- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784774621142
作品紹介・あらすじ
猫がご飯をたべていたのは、絵高麗の梅鉢という高価な茶碗。気づいた道具屋は、なんとかそれを手に入れようとして…。茶店に広がる、とっても落語な小宇宙。こどもも大人も楽しめる、可笑しさいっぱいのお話。
感想・レビュー・書評
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有名な「猫の皿」という落語の絵本版。
野村たかあきさんの木版画とお話がとても良くマッチしている。
表紙の器の数だけでも驚きだが、裏表紙まで器だらけで更に驚く。
ひとつとして同じものはなく、ずらりと並んだそれらを眺めるだけでも楽しい。
版画絵はどれも表情豊かで、細かに描きこまれた(刻み込まれた?)背景も皆、黒のアウトラインが入って見やすい上に遠目も効く。
お話そのものは「じわっと」くる笑いなので、高学年以上が良いかもしれない。
登場人物は若い道具屋さんと、茶店の主と、猫。
場面展開は一切なく、この茶店での道具屋さんと店の主との会話が主軸。
収穫がまるでなかった道具屋さん。ふと休憩に立ち寄った茶店で、猫が高価な皿でご飯を食べているのを見て驚く。
「知らねえってのはおそろしいねぇ」
茶店の主が皿の価値も知らずにやっていると思い込み、さっそくあの手この手で皿を手に入れようとする道具屋さんだったが・・
表紙の見返し部分に、柳家小三治さんによる「道具屋さん」の解説が載っている。
約9行ほどの説明だが、そこから読まないとお子たちは分からないだろう。
江戸時代はほとんどのものがデリバリーだったんだよ。このお話に出てくる道具屋さんも、道具をお店で売っているわけじゃなく・・・という説明もちょこっと。
それでも全部で約10分程度なので、お話会にぜひ。
ふたりの会話がとてもテンポが良くてリズム感があり、そこはぜひ生かしたい。
最後のオチまで、かけあいの楽しさが明るく伝わるように、練習が必要。
知らねえっていうのはおそろしいねぇ・・それはね、この若い道具屋さんのこと。くすくす。
落語絵本というと川端誠さんの作品ばかり読んできたが、野村たかあきさんの作品も読んでみようかな。でも、地元の図書館には蔵書が少なくそこが悩みどころ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
道具屋は掘り出し物を安く買って高く売る商売。
江戸ではなかなか掘り出し物が見つからず、田舎町まで足をのばした、ある日。
今日も空振りで、とぼとぼ、江戸への帰り道。
一軒の茶店に立ち寄って。
軽快な文章と、くっきりした版画絵が紙芝居のように楽しい。
最後のページに「だよね」と思いつつもニヤニヤする。
落語絵本は何か物足りなさがあったけど、この絵本は良かったー! -
6歳の子供には少し遠回しなオチだったのかキョトンとしていた。私はなるほど〜と高らかに声をあげましたとさ。
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読了
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じいさん、なかなかやるねぇ。
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昔、旅をする道具屋さんがあった。いなかから良い道具を安く仕入れては、まちで高く売るのだ。良い話はそうそう転がっているものじゃあないが、ふと立ち寄った茶屋で、道具屋さんは、ネコが使っている皿に目が釘付けになった。あれは有名な皿じゃないか。さて、どうやって安く手に入れてやろう。道具屋さんは頭をひねった。
あっぱれ!と言いたくなるような痛快なお話。木版画の絵も素朴な温かみがあって、お話の内容にぴったりだった。 -
らくごえほんは、いいですね。猫の皿の落語を聞いたのは、もう数十年前になりますか、落語家は誰だったか思い出せないなぁー。落語絵本を読んで、また落語を聞いてみたくなりました。
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7'00"