コーヒーが冷めないうちに

著者 :
  • サンマーク出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784763135070

感想・レビュー・書評

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  • 泣けた

  • 小説も映画もよかったすごく好みだった

  • 「夫婦」のお話が1番号泣した…
    過去に戻っても現実は決して変わらない
    だけど未来はまだこれからの事で。
    変えられるかどうかは自分の心一つ。
    心温まるオススメの一冊。

  • コーヒーが冷めるまでの短い間だけ、時空を超えられる喫茶店
    そこで起こる、悲喜こもごものお話。
    時空を超えるための細かいルール設定。過去に行ったところで未来は変えられないし、その場から移動すらできない等々
    それなら時空を超える意味とは…なんだろうかと

    けれど私は行きたいと思った
    5年前に…過去に戻って、思いを伝えたいひとがいる
    今を変えられなくていい、変わらなくていいから
    あの日のあの喫茶店がそうなら、私は行きたい
    制限時間を過ぎてしまい、幽霊になるのも厭わない
    あのひとに、いろんなことがあったけど私は幸せだった、どんなかたちでもあなたとずっといたかったんだって伝えたい。
    なんてね

  • 何回読んでも泣けてしまう。
    特に認知症のご夫婦の話と過食症のお姉さんの話

  • 過去に戻れる席、それには条件がたくさんある、それなのに戻りたい人がいる。例え、未来が変わらないとしても、、、。全4話、4人の物語は、どれも切ない。特に、3話の「姉妹」は一番悲しかった。

  • お願いします、あの日に戻らせてください――。
    過去に戻れる喫茶店で起こった、心温まる4つの奇跡。
    とある街の、とある喫茶店の
    とある座席には不思議な都市伝説があった
    その席に座ると、望んだとおりの時間に戻れるという

    ただし、そこにはめんどくさい……
    非常にめんどくさいルールがあった

    1.過去に戻っても、この喫茶店を訪れた事のない者には会う事はできない
    2.過去に戻って、どんな努力をしても、現実は変わらない
    3.過去に戻れる席には先客がいる
    その席に座れるのは、その先客が席を立った時だけ
    4.過去に戻っても、席を立って移動する事はできない
    5.過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、
    そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ

    めんどくさいルールはこれだけではない
    それにもかかわらず、今日も都市伝説の噂を聞いた客がこの喫茶店を訪れる

    喫茶店の名は、フニクリフニクラ

    あなたなら、これだけのルールを聞かされて
    それでも過去に戻りたいと思いますか?

    この物語は、そんな不思議な喫茶店で起こった、心温まる四つの奇跡

    第1話「恋人」結婚を考えていた彼氏と別れた女の話
    第2話「夫婦」記憶が消えていく男と看護師の話
    第3話「姉妹」家出した姉とよく食べる妹の話
    第4話「親子」この喫茶店で働く妊婦の話

    あの日に戻れたら、あなたは誰に会いに行きますか?

  • 人生は選択の繰り返しで後悔せずに生きることはできないけど、当たり前の毎日に、当たり前に一緒に過ごしている家族に感謝しながら生きようと思いました。誰でもいつか会えなくなる日が来ることを知っていても日々を疎かにしてしまう。
    そんな日が来る前に、日頃から言葉にして伝えたい。

  •  心の在り方を考えさせられるような、不思議な時間を追体験するような一冊でした。

     とある街の、とある小さな喫茶店。そこにはちょっとした都市伝説があった。それは、その喫茶店のとある座席に座ると、自分の望む時間へと行くことができる、というもの。

     読み始めて一話目でこの設定が出てきた時に、ああ、これはよくある過去に戻って何か後悔ややり残してきたことをしに行く話なのか、と咄嗟に判断してしまいましたが、その時間を渡るのにあたってのルールが、とても細かい。
     一つ、過去に戻っても、現実は何も変えられない。つまり、過去でどんなことをしようと、現実に影響を及ぼすことはできない。死んだ人は生き返らないし、病気は治らないし、現実で直面しているどんな困難も過去を変えることによってなかったことにすることはできない。
     一つ、過去に戻っても、その喫茶店を訪れたことがある人にしか会うことができない。つまり、自分一人が過去に戻ったとしても、喫茶店に来たことのない友人知人親兄弟に会いにいくことはできない。
     一つ、過去に戻っても、その座席から立つことはできない。つまり、過去に戻っても席を立って店の外に出て何かをすることはできない。
     一つ、過去に戻っていられるのは制限時間がある。それは、テーブルの上に出された一杯のコーヒーが冷めるまで。冷めきるまでにコーヒーを飲み干してしまわなければいけない。
     一つ、過去に戻ることのできる座席には、先客がいる。その先客が席を立った時にしか、その座席に座ることはできない。

     どれも、聞けばそんな細かい条件をクリアしてまで過去に戻ったとしても、あまりに限定的で、喫茶店の常連以外にはあまり意味のない時間逆行となることは間違いないというようなルールばかり。それでも、そこの席で過去に戻る意味があることもある。
     その喫茶店を日常的に訪れる人や、その喫茶店で何か大切なことをし損ねた人。大切な誰かがその喫茶店を訪れていた人には、かけがえのない時間になることもある。
     たったコーヒー一杯が冷めてしまうまでの、短い時間。そのわずかの時間で、その席に座ることを望んだ人たちが誰と、どんな気持ちで、何の話をしたのか。それによって決して現実が変わることはないと知っていても、その時間に戻りたいと願った人たちが何と向き合って戻ってくるのか。
     今まで見てきた時間逆行ものとは少し趣の異なる雰囲気で進む話は、どれも現実のやるせなさと、切なさと、それ以上に人のあたたかさに満ちていて、とても優しい話だと感じました。
     過去に戻っても、やり直しはできない。
     過去に戻っても、起こってしまったことをなかったことにすることも、誰かの運命を変えることもできない。
     でも、過去に戻る前の自分と、過去に戻ったあとの自分は、同じ自分。
     過去で見てきたものに心を動かされて、これからの未来を作っていくのは、自分。
     人は、その心の在り方一つでこんなにも違う生き方を描いていくことができるのかと思うほど、視点を変えるだけでこんなにも違うものが見えるものなのかと感心してしまうほど、一つ一つの話の読後感が爽やかでした。

     読み終わってから知ったものですが、この作者さんは劇の脚本を書いておられた方とのことで、このお話の造りにも納得でした。
     緊張・停滞・緩和・解放の呼吸がとてもイメージしやすく、文章で聴いているのに、なにか映像を見ているように感じていたので。
     こちらはシリーズとのことなので、また少し期間を置いて他の本も読んでいきたいと思います。

  • 映画を観て知った本。
    映画もとても好きです。

    4つの中でも夫婦と親子の話がすごく好きで、何度読んでも泣いてしまいます ..
    でも、現実は変わらなくても心は変わる、そんな前向きなお話なので、読むとあたたかい気持ちになります。

著者プロフィール

大阪府茨木市出身。1971年生まれ。小説家・脚本家・演出家。舞台『コーヒーが冷めないうちに』第10回杉並演劇祭大賞受賞。同作小説は、本屋大賞2017にノミネートされ、2018年に映画化。川口プロヂュース代表として、舞台、YouTubeで活躍中。47都道府県で舞台『コーヒーが冷めないうちに』を上演するのが目下の夢。趣味は筋トレ、サウナ、シーシャ。モットーは「自分らしく生きる」。

「2023年 『やさしさを忘れぬうちに』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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