歴メシ! 世界の歴史料理をおいしく食べる

著者 :
  • 柏書房
3.50
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本棚登録 : 413
感想 : 48
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  • Amazon.co.jp ・本 (170ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784760148783

感想・レビュー・書評

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  • マリーアントワネット、ユーゴー、ビスマルクあたりは
    普通においしそう。それ以前のはあまり食欲がわかないかも。

  • 思ったよりも内容が充実した、想像力膨らむ、食材も味も膨らむ本でした。紀元前の食事をここまで再現できるのは、ひとえに文字があったから。粘土板なので、覚書のために書いたことが、5000年後にも残ってしまった。

    残念ながら、メソポタミア文明の料理を食べたかったのですが、食材の調達ができません。その後に書いている「ソクラテスの腹ごしらえ」も、出来そうなのはなく、「カエサルの祝宴」に至って、急に現代のヨーロッパ風料理になる。やはり全ての道はローマに通じるのだ(私の主観)。

    ところが、私の古代への関心はご存知のように倭国の弥生時代です。そこに通じる、紀元前の中国料理やアジア料理があれば、またはせめて「聖徳太子の夕飯」ぐらいがあればよかったのだけど、アジアはスルーして後半は一挙に15世紀以降のヨーロッパに飛びます。

    大阪弥生博物館で「卑弥呼の食卓」なんて展示を観たのですが、考古学者は頭が固いので根拠ある魚やら貝やら野菜などの素材を、生のやそのまま茹でてドドーンと皿に盛り付けているだけ。そんなはずはないでしょ!その時代よりも3000年以上前にギルガメシュはレンズ豆と麦のリゾットを作ったり、ラム肉シチューを作ったり、カブの煮込みスープを作ったりしていたんだよ。「美味しいものを食べたい!」というのは、人類の基本欲求のはずで、必ず「◯◯さんの絶品料理」というものがあったはずだ。そういうものをともかく知りたい。遠藤さん、是非アジア編を作ってください!

  • 歴史の中に出てくる人物たちが食べていた料理を文献からおこし、現代の食材で再現したレシピ本。
    以前著者の古代メソポタミアと古代ローマの料理再現イベントに行ってみたが、どれも美味しかった。
    現代の食材では当時そのままの食事を再現することは難しいが、それに近いものを作って食べられる、というのは面白い。
    歴史や人物のコラムもあり、そこから料理へとつながっていくので、どこか遠い存在の人たちが確かに生きた人間だったのだなぁと感じられる本だ。

  • 著者は世界各国の歴史料理を再現するプロジェクト「音食紀行」というイベントを主催している歴史料理研究家。

    古代メソポタミアから19世紀後半まで年代ごとに章立てされていて、「ソクラテスの腹ごしらえ」とか「レオナルド・ダ・ヴィンチの厨房」とか「ユーゴーのごちそう会」など、なんだか楽しいタイトルが並ぶ。

    やはり味の想像がつかない古代は興味深い。
    ドライフルーツとにんにく入りのスイーツってどんな味なんだろう?アカル(ビール風味のパン)はベーグルに似ているという。神話に登場するキュケオーンも一口食べてみたい。

    おしゃれなカフェランチにありそうなメニューも多々ある。
    ダ・ヴィンチも食べたかもしれないイチジクの温製サラダや、マリー・アントワネットの夕食会で出されたという牛とキャベツのトマト煮込みとか。

    再現料理とはいえ、現在手に入りやすい食材で代用しているし、レシピの残っていないものは著者の想像だ。サブタイトルに“おいしく”と入っているように、アレンジも結構加えている。もしも当時の人がタイムスリップしてきたら、「何ですか、コレ…」となるかもしれない。

    それでも、食べ物という身近なものから当時の暮らしを想像することはおもしろい。調味料や食材の変遷や、歴史上の人物たちの食にまつわるエピソードやがふんだんに書かれているので楽しく読めた。

    図書館スタッフ(学園前):ノビコ

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    帝塚山大学図書館OPAC
    https://lib.tezukayama-u.ac.jp/opac/volume/870328

  • ↓利用状況はこちらから↓
    https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00543505

  • 「英雄たちの食卓」と同じ著者だった。かなり充実した内容。

    レシピ本ゆえ、その真価は試作、試食してみないと何ともいえないが。。。しかも歴史的レシピと言われたら、どう評価していいのか。

    でも、無邪気には楽しめる本。

  • 歴史の流れは知っていても、その時代に食べられていた食事ってあんまり考えてたことがなかったからおもしろかった。
    FGO好きな人だとより楽しめそうだな…と思いつつ。

  • 2017-8-10

  • 古代オリエントから19世紀のドイツ・フランスまでの、8つの時代の歴史料理の再現本。
    「音食紀行」というイベントの主催者でもある著者の、検証と料理とレクチャーを楽しめる。
    楽しそうなブク友さんのレビューに惹かれて、さっそく私も読んでみることに。

    入手困難な材料も当然ながらあって、それは似たようなもので代替えしてあり、「簡単で美味しい西洋料理」という仕上がりになっている。「完璧な再現」となると、とんでもなくお金と時間がかかり、それでも現代人の味覚に合うとは限らないので、そこは大変な苦労があったことだろう。
    どの時代もそれぞれ料理は5品で、スープからデザートまでというフルコース並みに写真で列挙。
    小さなコラムのひとつひとつも興味深く、食を通してヨーロッパの歴史をざっくりとではあるが学ぶことも出来る。

    1章 ギルガメシュの計らい
    2章 ソクラテスの腹ごしらえ
    3章 カエサルの祝勝会
    4章 リチャード3世の愉しみ
    5章 レオナルド・ダ・ヴィンチの厨房
    6章 マリー・アントワネットの日常
    7章 ユーゴーのごちそう会
    8章 ビスマルクの遺言

    この目次を見て、1はさすがに無理だろうと思われた方、ぜひレシピをみて作ってみてね。
    ドライフルーツとニンニク入りの「古代メソポタミア風ガレット」が、風味豊かなお好み焼きのようでとても美味しかったの!若干ボソボソとした食感だが、それもまた素朴な味わい。(すべての材料は揃わなかったけど)
    そしてその5000年前の料理のレシピはと言うと、粘土板に楔文字で刻まれていた宮廷料理だったのだとか。
    発掘した時の感動を想像すると胸が熱くなってくる。

    歴史も料理も一言居士だらけの現代、こういった書物をあえて出した著者の心意気に敬意を。
    次はアジア編を期待することにしよう。
    そして、6の「マリー・アントワネットの日常」に登場する「マグロのマリネ」は、今夜の我が家のメニューであります。わくわく。

    • 佐藤史緒さん
      nejidonさん、返信ありがとうございます!
      マリー・アントワネットなのに魚醤とは意外でしたが(薔薇のジャムとか食べてそうな印象…偏見で...
      nejidonさん、返信ありがとうございます!
      マリー・アントワネットなのに魚醤とは意外でしたが(薔薇のジャムとか食べてそうな印象…偏見ですが)、フランスというよりベトナムあたりのエスニックな感じですね。ナンプラーもエスニックも大好きです♡ これは美味しくないわけないぞ!
      古代メソポタミア風ガレットにはスパイスとドライフルーツがたくさん入るのですね。うーんこちらも気になる…
      さっそくamazonでポチさせてもらおうっと。
      素敵な本のご紹介ありがとうございました♪
      2018/08/04
    • mkt99さん
      nejidonさん、こんにちわ!(^o^)/

      素敵で口がじゅるじゅるする本のご紹介、ありがとうございます!(笑)
      どれもぜひ食べてみ...
      nejidonさん、こんにちわ!(^o^)/

      素敵で口がじゅるじゅるする本のご紹介、ありがとうございます!(笑)
      どれもぜひ食べてみたいですね~。
      私は「カエサルの祝勝会」と「ビスマルクの遺言」が気になりました!(^o^)

      個人的に前から食べたいなあと思っていたのは、糖尿病だったという藤原道長の食事かな。(笑)
      2018/08/05
    • nejidonさん
      mkt99さん、こんにちは(^^♪
      コメントありがとうございます!
      嬉しいなぁ、私もカエサル君のお食事には一番興味がありました。
      周辺...
      mkt99さん、こんにちは(^^♪
      コメントありがとうございます!
      嬉しいなぁ、私もカエサル君のお食事には一番興味がありました。
      周辺国を次々に属州にすることによって、食文化も貪欲に取り入れてますものね。
      「アピキウスの料理帖」というのが残っていて、当時の料理メニューが記載されているそうです。
      ただ分量までは載っていないらしく、そこは創意工夫でかなりの豪華な料理になっています。
      古代ローマ料理で食卓がにぎわったら楽しいでしょうね。
      「ビスマルク」は、老いても相当な健啖家だったらしいですよ。
      一回の食事量だけでもうびっくり。
      キャビア・ソーセージ・ニシン・アンチョビ・ポテトサラダ・・をそれぞれ大盛りで食しています。73歳の時に!
      そんなビスマルクの遺言は「何事もほどほどに」だったそうです。笑えます。

      藤原道長というと、大盛りのご飯に砂糖をかけていたという、あの方ですよね。
      砂糖なんて貴重品だったはずなのに、それを大量に食べるところで権力をひけらかしたのかしら?
      「糖尿病」という病名はまだ無かったと思いますが、この病で亡くなった貴族さんは洋の東西を問わず相当数いたことでしょう。
      贅沢ができない身の上で、ちょっぴり良かったです。とは言え他の病気にたぶんなるでしょうけどね。

      面白い本なので、mkt99さんもぜひお読みくださいませ(^^♪


      2018/08/06
  • 古代メソポタミア、古代ギリシャ、古代ローマ、
    中世イングランド、ルネサンス期イタリア、
    フランス・ブルボン朝、フランス・ナポレオン時代、
    プロイセン王国&ドイツ帝国・・・八つの時代の歴史料理を紹介。
    各章前半は5品のレシピ。各章後半はその時代の食文化、逸話、
    料理再現についてを解説。材料別索引有り。参考文献が豊富。
    資料・文献をもとに・・・といっても、それは大変な作業です。
    おおまかな調理法、わからん調味料の配合等、苦労の連続だった
    と推測できます。それの完成の姿を想像しながら、無い&不明の
    食材は現代のもので代用し、美味しく食べられる料理に再現。
    おかげで、現代人にもわかるレシピを提供しています。
    食材、味も歴史の証言・・・スパイスの変化、異国から伝来した
    トマトやジャガイモがレシピに現れる時期等に時代の流れを
    感じられるのも、面白い。また、貴族~庶民と階級でのレシピの
    違いも現れていて、楽しかったです。

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著者プロフィール

1980年生まれ。歴史料理研究家。国際基督教大学教養学部人文科学科音楽専攻卒。2013年から世界各国の歴史料理を再現するプロジェクト「音食紀行」をスタートさせ、実食イベントやレストランとのコラボレーション、テレビ番組への料理提供などを行う。著書に『歴メシ! 』(柏書房)、『英雄たちの食卓』(宝島社)、『宮廷楽長サリエーリのお菓子な食卓』(春秋社)、『古代メソポタミア飯』(大和書房)、『食で読むヨーロッパ史2500年』(山川出版社)がある。また、漫画『Fate/Grand Order 英霊食聞録』(KADOKAWA)で食文化と料理を監修。明治の食育サイト「偉人の好物」にて監修を担当。

「2022年 『歴メシ!決定版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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