殉教と殉国と信仰と: 死者をたたえるのは誰のためか

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  • Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784768479346

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  • 靖国の英霊について、それは最も大きい愛の行為を行った人であると讃える。このようにして人々を靖国神社へと向かわせたのです。友のため、そして国のために、愛する者のために、最も大きい愛をもって命を捨てた人は、永久に生きる。この世の命に死ぬことが永久に生きる道である、というロジックを見てみても、キリスト教の歴史、これが国家の戦争、聖戦の歴史と深く結びついていたことは、はたして偶然のことであったのかどうか、これを改めて問い直す必要があるのではないかと思う。

    政教分離の問題があるかもしれないし、あるいは中国や韓国から批判があるかもしれないけれども、私は戦死者に対して純粋に敬意と感謝を捧げる、それのどこが悪いんだ、と主張し靖国参拝していた小泉首相は素晴らしい。 靖国に行かないことはアジアからの批判を逃げることでなく、戦死者への冒涜だ。

    殉教がユダヤ社会で高く評価されてきた理由は、彼らのこ有の歴史にある。ユダヤ民族は自分たちは神によって選ばれた特別な民であるという強烈な選民意識がある。
    ユダヤ社会の神理解に真正面から挑戦したのがキリスト。キリストが強調した神は、悪人にも善人にも太陽を昇らせ、正しい者にも雨を降らせる親のような神です。

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著者プロフィール

高橋 哲哉(たかはし・てつや):1956年生まれ。東京大学教養学部教養学科フランス科卒業。同大学院哲学専攻博士課程単位取得。東京大学名誉教授。著書:『逆光のロゴス』(未來社)、『記憶のエチカ』(岩波書店)、『デリダ』『戦後責任論』(以上、講談社)ほか。訳書:デリダ『他の岬』(共訳、みすず書房)、マラブー編『デリダと肯定の思考』(共監訳、未來社)ほか。


「2024年 『沖縄について私たちが知っておきたいこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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