逃げずに大きな問題と向き合うことが大切なのですね。

    目標に掲げた結果を手にするまでの過程で、著者の言う「やさしい人」に自分が変わらざるを得ないのだ、とも感じました。


    私も起業したての頃は、過去の自分が経験しなかったことにたくさん挑戦しました。

    はじめのうちは、思った通りの結果にならないことも多かったです。

    でも、その苦しい経験を乗り越えてきたから大きく成長できたのだと実感していますし、新しいチャレンジが理想の成果に向かわせてくれると信じています。

    短い内容ながら、とても学びの多い1冊です。

    また何度も読み返してみようと思います。

  • 卒業式でのスピーチには、何世代にもわたって進化してきた伝統的な型があります。すでに盛りを過ぎたおっさんが、とんでもない間違いだらけの人生を送ったあげく(わたしのことです)、いまから人生の最盛期を迎えようという、輝かしく活力にみちた若いひとたちに(つまり、みなさんです)心からの助言を贈るというものです。

    わたしもこの伝統を尊重しようと思います。

  • 優しさは、色んなことを経験するなかで、育まれるものなのだと改めて思わされる。
    そして、その優しくし、されることで生まれてくる心の和みが、実は最も大切なものなのだと気付かされる。

    日本で言えば中一の頃、皆から冷たくされていた転校生の女の子に、もう少し優しく出来なかったことが、人生の中で一番後悔していることだと言う。
    大学の教養部の卒業式での、わずか8分に凝縮されたスピーチにて披露されたのは、この優しさを歳をとって身につけるのではなく、今すぐ実践していって欲しいと言うことだった。

    2度3度読んでも、都度新たな余韻に浸ることができました。

  • えぇこと言わはるわぁ〜。オススメです。

  • 人は老いたら大抵は丸くなるもの。
    今から丸くなることを意識して損はない。

    大変参考になった21歳です。

  • 20ページのフレーズに心打たれて、胸が震えました。

  • 優しい言葉たち。今は気持ちに余裕がなくて、聞いているだけだなぁ。

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著者プロフィール

1958年テキサス州生まれ。なにげない日常を奇妙な想像力で描く、現代アメリカを代表する作家。おもな小説に、『短くて恐ろしいフィルの時代』、『リンカーンとさまよえる霊魂たち』(ブッカー賞)など。

「2023年 『十二月の十日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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