なぜ男女の賃金に格差があるのか:女性の生き方の経済学

  • 慶應義塾大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766428476

感想・レビュー・書評

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  • 女性って、人生の選択も多いし、特に出産後は不利にされやすいことがありありと。生年毎のグループ分け分析が興味深い。。。

    最近ワタシがnoteに書いたことと諸々リンクしそう
    【結局20年変わってない女性の地位】
    https://note.com/ruly_yasuka/n/n26f42712233e

    【女性と給与】
    https://note.com/ruly_yasuka/n/n792ef7d93c39

    【複数育児同僚の退職理由に違和感】
    https://note.com/ruly_yasuka/n/n144767b97d45

  • あなた自身のやり方の問題
    どん欲/柔軟な仕事・ポジション
    キャリア:人生のコースまたは歩み、一定期間の継続が必要
    平等な結婚vs収入の多い結婚
    ①家庭かキャリアか
    ②仕事のあとに家庭
    ③家庭のあとに仕事
    ④キャリアのあとに家庭
    ⑤キャリアも家庭も(1980年以降の大卒者)
    チャイルド・ペナルティ:出産前後のン収入が下落
    手っ取り早い解決策<問題を知る→正しい方向に進む

  • アメリカの女性の賃金についてここ100年の変遷を時代ごとに「キャリアか家庭かのどちらか」「キャリアを築いたあとに家庭」のようににパターンわけをして分析されている。参照データも多く信頼できる結果だと思う。

    医師や弁護士といった職業、MBA取得者といった経歴を持つ女性であっても同じ仕事をする男性と比較していまだに賃金が低い現状がわかり、ジェンダーの公平には依然として課題が残っていることがわかる。

    単純な性ごとの年収だと子育てをする女性などの労働時間の差が大きく反映されてしまうが、時間給で計算しても現状で男性1ドルに対し女性70セント前後の差があるらしく、同じかそれ以上の仕事をしても女性が差別を受けている。

    正直、日本は男尊女卑が色濃く女性が受ける差別が特に大きい文化圏だと思っていたが他国でもまた別の点で性差別の課題があることがよく理解できた。

    賃金差も1ドルに対し50セント程度という2倍近い差があった頃からは改善されてきているが、これは何年もかけて女性が奮闘してきた結果でもある。

    まだまだ差別は残っているがこれまでの女性には敬意をあらわしつつ、現代とこれからの女性にはキャリアのためにやむをえずか家庭を捨てたりするのではなく、自由意志でどちらも選択したり、どちらかに集中したりできるような人生を送れるようになってほしいと切に思う。

  • なぜ男女の賃金に格差があるのか:女性の生き方の経済学。クラウディア・ゴールディン先生の著書。男女の賃金に格差があるとしたらそれはジェンダー不平等。ジェンダー不平等をなくすためには男女の賃金の格差をなくさないと。男女の賃金の格差をなくすことを法律で定めるくらいしないと日本はいつまでたってもジェンダー平等後進国になってしまうのかな。

  • 東2法経図・6F指定:366.38A/G61n/Mugiyama

  • 雇われて働くものの賃金の差。
    賃金は、役職位により変わると解せば、役職位の差が性別により存在するということ。

    ジェンダー論が煩く叫ばれているが、この本は冷静な分析がなされているやに聞き、読んでみようと思った。

    企業に雇われて働き、そこで評価される・多くの賃金を貰う、ことに対する欲望を、男女問わず、皆持つもの、そこに高い優先順位を感じるものという前提で、話はやはり進む。

    多分、その価値観に囚われ続ける限り、この手のジェンダー論は終わらないんだろう。
    複数対複数で、ピッタリ一緒になるなんて、多分ありえない。平均を見るの?集団内の偏りはどう評価するの?ホントにその属性が差の要因なの?(この本では実はそこにも踏み込んでいて、そこは大いに評価できる)

    男は妊娠も出産もできない。
    (単純に優劣があるわけではないというのは勿論の前提だが)頭脳も含めた身体の機能は、男性女性で大きく異なる。ある一つの尺度で見るとき、そこに差があるのはごく自然だと私は思う。
    スポーツに男女別の枠があることが自然なのは、なにもその世界だけ特別だからではないと考える。

    問題意識が、「男女同じ結果ではないのは何らかの異常・問題がその背景にある」というものであり、それはやはり異様なもののように感じたので、しっかり読み込む気になれなかった。

    雇われて働く苦しさを感じてもなお、そこに留まり続けてしまうこと、人生全体と働くということをどう上手く折り合いをつけるかということ、などが今の私の興味の対象であるので、ノーベル賞さんに言うことではないが、なんだか浅薄だな、とまで感じてしまった。

    残念。

  • すごい分析なんだろうなぁと思いながら難しくてちょっとずつしか読み進められなかったんだけど,弁護士の具体例が出てきたあたりから俄然おもしろくなった。そこで差が出てしまうのは仕方ないんじゃないかと私は思ってしまうけど,そうではない,という時代が来るんだろうか。報酬ではなく詰める実績の差として考えると,仕方なくはないか,とも思う。

  • 2024/02/13の私には難しかった。

  • 2023のノーベル経済学賞を受賞したゴールディンの一冊。米国社会で女性がキャリアと家庭の両立を求めて苦悩してきた歴史を各世代ごとにパターン分けして解説する。日本でもほぼ同じことが起きているし、世代や人によってそれぞれのパターンに大体分類できるように思えた。弁護士と薬剤師における女性のキャリア状況の違いが示唆に富んでいた。そういう働き方がどの職種や会社でも求められてきている。本書に書かれていることをもとにキャリアと家庭のバランスについて夫婦間で話し合いができるとよい。

  • 企業の要求にすぐに応えられるかどうか(オンコール)が男女の賃金格差の鍵。

    子育て世代の大卒カップルでは、女性が雇用主や顧客の要求にすぐに応えることを諦めるため賃金が低くなり、男性がオンコールでそうするので高賃金に。女性・妻が家庭におけるケアを担い、家事育児に柔軟に対応できるように高賃金の仕事へのキャリアをあきらめ、男性・夫がそのキャリアを追求する。このカップル間の不公平が労働市場での男女の所得格差につながる。その点が印象的。また、コロナ禍における在宅勤務がジェンダー規範を変化させたかどうかは明らかにされていないとのことだったが、気になるところ。

    アメリカにおける女性の働き方の変化を100年の期間に渡って追い、近年では男女の賃金格差が女性差別よりも時間の選択で説明できることを述べている。

    日本のメンバーシップ雇用と性別役割分業の議論にも当てはまる話だと思う。日本も長期的に変化していると思うが、本書と同じような手法で誰か分析してほしい。

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著者プロフィール

ハーバード大学ヘンリー・リー経済学教授。経済史家であり労働経済学者。研究テーマは、女性の労働力、所得における男女格差、所得不平等、技術革新、教育、移民など多岐にわたる。2013 年にアメリカ経済学会会長、2000 年に経済史学会会長を務める。米国科学アカデミー会員。著書The Race between Education and Technology(L・カッツとの共著)で、2008 年R.R. ホーキンス賞を受賞。マサチューセッツ州ケンブリッジ在住。

「2023年 『なぜ男女の賃金に格差があるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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